【感想・ネタバレ】巨人軍論 ――組織とは、人間とは、伝統とはのレビュー

あらすじ

すべての勝負論、組織論は伝統の巨人軍から学べることは案外知られていない。強い球団と弱い球団の差とは何か?今期、楽天を指揮する現役監督が球界を斬る。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

まさか、野村さんが野球をこんなに大きく見れる人とは・・・
正直、あまり期待せず読み始めたので評価はすこぶる高い。

タイトルは「巨人軍論」と、まさに野球本といったものであるが、
内容は集団を率いるためには、また、集団がうまく機能するためには
について書かれた、超ビジネス本といっていいだろう。

(また、本書内でも野村さん自身が言及しているが、
一度も巨人でプレーしたことがない野村さんが巨人を語るという
切り口も面白いw)

「巨人だいすき♡」「野球大好き♡」といった人よりも、
たとえば会社でチームリーダーや、人材育成に携わる人向けの内容。
弱いチームで強いチームにどう立ち向かうか。
リーダーとして人の上に立つ際に心がけること。
チームを統率するために、必要なこと・・・等が実際に野村さんが
監督時代を通した経験に基づき語られている。

また、今回☆を5個も付けたが、
野村さんの名言が私の心にささりまくったのもその理由の1つである。
下記覚えておきたい名言をいくつかあげておく。

「苦労というのはする必要がないことで苦しむことを言う
好きな野球をやっているんだから、悩んだり苦しんだりするのは当たり前。
それ自体が楽しいことだったのである」

「選手というのは自分の存在価値を認めてくれる監督に対しては、この人のために死んでも構わないと思うものである。それが結果としてチームを優先することに繋がる」

「人間学なき者にリーダのなし。間違いに気づきこれをただす能力が備わったことが大きな意味を持つ。監督は気づかせ屋でなくてはならない。自分が無知であることに気づかせ、何が正しくて何が正しくないのか、間違いに気づかせ正していく。そして気づく選手は絶対に伸びる。人間の最大の悪とは鈍感である」

ほかにも本書にはたくさんの野村節が詰まっている。

もし、今野村さんが野球監督をやっていたら確実に私は野村さんの采配を毎試合みるのを楽しみにしたことだろう。

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2013年02月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

元楽天監督の野村克也氏が書いた読売ジャイアンツへの論説。

4番バッターばかり集めた結果、凋落しだしているため、V9時代の適材適所を理想としている。

清原和博氏のピアスに関して少し苦言を呈しているが、自分も同意見。やはり考え方が古い、結果を出していれば外見なんてどうでもいいかもしれない。でも、一社会人として常識的な格好をするのは当然な気もする。

技術力の限界、すなわち有形の力を、データを駆使したIDつまり無形の力でカバーする姿勢は勉強になった。
人間って生まれたときから差があるわけだし、その差を埋める、更には追い越す姿勢が大事だと思う。弱者だってずーっと強者に負けるわけにはいかないし、弱者には弱者なりの戦い方があると思う。
己、今ある自分を見つめて、認めて、どうしたら勝てるのか。そう考えることで前に進めるんじゃないかな。

V9時代は、レギュラーも固定されていて、常勝状態だったわけだし、あまり補強とかないかと思っていたけど、毎年のように有力な新人を補強し続けていたのは意外だった。確かに、毎年レギュラー争いから始まって、自分のポジションが固定されていなかったら、そりゃハングリー精神もつくだろう。

森祇晶氏のケースであれば、打力のないキャッチャーだったらしい。ある年、藤尾茂氏が入団してきた。強肩強打で甲子園のヒーローだったそうだ。森氏ははなからバッティング、肩で藤尾氏と勝負することをあきらめ、キャッチャーのインサイドワークで勝負することに徹した。結果的には森氏はV9時代、レギュラーだったわけだが、どうしてもかなわない部分であれば、きっぱりあきらめ、勝負できるところに一点集中する姿勢は勉強になる。インサイドワークで勝つために、相当、配球などとことん研究したみたいだ。あれだけの天才が努力しているわけだから、自分も負けられない。


V9時代の巨人軍を分析し、南海で生かしていたそうだ。
やはり、野村監督は本当によく考えている。ID、すなわちデータ重視のその一端だと思う。まぁ、データを出されたら反論出来ないし。
自分自身も勘、直感も大事だとは思うけど、それは最後の最後に使うものだと思う。とかく、データでとことん研究した上で、最後の最後で直感が最善かも。
うーん。やっぱ野村監督はすごい…

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2011年06月16日

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