あらすじ
久しぶりに再会した幼なじみは、かつて僕の英雄だった頃の輝きを失っていた……切なさと次世代への期待に溢れる「故郷」。定職も学もない男が、革命の噂に憧れを抱いた顛末を描く「阿Q正伝」。周りの者がみな僕を食おうとしている! 狂気の所在を追求する「狂人日記」など、文学で革命を起こした中国現代文学の父、魯迅の代表作『吶喊』『朝花夕拾』から16篇を収録。
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Posted by ブクログ
科挙試験に落ちて馬鹿にされて死んだ人と肺病の人に血の饅頭食わせる話とか、バッドエンド集?と思ったけどエッセイのような話はかなりよかった 小さな出来事が一番好き ちょっとした事なんだけど素敵な文章で書かれてて良かった
血の饅頭の意味がわからなかったけど前に胎盤を漢方薬にする話とか読んだことあったから血も薬なのかなって思いながら読んだ 肺病の人が亡くなってすぐ清明祭やってた感じだけど、1年やらないんじゃないのかな それとも1年経ってもあんなに嘆き悲しんだのか
子供を叱らないおばさんの話めちゃこわだった ああやって罠にはめる人いるんだよな
阿Q正伝は故事とか有名なセリフを知ってて頭良さそうなのにやってることは直情的で愚かなのギャップがすごかった 精神的不戦勝しておけばまだ平安に暮らせたのでは
狂人日記の書き出しすごい好き 今夜は素敵な月明かり
Posted by ブクログ
魯迅がここまで面白いとは!
でもあとがき曰く、翻訳者の友人の高校教師は「この訳だったら教科書には載らない」と言ったとあったので、この面白さは新訳のおかげかもしれない。
阿Q正伝が短編だったことも知らなかった。
読まずに人生を損していた!
Posted by ブクログ
☆つけるのは烏滸がましい気がするから3にしておく。
故郷が好き。故郷で貧困にあえぎつまらない大人になってしまった閏土と、故郷を離れ役人となった自身の対比。かつて友人だった彼らは彼らを取り巻く問題によってもはや友人ではなくなってしまった。閏土は私に対して畏れともとれるような感情を抱くようになってしまった。私は役人の地位に慣れてしまったのか親しく付き合うことの許可を出しもしない。当時の中国の片田舎ではそれが当たり前なのかもしれないが、私の立場に立たされたとしたら自分だったらそうすると感じた。私は閏土の現在の姿をみてあきらめてしまったのだろうか。それでも息子たちはかつての閏土と私のように親友となった。この息子たちが大人になった時代がそうであったとは到底思えないが、現在はここまでひどい状況にはならないのだろうと想像した。もちろん旧い友人に会って彼の現状の稚拙さに落胆することや、考え方の相違に過ぎた時間と異なる経験を感じることはあるが、ここまで悲しい物語にはならないと感じた。
藤野先生は高校のとき国語の教科書で読んだことがある。魯迅の自伝的小説であろうが、なかなか切なく。けれどもいい話のようにとらえる。医学を志した魯迅は進路を文学に変更する。仙台を去るときに、藤野先生には生理学を学ぶから、藤野先生の教えてくださった医学は無駄にならない、と嘘をつく。こうする気持ちは非常にわかるような気がする。恩を感じているから悲しませたくはないと思うけれども、本当のことまでは教えられない。自分にもこんな経験があったような気がする。
狂人日記は結構面白い。誰かがおかしくなっていく様を彼自身の視点で見ていく。これ系好き。バイオハザードの飼育員の日記みたいで。かゆい うま
阿Q正伝は期待してたより微妙だった。頭は悪いし仕事もできない。プライドだけは高いのに実力が伴っていない。どうしようもないやつという印象を受けた。なんか最後は上手く行かなくなって死ぬ。それを理解もできずに死ぬのだから本当に惨め。どうして名作とされているのだろうか。あまりわからなかった。
孔乙己(コンイーチー)すき。科挙の受験生が落ちぶれていく。彼は悪い奴ではないのに周囲から認められない。こういうやつっているよなあと思った。悲しい
【追記】
どうやら阿Qはかなり型破りな作品らしい。それまでの中国の文学では爆美女とか怪物、神、偉い人しか主人公にならなかったらしい。でも阿Qは本当にどうしようもない一般人。下手したらそれ以下。それをスーパーエリートの魯迅が書くことに面白みがあるらしい。そう聞くと急に面白く感じてきた。