あらすじ
今日も日本中の多くの会社で、会議に対するボヤキが聞こえてくる。「時間のムダ」「資料づくりで一日が終わる」「何も決まらない」などなど。しかし実際、会議と名の付くもので、本当の会議の名に値するものは1割程度。あとはダメな会議や会議モドキだらけ。本当の会議とは問題解決の結論を出す(決める)会議のこと。会議を変えて組織を活性化させるためのヒント満載、これであなたの会議観も変わる! (講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
「会議」で検索して購入。著者の杉野氏は、ドコモ→ATカーニー(本に書いてある情報で)。2013年の古い本。
感想。
読んでいるときは、当たり前のことが書いてあると感じたが、備忘録をつけてみると良書だと実感しました。会議に疑問を持ってい感覚を言語化してくれました。目的の階層性とか、悩んでました。
備忘録
・「会議」と「打合せ」を区別しよう。「会議」とは「多人数で集まって問題の解決策の結論を決めること」。「打合せ」とは、「多人数で集まって問題を議論すること」。会議は打合せの一類型。
・「打合せ」をもう少し細分化すると、「会議」、「検討会」、「連絡会」、「報告会」。それぞれ役割や目的が異なる打合せ。
・そのため参加者に求められることも異なる。会議は決めるための議論。検討会は選択肢やアイデアを決めるための議論。連絡会は共有させる問題の解決策の結論を理解するための議論。報告会は選択肢やアイデアを理解するための議論。
・上記は分割開催しても良いし、一つの打ち合わせの中で議題ごとに「意識的に」使い分けても良い。
・ただし、よく考えれば、わざわざ開かなくても打ち合わせをしなくて済むものが多い。連絡会や報告会はメールで済むことが多い。
・組織と打合せについて。組織とはある目的のために多人数が協業することである。組織は、分業によって、分けられたグループの専門性が高まっていく。しかし、分業&専門性が高まるほど、組織のタコツボ化が進んでしまい、自部門の外に注意を払わなくなる。そうなると本来は組織全体・全社的な問題に対応するのが難しくなるので、そういった大きな問題を扱う会議がポイントになってくる。
・専門化進むとほど、分野を跨ぐような大きな問題をに対して俯瞰する必要がある。
・ただ、俯瞰的に物事を捉え、優れたリーダーシップと判断力で、迅速な意思決定ができるようはリーダーを待望するより、良い会議をしよう。
・会議の目的を定めるのはとても重要。注意したいのは、目的の多義性、階層性、主体決定性。
・目的は人によって異なることがある。
・目的にはより上位の目的、下位の目的が存在する。例えばダイエット目的は、体重を落とす→健康→長く子供達を見守る→幸福、とかのように。上位の目的の方が未来についての目的になる。階層が上の人はより上位の目的を考える。よく「うちの若手には長期的な視野がない」と嘆かれるがそれは当たり前で、組織設計の問題で役割が違うためであり、長期的な視野で考えるのはそう嘆く経営陣自身。
・目的は自分で決めないといけない。またその目的が正しいとはわからない。
・経営会議などの経営課題を解決する会議が、本当の会議になっているか。目的が明確で、中長期的なトップダウン議題が揃えられ、オープンな議論がされているか。
Posted by ブクログ
この本は一言でいうと、『リーダーを待望するより本当の会議をしよう』という内容で、会議についての認識が変わった。
本当の会議は、大きな問題を解決するためにあり、現在のように何でも解決してくれるリーダーが現れにくい時代に必要とされおり、「問題解決のための装置」ということだった。
会議といいながら、本当は連絡会、検討会、報告会だったりするケースが多い。
・検討会は決めることが目的ですが、その対象は問題の解決策の「結論」ではなく、「選択肢(アイデア)」である。
一般にブレーンストーミングと呼ばれる打ち合わせは、結論を決めるのではなく、参加者がアイデアを否定することではなく、それに刺激されて次々とアイデアを出すことが目的とされる。
・連絡会は行為として会議とはことなり「決める」ことが目的ではなく、「共有する」ことが目的である。共有する対象は、会議と同じで問題の解決のための「結論」である。
連絡会はあくまでも、すでに決まっている結論を集まった人たちに共有してもらうことが目的になる。
・打ち合わせは行為として会議とは異なり「決める」ことが目的ではなく、連絡会と同じ「共有する」ことが目的である。共有する対象は「結論」ではなく「選択肢」である。
そこで、本当の会議とは、「多人数で集まって、組織における問題の解決策の結論を決めること」と定義する。組織においてなぜ会議が必要になるかというと、発達した組織は分業によって専門化が進み、「組織の細分化」の状態になっている。
優れた組織は、どんどん専門化のために分業していき、細分化していくが、組織の細分化の弱点として、組織の中での部門間のつながりが弱まり「組織のタコツボ化」が起きてきます。
部門間で解決できないような大きな問題は、誰か一人のリーダーが現れて解決してくれればいいが、現在のような時代にはそのようなリーダーが現れることは難しくなってる。リーダー待望論は他者依存の考えであり、リーダーを待望するより、「本当の会議」をして部門間の大きな問題を解決してくことが大事である。
会議の仕方は
1.会議の目的を明確化する
2.目的に合った議題を設定する
3.会議の議題に沿った資料を用意する
4.参加メンバーを選択する
を検討することだ述べている。