あらすじ
双都オパリオンの貴族の娘プルーデンスは、ちょっぴりおませな13歳。亡くなった祖母を弔うため、家族とともにアラニビカ島に向かうが、遺品から護符が見つかって――。島の迷宮の謎をめぐり、プルーデンスは大人たちの陰謀に巻き込まれていくことに。味方となるのは、蒼い衣をまとった名無しの吟遊詩人。容易く女たちを魅了する彼の正体は――。壮大な迷宮ファンタジー、堂々のデビュー!!
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感想
主人公の少女が今まで見てきたすぐに人を信じて感情を露わにする子たちに反して、年不相応に賢くけれど相応に感情豊かな子で、そんなきつい言葉ばかりはきがちな子がふとこぼした素直な好意や強い感情がより一層この子の魅力を増していた。
青い詩人の正体は、察しが良ければすぐにわかる。
しかしその正体が少女に露見する段階は実物だった。劇的と言えるかはわからないがこの出会いと別れが詩人が今まで辿ってきた歴史なのだとも感じた。
最後の二人の別れ際でキッスの少女の心象は確かにそうだと思うしそれはそれとして詩人の愛が人を愛おしく思う系だと思ってたので抱きしめるを越して「深く」キッスをしたことに彼の彼女に向ける愛が結構複雑で思ったより別の意味で重く、人尊い系ではないことに驚いた。
もちろんないこともないとわかるがきっとそれだけではないことしかわからないので彼の独白が見れなかったのが残念だ。
Posted by ブクログ
ファンタジーとしての舞台背景と詩人は普通だが
主人公の少女小説的部分は要を押さえていて
冒険ものとしての全体構成も良い感じ
文の端々に甘いところがあるのできっちりつめればなお良しだが
あまりテンプレから外れたところへ行けない作風にみえる
ファンタジーより少女小説的な部分を
コメディ方向に伸ばすと良いのではなかろうか
あとすごく主観的なことだがこの筆名はどうかと思う
Posted by ブクログ
す、好き!
この、安易にヨーロッパっぽくない、ちょっとギリシャみたいな舞台を描いてくれたことがすごく良かったと思う。作品の雰囲気にこの舞台以外あり得ないと思わせられる。古代の神々の伝承が息づく世界と、パズル、黄金比、数学の非常に実学的な要素の絡ませ方も上手。そしてヒロインがすごくかわいらしいお嬢さん。明晰でちょっとひねくれていてまだまだ子どもで。終幕後どんな風に成長していくのか見たかった。
こんなに上手な作家さんなのにどうしてこれ以後はあまり書いていらっしゃらないんだろう…。ネット上で別作の続編? を執筆しているようではあるけども。
Posted by ブクログ
視点の荒さが少し気になったけど、主人公の凛然とした立ち振る舞いが気に入ったので購入ー。
詩人の別世界の人っぷりも一貫してて良かった。
作者さんが「数学はファンタジー」的なことをあとがきで書いていましたが、激しく同意します。
Posted by ブクログ
良作ファンタジー!!
どこが良いって、「オリジナル」であるところだ。
どこも、誰かの影響を受けている気がしない、二次創作な臭いがない。
今どき、こういう「オリジナル」な新作に巡り会うのはなかなか無いことである。
Posted by ブクログ
聡明な貴族の娘は、亡くなった祖母の遺品を家族と共に
嫁ぎ先の『家』へと運んだのだ先で、驚きべき事に直面する。
いい人そうなのが案外…というよりも
周囲がほぼ敵というのもいかがなものか。
人畜無害そうなのはいますが、面倒そう。
というより、母親。
ものすごく『貴族』という感じがします。
家族という感じがしない、というのもありますが。
これに家族愛を求めるのはどうかと…。
どう考えても『大人』ではありませんし。
この時期の子供にしては、かなりの冒険。
よく成し遂げました、というのはありますが
この後…どうするのでしょう?w
非現実、の後は、確実なる現実、です。
これだけ外が騒がしければ、確実にいなくなった事がばれますし。