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怖い
最初から最後まで登場人物達が狂っていて怖い。文体も相まって、誰が「まとも」なのか分からなくなる。あまり強いオチがあるわけではないが、終盤の展開や臨場感はとてもスリルがあった。
Posted by ブクログ
家族と親戚の距離感をホラーで表現したらこうなるのかあという感想。ホラー的には僕が余りにも冷静に死体を探しまくるところがハイライト。何を冷静に足とか指とか舌とか見つけちゃってんのおおおおお。そして拾った指をポケットに仕舞うなああああああ。って突っ込みながら読んでました。でも叔母さん達がおばあちゃんを殺してバラバラにして家中に隠していた理由も不明のままだし、唯一のまともな大人と思われていた主人公の父も心が壊れていたことが判明するし、そして紗央理ちゃんはあんな訳の分からない家に戻って大丈夫なのか?!謎多き小説でした。
Posted by ブクログ
書店で気になって購入。
怖い…というより船酔いみたいな気持ち悪さ。グロい割には主人公の少年が淡々としてるので、そこはあまり(人によると思うけど)気にならないけれど、文体や『奇妙さ』が当たり前にある居心地の悪さ。
理屈とか伏線回収とか好きな人はモヤっとするかもしれないけれど、訳が分からない不気味さが好きな人は気持ちよく酔えるのかもしれない。
個人的に1番不気味だったのは、なぜか突然ルビがめちゃくちゃ振られたページ(笑)
それまで振られてなかった簡単な漢字にもルビ!!ミス?と思ったけど、初版どころか四刷目なのでわざとなんだろうな。なんの意図が…気持ち悪い(笑)
あと警察の自販機の件が解決してなくて気になる。
おじいちゃんが言ってた『猫』も気になる。
姉ちゃんの言葉遣い(もはや『おれ』って言ってたけど)も気になる(笑)
床下収納はおじいちゃん。ベッドも本棚も筆箱もおじいちゃん?魂の話がなんだか切ないな。
昔行ってた親戚の家を思い出した。
時々行くくらいじゃ、『内側』のことなんて分かんないよね。一見平和に見えても。
おかーさんとおねーちゃんはせめて正常であって欲しいなぁ。少年、頑張れ。
どうでもいいけど、夕飯前に途中まで読んでしまって気持ち悪くなったのに、トマトケチャップライスに鶏肉炒めを食べてしまった。作りながら色々連想してしまいつつ完食です。読む時間、大事。
Posted by ブクログ
歴代のホラー大賞作品より比較的会話文が多く、長編と言いながらも割と短いので、読みやすいかと思います。
ただ、その読みやすさが欠点にもなると言えます。
どうも、恐怖を安易に狙い過ぎてるのでは??
単語を繰り返したり、悲鳴でページのほとんどを埋める手法なんかはネット小説にありがちというか。。。
やはりそういった点では、歴代の作品と比べられてしまうのが惜しいなと思います。
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この作品は、恐怖の追及というよりも、家族の在り方というか、『人間関係のモヤモヤ』を描く事に重点が置かれているのではと感じました。
タイトルにもなっているのに、従姉妹の紗央里ちゃんは家に居ない。叔母さんはなぜか血だらけだし、親戚一族はその後も何やら不審な行動ばかり。
少年はそれらに疑問を抱きつつも、その狂気をどこか受け入れてしまっている。親戚という微妙な関係故に、不審に思っていてもあまりつっこんではいけない、と、空気を読んでしまう。
そのうち感覚がだんだん麻痺し、新たに死体の一部を見つけても驚かなくなり、狂ってるものを狂ってると認識しなくなる。。。
終盤のある人物の発言にはゾクリとしました。
例え家族であっても所詮は他人なのだと。無関心になってしまうのは致し方ない事なのだと。
家族とは、なんだかんだで自分が一番かわいい「一人の人間」が「ただ同じ場所に集まっているだけ」なのではないか。
純粋に『後味の悪さ』を求めるなら、おすすめです。