【感想・ネタバレ】額田女王のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年07月14日

久しぶりに噛み応えのある小説を読んだ感じがする。

どちらかというと歴史とか、いわゆる社会科の内容は得意ではない。大化の改新も壬申の乱も、ギリギリ試験のための勉強をしたくらいで、とうの昔に大概のことは忘れてしまってる。井上靖さんの作品も『しろばんば』辺りは読んだけど、この作品や『天平の甍』や『敦煌』...続きを読むは歴史への苦手意識があって読んでなかった。『敦煌』は西田敏行さんが出た映画は見たけど・・。
そういえば、この作品も読んでいて、『敦煌』で描かれてたような壮大な景色を連想した。映画を見ているような、鮮やかに場面が展開される感じがした。

万葉集は好きな(興味のある)部分とか関連本を読んだりしてるんで、その部分の人物関係くらいは頭に入ってるけど、その人たちがどういう風にその時代を構成していたかは、実はそこまで気にしていなかった。まあ、詩歌の鑑賞なんて、背景を無視して純粋にその歌に向かい合って味わうこともできるから。

それが今回、額田王、大海人皇子だけではなく、別個に鑑賞していた有間皇子についても、さまざまに入り乱れる人間模様を加味するとこんな風に読めるんだと、正直、今まで読まなかったことをちょっと後悔した。

ちなみに、今回はなるべく丁寧に読んだ。何しろ、人物名だけでも振り仮名が外れると読めなくなる人が多いんで、メモ用紙を傍において、人物名や時代、地名等、気になったことは書きとめた。なじみのない言葉は、すぐに辞書を引き、確認した。現代ではあまり使われなくて、辞書にはちゃんと載っている言葉がこんなにあるかと驚いた。
そうやって言葉の一つ一つを紐解いたことも、今回、じっくり楽しめた要因にもなったかもしれない。

いや、でも今だから、ここまでじっくり読み込めた部分もあるんじゃないかという気もしている。
去年から、私の苦手分野だった政治について自分なりに目を向けるようになってきて、ある時は憤り、ある時は胸を熱くし、そして最近は胸を痛めたりも・・。
そういう気持ちをいろいろ味わってきたおかげで、この小説に描かれている、遠い1300年も昔のお話に、より感情移入できたこともあるんじゃないかと。もしかしたら、こういうところから逆に学べることもあるんじゃないかとも思った。

そういう意味で、もっともっと今の人に読まれていい本だと思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年05月12日

巫女として神の声を聞き、神の心を歌う額田女王。大海人皇子との間に十市皇女をもうけてからも、神の声を聞くためにその心は誰にも渡すまいと誓っているが、有間皇子や中大兄皇子への想いは結構人間的だと思う。神の心を歌うとしながら、いつしか中大兄皇子の心を歌うことに喜びを見出していくあたりも、「あなたの心は私だ...続きを読むけが知っている」「あなただけは私の言おうとしていることわかるでしょ」的な気持ち、それを喜ぶ気持ちも、結局中大兄皇子に恋する人間の女性の気持ちに他ならない。神の嫁としての巫女的性格は、人に恋する以前の、男と関係を持つ前の乙女にこそふさわしい。そんな巫女のあり方は折口を彷彿とさせる。しかし、ある意味こじらせた?女心の書き方うまい。

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Posted by ブクログ 2014年05月16日

比較的読みやすい歴史小説。資料も限られる中、飛鳥王朝の様子が脳内で想像しやすく描かれていて、井上さんの文才に改めて感服しました。一般的な額田王&大海人というカップリングに決めつけていないところも印象的。

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Posted by ブクログ 2012年01月29日

古代に関する歴史小説が珍しく購入。教科書では知る事のできない、当時の国際情勢の中で苦悩する男達と才女額田女王との愛。情景が目に浮かぶよう。面白かった。

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