【感想・ネタバレ】ひとを〈嫌う〉ということのレビュー

あらすじ

あなたに嫌いな人がいて、またあなたを嫌っている人がいることは自然なこと。こういう夥しい「嫌い」を受け止めさらに味付けとして、豊かな人生を送るための処方を明らかにした画期的な一冊。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

昔は人を嫌うことも嫌われることもほとんどなかったのに、最近、どうも人を嫌い、人から嫌われることが多くなった。
人間的に成長しているはずなのに、これはどういうことなのだろうと思っていたところ、この本に出会った。

以下、勝手な解釈。
人を嫌うことは、人を好きになるように自然な感情。
人を嫌うことを避ける気持ちは、自己愛から来る自己防衛。
もっと素直に人を嫌い、人から嫌われればいいではないか。

もっと自然にありのままの自分でいようと思える本。

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2015年01月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「嫌い」と言う感情には罪悪感が付き物。だから誰かを嫌いになった時、それを自分に誤魔化そうとして、そんなこと無い事の証明を一生懸命しようとして、無理して誰かと付き合おうとしたり、行きたくもない飲み会やら食事会に行ったりして、時間をすり減らし、自分の時間さえもすり減らし、そのことにより自分がストレスでいっぱいになる。

そういうことに心当たりのある方は、この本を読むと「嫌う」と言う感情に素直になれるかもしれないです。

「誰かを好き」、と言う感情に理屈が無いのだとしたら、「誰かを嫌い」、と言う感情に理屈が無い筈。通常人は、「嫌い」を表現する時に、「あの人はこうでああで、だから良くない。だから嫌い」と言うように説明するが、大抵そういうのは実は後付けで、最初から嫌いだったのだと言うこと。

嫌いと言う感情には、投影があることもあることも書かれている。著者は父親が嫌いだったそうで、”不条理なのは次の段階です。つまり、私は他人の中に認める「父の影」にも敏感に反応してしまい、その人を嫌うことが多いのです。父と似た肉体の持ち主を嫌う。そればかりか、性格の持ち主も嫌う。(略)父は何事にも潔癖すぎるくらい潔癖で、会社のセロテープすら私用に使わない人でした。たまにそういう人に遭遇すると、ぶん殴りたくなるほどの嫌悪感を覚える。(略)こういう時刻表のような男をたまたま見かけると、鼻面をつかんで引きずり回してしてやりたくなるほど憎らしいのです”
と書いていて、ここまできっぱり嫌っている自分を観察し、相手の様子を観察している様子は、すごいなと思ったりした。

でも、こう言うのは人は良くやっていること。よくよく嫌いなその人は、親の声に凄く似た持ち主だったとか、口癖が同じとか、良くあることで、勝手に自分のどこかがそれに反応して、目の前にいるその人を勝手に一緒くたにしてしまう迷惑な行為をしているのは、自分ってことですね。嫌われたその人は、本当は中身は違うかもしれないけど、その鼻だから嫌われているのかもしれず、そしたら、存在することで嫌われるなんてしょっちゅうあるなとかえって納得できる。

本にもあるけど、自分の「嫌い」を見つけると、自分の勝手さ、理不尽さ、盲目さが見えるようになるとのことで、「確かに」と思った。「嫌い」と言う感情を認めることで、自分の弱さや欠点を知る。これは、「嫌い」を通しての、謙虚さを身に付けるやり方かもしれない。

それにしても、本の著者は、すんごくいろんな人を嫌っていて、いやあここまでじゃないわ、と言うことでも安心したり(笑)。本のフレーズで気に入ったのは、「さらりと嫌いあう関係」と言うここと。その辺ってある意味成熟してないと出来ない事だと思う。

もう一つ、すごく「なるほど」と思ったのが、”「自分の落ち度がなければ嫌われるはずはない」という単純な論理を求めますと、相当おかしくなっていく。あなたが嫌われるのは、自分に落ち度がない場合がほとんどだからです。”と言うこと。割とここにハマってしまうことってあるように思う。

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2015年09月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人を嫌ってはいけないことは、学校や家庭で何となく教えられた気がします。しかし、嫌うことっていけないことでしょうか?
僕個人の考えだと、嫌うことそのものは別に構わないと思っています。逆説的ですが、それは自分が嫌われてもいいと思っているからです。
当たり障りのない、無難な人生を送ってもいいかもしれませんが、僕はそうじゃあない方が好きです。誰かに嫌われるようなことをしても、それが世のため人のためを思ってやったことであればいいじゃないかと。
人を嫌うということは、人から嫌われることを考えるのと同じことで、共感できる部分が多々ありました。

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2013年01月17日

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