【感想・ネタバレ】世界の歴史〈5〉ローマ帝国とキリスト教のレビュー

あらすじ

ローマ帝国はなぜ滅びたのか? 神の国の実現をめぐる帝国とキリスト教。その抗争と共存の中に、それぞれの本質形成を捉えたローマ帝国興亡の叙事詩。かつてない壮大なスケールで描いた歴史叙述の傑作。

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Posted by ブクログ

06'11'15アウグストゥスとイエス・キリストを巡る不思議な因縁を神秘的に綴ったプロローグ〜果たしてどちらが真の救世主か〜から始まり、一転してローマの歴史、共和制から帝政への移行、その支配と属州国の隷属の実態を語り明かす。また一転しユダヤの歴史とそれを導入にイエス・キリストの降臨、キリスト教とローマ帝国との関連を分析する。著者の弓削先生ご自身、敬虔なキリスト教徒でありましたが、キリストの起こしたさまざまな奇跡を事実とし、聖母マリアの処女懐胎を神秘的な「なにか」と言い、嫌疑することのないのに不思議な印象を受けた。しかしそれについては後述でもっともな理由をおっしゃっていたので納得しました。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初にこのタイトル「ローマ帝国とキリスト教」を見たときは、ただ「ふ~ん」と思っただけだったけど、よく考えるとこのふたつを並べるってすごい。

本書はローマ帝国の建国から、東西に分裂するところまで。
だから当初はローマ帝国とユダヤ教徒の関係が描かれている。
ユダヤ王国はローマの属国でありながら、もちろんローマの神々を信仰しない。
ローマも特に宗教的な強制はしないのである。

が、ユダヤ教からキリスト教がわかれた時、ユダヤ教がまずキリスト教徒を弾圧し、皇帝を神格化したいローマも帝国も皇帝を神と認めないキリスト教徒を弾圧する。
それがなぜ、ローマの皇帝がキリスト教を保護することになったのか。

それは、極めて政治的な事情。
弱体化しつつあるローマ帝国を守るため、「国の安寧と民の平安のためにキリスト教徒が神に祈ってくれるのなら、国はキリスト教徒を保護することにやぶさかではない」と、皇帝が発言したから。

それはもともとのローマの神々を捨てることではなく、あくまでも「キリスト教徒も認めるよ」ということだったのだけど、いつの間にかキリスト教に取り込まれてしまった。
だって、どんなに弾圧しても宗教を捨てなかったキリスト教徒は、味方にすると頼もしいのだもの。

でも、キリスト教徒も祈ってくれたローマ帝国の安寧は結局叶わなかったわけで、それについてはどう折り合いをつけているのか。

神と人間の関係は、信仰することによって幸せになれるという等価交換の関係ではなく、イエスが対価なくして人の罪を赦すその無条件な言葉に神の権威を認めることを求めたように、帝国の衰退とは関係なしに悔い改めることが要求される。
つまり、「地上の国」ではなく「天上の国」での幸せを選択したことによって、帝国の衰退は特に問題ないことになった…のかな?

読んだ端から忘れていくので、永久に読み続けられるのではないかと思うほど。
ローマ人の人名はほぼ覚えられず。がっくし。

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2019年10月05日

Posted by ブクログ

2016/4/8
ローマという都市が帝国になっていく過程が面白い。版図を大きく広げる際には有能な指導者が登場する。最終的には首都がローマではなくなり、コンスタンティノープルが首都となる。もはやイタリアではないのだ。ルーマニアという国名は「ローマ人の」という意味。地中海人すべてがローマ人だったわけだ。キリスト教に関する記述の分量が結構多く、いまいちであった。

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2016年12月16日

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