あらすじ
文部省も国語の先生も真っ青!あの退屈だった文法がこんなに興味津々たるものだったとは。もはや教科書ではつかみきれない日本語の多様なる現実がここにある。一家に一冊話題は無限。古今の文学作品は言うに及ばず、法律文書、恋文、歌謡曲、新聞広告、野球場の野次まで、豊富かつ意表を突く実例から爆笑と驚愕のうちに日本語の豊かな魅力を知らされる空前絶後の言葉の教室。
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Posted by ブクログ
2010/05/07
『私家版 日本語文法』は、作家・井上ひさし氏が日本語の文法や表現に関する多彩なトピックをユーモラスかつ鋭い視点で綴ったエッセイ集です。1984年に新潮社から刊行され、文庫版も発売されています。
本書は、以下のような多岐にわたるテーマを取り上げています。
枕ことば: 古典文学で用いられる枕詞の役割や効果について考察しています。
擬声語: 日本語特有のオノマトペ(擬音語・擬態語)の豊かさと、その表現力を分析しています。
格助詞「が」の出世: 格助詞「が」の歴史的な変遷と、その用法の広がりについて述べています。
ガとハの戦い: 主語を示す「が」と「は」の使い分けや、その微妙なニュアンスの違いを解説しています。
時制と体制: 日本語の時制表現の特徴や、その背景にある文化的要素を探っています。
受身上手はいつからなのか: 日本語における受身表現の起源や、その発展過程を考察しています。
形容詞の味: 形容詞の多様な表現と、その使い方によるニュアンスの違いを分析しています。
自分定めと縄張りづくり: 人称代名詞の使い分けや、言語による自己と他者の区別の仕方について述べています。
ナカマとヨソモノ: 言語における内集団(ナカマ)と外集団(ヨソモノ)の区別や、その表現方法を探っています。
論より情け: 日本語における論理性と感情表現のバランスについて考察しています。
尻尾のはなし: 言葉の語尾に関する話題や、その役割について述べています。
漢字のなくなる日: 漢字廃止論や、漢字の将来についての考察を展開しています。
漢字は疲れているか: 漢字使用の現状や、その問題点について分析しています。
漢字とローマ字: 漢字とローマ字表記の比較や、それぞれの利点・欠点を考察しています。
振仮名損得勘定(ルビはそんとくかをかんがえる): 振り仮名(ルビ)の役割や、その有用性について述べています。
句点(マル)と読点(テン): 句読点の使い方や、その歴史的変遷を解説しています。
句読点なんか知らないよ: 句読点の省略や、その影響について考察しています。
区切り符号への不義理: 文章の区切りに使われる符号の使い方や、その重要性を述べています。
……台の考察: 文章中の「……」の使い方や、その効果について分析しています。
晴れたりくもったり所により雨: 天気予報の表現に見る日本語の特徴や、その曖昧さについて考察しています。
一筆啓上、敬語はまだまだ元気でござる: 敬語の現状や、その使われ方について述べています。
恩の売り買い: 日本語における恩や義理の表現方法について考察しています。
敬語量一定の法則: 敬語使用の法則性や、そのバランスについて分析しています。
n音の問題: 日本語特有の「ん」の音に関する話題や、その使い方について述べています。
素人の 古典まなびの 七五調: 古典文学の学び方や、そのリズム感について考察しています。
2n + 1: 日本語の音節やリズムに関する数式的な考察を展開しています。
ふたつの仮名づかい (ひ): 歴史的仮名遣いと現代仮名遣いの違いについて解説しています。
正書法序論: 正書法(正しい書き方)の概念や、その必要性について考察しています。
日本語は七通りの虹の色: 日本語の多様性や、その豊かな表現力について述べています。
ウソについての長いまえがき: 言葉における嘘や誇張表現について考察しています。
話半分、嘘半分: 日本語における曖昧表現や、その文化的背景を分析しています。
外来語について: 外来語の受容や、その影響について述べています