あらすじ
ラストシーンは、もう始まっているのかもしれない。人は、誰でも、気づかないうちに人生のラストシーンを始めている。17歳で死んだ〈自殺 志願〉のタレント城真吾にとっては、16歳は晩年だった。城真吾は教えてくれた。人は死ねる。いつ。いつか。いつでも――。でも、僕は思う。僕の教え子の君たちの「いつか」が、ずっとずっと、遠い日でありますように。教師と、生徒と、生と死の物語。
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Posted by ブクログ
「自殺」をテーマに扱った教師視点で描かれた学園もの。
過去に、学校で自殺をした「舞姫」がいた。彼女はいわば神格化されて、学校において語り継がれているが、その実体はなかった。
また、一方で、一人の恋人と心中し損ねた男の子が自分の信条をメディア等で述べるようになり、「舞姫」に実体が宿ったようなせっとっくりょくが出てきた。
読んだ後に、「死ぬ」という目的のために、いつ訪れるかわからない「死ぬ」という時のために、今・この瞬間を歩み続けているのかな。と自分なりの解釈をだしてみた。
Posted by ブクログ
女学校が舞台。
テーマは「自殺」。
今の若い世代の自殺を通して、生きることを考えています。
これを読んで全てを受け入れることはできないけれど、やっぱり読んでみて良かったと思いました。
重松氏の本はまだまだあるので読んでいきたいと思います。
Posted by ブクログ
『自殺はなぜいけないんですか?』
親が絶望する!楽しいことが何もないならせめて優しくしてくれた両親に今までもらったのと同じ量の優しさを返すことから始めなさい!
と、言いたいです。
高校生にも大人にも、できたら子供にもわかってほしいです。
等価をエゴで片付けてはいけません。
重松清さんの本は2冊目なんですが、
なんか全部好きそうな予感がします。嬉しい予感です。
Posted by ブクログ
自殺がテーマの話。
割りと冒頭の
『世の中に腹が立つ事ない?
あなたもあなたの周りの大切な人も自殺しないとは言い切れない。
誰だってみんなその可能性があるし、自殺されて取り残される可能性もある。
そこのところをわかってて生きててよ。
自殺しろなんて言う気はないけど、でも、
ただヘラヘラとしているんじゃなく、ちゃんと考えて生きててよ。』
って台詞が印象深かった。
あとラストの
『思い詰めて何が悪い?
いい加減に生きてれば死ななかったというのか?』
って所も良かった。
Posted by ブクログ
【舞姫通信】 重松清さん
ラストシーンは、もう始まっているのかもしれない。
人は、誰でも、気づかないうちに人生のラストシーン
を始めている。17歳で死んだ<自殺志願>のタレント
城真吾にとっては、16歳は晩年だった。城真吾は教え
てくれた。人は死ねる。いつ。いつか。いつでもー。
でも、僕は思う。僕の教え子の君たちの「いつか」が、
ずっとずっと、遠い日でありますよに。
教師と、生徒と、生と死の物語。
(文庫本裏表紙より)
☆
今ひとつ動機のつかめない自殺をした少女。
彼女は校舎の7階から飛び降り、中庭にその身を横たえた。
彼女が飛び降り自殺をして後、「舞姫通信」という
彼女のコトを伝える機関誌が学校の中で流れるようになった。
それも何年も続いて・・
舞姫通信の筆者はわからない。生徒の誰かが書いているのだ。
語り継がれるように「舞姫通信」は続いた。
『武蔵ケ丘女子学院高校。』
岸田宏海が赴任してきた高校はそういう高校だった。
彼の双子の兄も舞姫と同じように動機のつかめない
自殺をしていた。
兄の死を引きずっている宏海と、舞姫通信に対しそれぞれ
の異なる感情を持つ教師たち。
久々の重松さんでしたが、もう一つ物語の伝えたいコトが
わかりませんでした。
Posted by ブクログ
暗い。そして重い。最初のうちはよかったものの、読むにつれて読むのがどんどん辛くなっていきました。けれど、いろいろと考えさせられることが多かったです。
逃げ道としての自殺ならわかるけど、理由もなしに "なんとなく" 死んでみたいというのは、どうなんだろう。生とはそんなに軽いものでしょうか。
「人はいつでも死ねる」
繰り返しでてきたこの言葉、確かに理屈ではそうだろうと思う。でも、死ぬってそんなに簡単なことじゃないと思うんです。この言葉を唱える人たちの中のどれほどが死に直面した時にそれを受け入れることができるのだろう。
私が何よりも怖かったのは、自殺よりも無気力に生きることでした。
生きる意味も見つけられないけど、死ぬ意味も見つけられないから生きている。それは、本当に生きていると言えるのでしょうか。救いが見えない気もしました。生きる意味を言える人なんてそうそういないだろうけど、それでも生きていて楽しいと思えればそれで十分じゃないのかな・・・。
最後の、祈りにも似た舞姫通信で少し救われたかもしれない。他の人が自殺をする権利は奪えないけど、私も好きな人たちにはできるだけ長く生きていてほしいと思います。