【感想・ネタバレ】罪と罰 3のレビュー

あらすじ

殺人を犯した者の詳細な運命がつづられる最終巻。ラスコーリニコフをはじめ、母、妹、友人、そして娼婦ソーニャなど、あらゆる「主人公たち」が渦巻きながら生き生きと歩き、涙し、愛を語る。ペテルブルグの暑い夏の狂気は、ここに終わりを告げる……。犯罪者に救いは訪れるのか? 人間の本当の罪、本当の罰が明らかになる! 画期的新訳、ついに完結。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

総ページ1489ページ (読書ガイド含む)を超える超大作でこんなページ数初めて読んだ。長い人名、多くの登場人物に戸惑いながらも読書ガイド、付属の人名しおりのおかげでなんとか読み切ることができた。22日程度かかった…ラスコーリニコフが老女殺しに至った経緯、思想をようやく知ることができた。結局自分を何らか特別な力を持つ者と勘違いしてしまった青春小説なのかもしれない (怒られそう)。前二巻に比べ第三巻は場面展開が激しくどんどん読むことができた。中弛みしなかった。ポルフィーリーとラスコーリニコフのバトルは手に汗握るほど熱が伝わってきた。面白かった。スヴィドリガイロフの神出鬼没さが更なるスパイスとなっていた。最後の直前まで暗鬱な展開だったため、このまま物語が終わってしまうのかと思ったら、救済が訪れ最後の部分を読んだ時鳥肌がたった。素晴らしい。裏切られた。訳者あとがきにあるようにドストエフスキーは「一世紀先であろうと二世紀先であろうと、人間の生活の営みは根本において不変であり、常に同じ問題で苦しみ悩み続けることを知っていた作家」と書かれていたが、その通りだとおもう。150年近く前に書かれた作品とは思えないほど登場人物の悩みが切実だった。私の好きな作家太宰治、三島由紀夫、夏目漱石についても同様のことが言える。素晴らしい表現。

ずっと読みたかった作品であったために読み終わり達成感がすごい。そのページ数で物語の細部まで表現されており、ドストエフスキーの小説をVR体験と称したツイートを見たがやっとその意味が理解できた。面白かった。

最後に自分の貧弱な読解力では理解できなかった部分をまとめる。
・ラスコーリニコフはソーニャへの愛で再生できたが、家族(ドゥーニャ、プリヘーリヤ)への愛との差は何か。
・物語を通して伝えたいメッセージは愛がなければ罪は償えないということか?そんな単純なものではないと思っている。
・ソーニャは踏み越えた→家族のため自分の尊厳を捨てることができたという解釈で合っているのか。

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2025年03月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ここまでの長編小説、しかも古典的な海外文学を読んだのは初めてだった。1回目では登場人物や起こった出来事を把握しきれず、2回通り読んだ。

1番の感想としては、人間は極貧、劣悪な環境の中でもここまで意思を持ち、強く生きていけるのかと、元気づけられた。逆に言えばここまで劣悪な環境だからこそ意思を持てるのかもしれんけど。

個人的に面白かった場面が3つある。
・予審判事ポルフィーリーとの攻防
ポルフィーリーが恐ろしいほどにラスコーリニコフの心の内を読み、追い詰めていくのにはハラハラさせられた。まさに宿敵って感じかと思ったら最終的にはラスコーリニコフの罪を軽くしようと自首を勧めるっていうのには驚いた。俺が思うにポルフィーリーも以前はラスコーリニコフと同じ思想を抱いていたからこそ、その心理が分かるし、何かしらの情けも生まれたんだと思う。

・カテリーナの悲惨な死
このシーンは読んでて臨場感満載で心が痛くなった。夫はろくでなしで有り金を全部酒に注ぎ込んでしまうし、子供も4人いて、長女はお金を稼ぐために娼婦になるしかなかったし、カテリーナ自身も生まれの良さ故のプライドを捨てられず身の丈に合わない言動を繰り返して家主に追い出され、最期はヒステリーを起こして奇行に走り、持病の結核のため血反吐を撒き散らして死ぬ。彼女の裕福だった昔を思うと辛くてしょうがない。

・ナスターシャの存在
ラスコーリニコフの下宿の女中で、たまに出てくるとなんか和む存在。おてんば娘なイメージ。結構大事なシーンにもしれっと入り込んで話聞いてたりする野次馬感が面白い。あと、ラスコーリニコフは家賃を払ってないのにも関わらず、出てくるたびにご飯食べさせてあげようとしてるのが健気で可愛い。

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2024年02月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

辛いときには幸せな物語を読むより、同じように辛い物語を読む方が救われたりするので一気に読んでみました
ラスコーリニコフの考えは完全に理解するのは難しいけど、似たように苦しんでる立場だったりするとポルフィーリーに追い詰められる辛さや、大切なのに疎ましく思ってしまう家族や友達への感情は痛いほど理解できた

それにしても彼はあれで救われるのでしょうか?
でもどんな状況になっても少しは希望は見えるものなんだなぁと思った


最後の一行は私も気に入ってます

(2023/10/25:再読)

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2023年10月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

太宰治もそうですが、世間が言うほど別にさほど暗くはない。
大学の授業で「ドストエフスキーなんて読んでいる学生はこの中にいないと思いますが...」とか教授が言っているのを聞きながら読んでいました。
翻訳本に不慣れなときに読んだため、当時大分骨を折って休み休み読みましたが、ラスコーリニコフの心理描写は面白いです。彼の一見非常に矛盾した行動の数々を見ると、善人も悪人も大した区別はなくひとりの人間の中にどちらも同居しているのが普通なのだろうなと感じます。

結末が若干納得できておらず....直前まで神も信じず罪に対する反省もなかったラスコーリニコフが、ソーニャを愛し、神を愛したという結末になるのがどうも腑に落ちていません。後半息切れして読んだ私の勘違いなのか........機会があればもうすこし調べるなり読み返すなりして考え直したいです。

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2023年06月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

古典文学を読むのが初めてで、人の名前とか愛称が変わるところがなかなか読みづらく、読み終わるまでに長いと思ってしまった。

名作として残っているだけあって考えさせられる内容だったとは思う。
人を殺すのは悪いことなのか?世の中に蔓延る悪い奴らを殺すことも?
(ラスコーリニコフが殺したのは世の中の為を思ってが何割くらいあったかはなんともいえないが)

最後、彼は愛を知る。という神の救いには感動した。

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2021年01月18日

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