あらすじ
若き代助は義侠心から友人平岡に愛する三千代をゆずり自ら斡旋して二人を結びあわせたが、それは「自然」にもどる行為だった。それから三年、ついに代助は三千代との愛をつらぬこうと決意する。「自然」にはかなうが、しかし人の掟にそむくこの愛に生きることは二人が社会から追い放たれることを意味した。 (注・解説 吉田熈生)
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Posted by ブクログ
『門』の次に読んだ。漱石らしい文体で淡々と進んでく。それが結構読みにくく、中盤で飽きてしまった部分もあった。
個人的な山場は代助のニート弁解論とラストの鬼気迫る描写。
「何故働かないって、そりゃ僕が悪いんじゃない。つまり世の中が悪いのだ。もっと大袈裟に云うと、日本対西洋の関係が駄目だから働かないのだ」から始まるニート演説はまさしく声に出して読みたい日本語。
クライマックスの「焦る焦る」「ああ動く、世界が動く」につながる場面のスピード感は圧巻。ニートできなくなることへの絶望の強さが切々と伝わってくる。
主人公が最後までだらしなく、途中読むのが辛い所もあるが、上記二ヶ所だけで読む価値がある作品になっている。