【感想・ネタバレ】現代語訳 武士道のレビュー

あらすじ

日本人は、宗教なしに道徳をどう学ぶのか―こうした外国人の疑問を受け英文で書かれた本書は、世界的ベストセラーとなった。私たちの道徳観を支えている「武士道」の源泉を、神道、仏教、儒教のなかに探り、普遍性をもつ思想であることを鮮やかに示す。日本文化論の嚆矢たる一冊を清新かつ平明な現代語訳と解説で甦らせる。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

岩波文庫の武士道は昔(大学時代だったか?)に読んだことはあったが、久々に改めて読んでみようと思ったところ、この現代語訳がちくま新書から2010年に刊行されていたので購入してみた。
流石に読みやすい。岩波文庫は現代であまり使われない表現などがあり、なんとくで理解していたと思う。
最後に解説でもまとめられていて良い。
「武士道」は武士の考え方、というものよりは日本人の思想がまとめられたものと感じる。
新渡戸稲造が述べる「礼」について『長い苦難にも耐え忍び、新設で妬みの心も持たず、誇らず、驕らず、非礼を行わず、自分の利を求めず、慢心しない』は、武士道を読んだあとからよく思い出す一文である。
武士道は「義・勇・仁・礼・信(誠)・名誉・忠義」の7つで記述されているが、もっとも「礼」が心に残る。
それもあって、武士道のなかに登場する小笠原流の礼儀作法の本を何冊か読んだほど。
究極のところ「礼」とは『自分を顧みない相手への思いやりである』というのがわたしの理解。
新渡戸稲造が述べている「その最高の形においてはほとんど愛に近づく」というのも納得。
作法とは礼儀のための動作であるが、その作法を意味を理解すれば、それは相手への思いやりであることがわかる。剣道や柔道などの黙想も、何故それが必要かをはじめは理解できずに真似ているが、道を極めればその意味がわかるという。

因みに、うちの祖父はよく新渡戸稲造のことを口にしていた。その興味もあって最初に岩波文庫を手に取ったのだと思う。
今では何故、そんなに新渡戸稲造のことを口にしていたのかは聞くことはできないが、尊敬していたのかな、と思う。

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2017年09月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

名著。
「日本の学校で宗教教育がない。それでは道徳教育はどうやって授けるのですか」。この質問に答えるべく書かれたのが本書だ。新渡戸稲造は、自分の正邪善悪の観念を形作る様々な要素を分析し、それらの観念は「武士道」に基づくものだと気がついた。
武士道には源泉がある。
・仏教
・神道
・儒学
いわゆる宗教であるとか、孟子・孔子の教えに連なる部分がおおいことが説明される。
そして、武士道を分解していくと、以下の項目に分けられる。
・義
・勇気
・仁
・礼
・信と誠
・名誉
・忠義

生命は主君につかえるための手段として考えられ、理想的ありかたは名誉におかれていた。
また武士において特筆すべきは、切腹と敵討ちだ。これの文化は海外においては説明を要する風習である。

現在、武士道というものは実用性を失っている。しかし、完全に滅びたわけではなく、この後の世界にも残っていくだろう。

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2020年04月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・武士道にとって最も大事なことは、義。つまり、卑怯な行動や不正な行為を憎む正義の概念。
・勇、はその義を実行すること。知識は実践することが重要であり、知識のための知識であってはいけない。

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2024年03月10日

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