【感想・ネタバレ】サロメのレビュー

あらすじ

妖しい美しさで王エロドの心を奪ってはなさない王女サロメ。月光のもとでの宴の席上、7つのヴェイルの踊りとひきかえに、預言者ヨカナーンの生首を所望する。幻想の怪奇と文章の豊麗さで知られる世紀末文学の傑作。R.シュトラウスのオペラ「サロメ」の原典にもなった。幻想的な美しさで話題を呼んだビアズレーの挿画をすべて収録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 ヨカナーンの声
「その日、日は黒布のごとく翳り、月は血のごとく染り、空の星は無花果の実の、いまだ熟れざるざるに枝により落つるがごとく地におちかかり、地上の王たちはそのさまを見て恐れをののくであらう」

『私にヨカナーンの首をくださいまし』

なんともおぞましいセリフではあるが、このあとサロメはヨカナーンに口づけをする
ピアズレーの挿絵もなんとも素敵でぞわぞわする
預言者の予言の表現といい、サロメと言う作品が
長く伝わるのは、サロメの恋の激しさが、狂気が
わかるからだろうか

こ、こわい

『ああ!あたしはとうとうお前の口に口づけしたよ、ヨカナーン、お前の口に口づけしたよ。お前の唇はにがい味がする。血の味なのかい、これは?‥いいえ、そうではなくて、たぶんそれは恋の味なのだよ。恋はにがい味がするとか‥でも、それがどうしたのだい?どうしたといふのだい?あたしはとうとうお前の口に口づけしたよ、ヨカナーン、お前の口に口づけしたのだよ』

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2024年10月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

サロメを描いた絵画を見たことはあるが、元は戯曲。戯曲に苦手意識が有ったが、短かく読み易い。

絶世の美女であり王女でもあるサロメを、預言者ヨカナーンは見もしない。サロメはヨカナーンの首を欲する。
物語は最初から不吉な予感が漂っている。宴の席なのに、禍という言葉が何度も出てくる。皆が常に何かに怯えている。その中、大胆不敵なサロメがいる。何でも手に入る筈なのに、ヨカナーンは手に入らない。彼の首は手に入ったが、結局自分を見てもらえない。無理矢理手にしても本当に得られたわけではない。
本書はビアズレーの挿絵18点も収録されていたのが嬉しい。
ただ、自分に宗教知識がないのが残念である。

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2023年11月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

愛する者を手に入れるためには、その者の命を奪ってでも手にいれたい…という、ある王女の狂気的な愛を聖書を模して一幕に収めた劇。
登場人物に誰一人まともな人がいない、狂気の世界。醜くい世界ではなく、むしろ美しいかもしれません。
挿し絵もちょっと幻想的で、非現実的な世界に浸るにはちょうど良い一冊。これを演じきるのは、とても難しそう…
人間の狂気に触れたい方は、ぜひ。

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2017年09月15日

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