【感想・ネタバレ】累(8)のレビュー

――クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、歴史は変わっていたかもしれない。

こんな名言が誕生するほど、昔から議論の的となっている「美醜」。
この作品は、美しかった大女優の母・淵 透世と違い、醜い容姿で周囲からいじめられている累(かさね)が、母に託された口紅の不思議な力で他者の顔と入れ替わり、望みを叶えていく物語。
口紅という変身アイテムに「テク○ク○ヤコン」的なキラキラ魔法変身少女を期待すると、大きくしっぺ返しを食らうのでご注意を。

累が葛藤するたびに母の幻影が現れ、悪魔のような囁きを続ける。さらに一度覚えてしまった「人に羨望のまなざしを向けられる快感」は、麻薬のように累を虜にし、次の欲望を生み出す。
累の名前は江戸時代に流布した「累ヶ淵」という怪談を彷彿とさせ、物語に登場する人々の執念は底知れぬ淵にも似たものがある。
累の絶望を知ってなお、「人は見た目じゃない、心だ」と言えるだろうか?

作者はまだ新人とのことですが、これが初連載作とは思えないほどの構成力で、特に目力が素晴らしく引きこまれます。表紙の美しい瞳に魅入られたら、ぜひ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年11月06日

マクベス夫人を演じる上で自分の罪と重なり、精神不安定になる累
野菊のサポート(してるふり)によって立ち直り、マクベスは大成功
その最終日、野菊は口紅を入れ替えカーテンコールの際に顔が戻るように仕掛けをする

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年11月13日

着実にクライマックスに近づいてると思うんだけど、最終巻が14巻だと知っているからなー。そう簡単には終わらないんだろうと思いながら見てしまう辛さ。口紅なくなったらどうするんだろうって思ってたから、野菊が動き出したときもう終わりだと思ったけどどうなるんだろう。カーテンコールの中で素顔を晒させるという、な...続きを読むかなか酷い復讐のしかた。累はこんなにも野菊を信頼してるのに。羽生田さんの言った賭けがどんなものなのか。羽生田さんは野菊への警戒を本当に緩めたのか気になるところ。演劇自体にはあまり興味なかったけど、累を読んでると少し気になってくる。マクベスとか物語を知りたくなった。

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Posted by ブクログ 2021年07月02日

累、ぬるいんだよなあ。何故そうも野菊を信用するのか理解できない。その中途半端な緩みが付け入る隙を与えるんだよ。

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