【感想・ネタバレ】シーア派 台頭するイスラーム少数派のレビュー

あらすじ

イスラーム教の二大宗派の一つだが、信者は全体の一割に過ぎないシーア派。しかし、イラン、イラク、レバノンなどでは多数を占め、挑発的な指導層や武装組織が力を誇示し、テロリズムの温床とさえ見られている。政教一致や民兵勢力といった特異な面が注目されるが、その実態とはいかなるものなのか。彼らの起源から、多数派のスンナ派と異なり、政治志向の強い宗教指導者が君臨するシステムを解明し、その実像を伝える。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
イスラーム教の二大宗派の一つだが、信者は全体の一割に過ぎないシーア派。
しかし、イラン、イラク、レバノンなどでは多数を占め、挑発的な指導層や武装組織が力を誇示し、テロリズムの温床とさえ見られている。
政教一致や民兵勢力といった特異な面が注目されるが、その実態とはいかなるものなのか。
らの起源から、多数派のスンナ派と異なり、政治志向の強い宗教指導者が君臨するシステムを解明し、その実像を伝える。

[ 目次 ]
序章 台頭するシーア派
第1章 シーア派の成立
第2章 政治権力とシーア派
第3章 近代国家の成立とシーア派―20世紀~
第4章 イラン・イスラーム革命と「革命の輸出」
第5章 ポスト・ホメイニーと多極化
終章 シーア派の行方

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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年04月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【180冊目】シーア派研究の入門書。記述は2006年で止まっているので、アフマドメジャニ大統領の登場や、核合意、シリア・イラクにおけるISISの台頭とそれへのイランによる対処については書かれていない。また、長引く内戦とそれへの台頭、ロシアへの接近等によって国際社会からの注目を浴びることになったシリアのアサド大統領はアラウィー派とされ、これはシーア派の一派だとされている。何より、今やアラブ世界は2011年の「アラブの春」を抜きにしては語れない。そういう意味で、せっかくの2016年再版なので、この点についてアップデートしてほしかったなぁ……

とはいえ、とても勉強になった。特に勉強になった点を簡単に3点。
(1)シーア派とは何か、発生学的に・スンニ派との比較的で語ってくれる点:スンニ派とそんなに違うのかと常々疑問だった、だって、教科書的には第四代カリフ・アリーまでの正統性を認めるのかどうかだけが違うと書かれていて、なぜそれが現代まで尾を引くのかよく分からなかった。でも、たぶん大事な違いは、ウンマを率いる者や政治的指導者の正統性をどこに求めるのかっていうところにあるんだろう。
(2)「イスラーム法学者による統治(ヴェラーヤテ・ファキーフ)」について:筆者が、ヴェラーヤテ・ファキーフは教義の解釈にの1つに過ぎないという点を強調している点が興味深い。1979年以降のシーア派しか知らないぼくとしては、むしろ政教分離が長いシーア派の歴史の大半だったのではないかということは意外だった。
(3)なぜイランがあんなに嫌われているのか、1979年イラン革命後の「革命の輸出」の観点から説明。:なるほど。まぁ、ソ連時代の共産主義みたいなことですな。

あと、シーア派に独特の宗教税(フムス=五分の一税)が、宗教的権威の独立性を保持するのを助けていたという話も大事なポイントかな!

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2017年01月30日

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