あらすじ
「ニセモノの孤独」と「後ろ向きの不安」は人生を破壊し、「本物の孤独」と「前向きな不安」は人生を広げてくれる。つらくなったら、誰かに何かをあげる、あなたを支えるものを作る―人気演出家が綴る「ひとり」を生きるための練習帳。
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Posted by ブクログ
この本を読みながら友達を待っていると、友達に「なんでそんな辛気くさいタイトルの本読んでるの?」と言われました。
それを言われたとき、私は「この友達もニセモノの孤独に悩まされているのかな?」と考えてしまいました。
たしかに、孤独や不安、一人と聞くと、寂しいものや悲しいものと考えてしまう思考が私たちは幼い頃から備わっている(植え付けられている)ように感じます。(だからこそ、この本を手に取りました。)
ですが、本当に大切なことや見つけたいものを探るときこそ、自分だけと会話する時間や場所が必要だと言うこの本は、個人的に10代や、学生の方に読んでほしいと思いました。
十人十色、多様性という言葉が存在するのに、本当の意味でそれが認められていない箱のなかで、「自分」を諦めるのは早いんじゃないか?と考えたと同時に、本文中の「死なないように」という言葉が、下を向いて歩いていたら偶然見つけたタンポポのように温かく感じました。
Posted by ブクログ
サクサクと読めた。
1人でいることがみじめではなく、1人でいるのはみじめだという思い込みが苦しめている。
100点を目指すのではなく67点を目指す
自分の想像力が1番傷つける
他人と他者の違い
今ある自分とありたい自分の関係
が刺さりました。意識していこうと思います。
Posted by ブクログ
人はいくつになっても、孤独や不安から解放されることはない。大切なことは、それらと向き合い、ともに楽しんで生きること。そのためのレッスンとして、一人暮らしのすすめ、発想の転換のヒントなどが書かれている。
"本当の孤独"を知れば"1人はみじめ"という発想はなくなる、今の自分となりたい自分を比較して凹まない、など、ちょっと弱っているときに読みたくなる内容が多い。
特に学生さんにオススメしたい。
Posted by ブクログ
話題になっていた本だとは知りつつ、同様の本は何冊か読んでいるし、真新しい発見はあまりなさそうかなとなかなか手に取る機会がありませんでしたが、文庫化されたので読んでみました。
小難しいことか説法的な事が書かれているのかと思っていましたが、著者は演出家、言葉をとても大切にされているのが伝わってくるし、文章の構成がとても分かりやすく読みやすかったです。
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どうして孤独を嫌うのか。
「本当の孤独」と「ニセモノの孤独」
孤独と向き合うことで、自分と向き合うことができる
他者との付き合い方から孤独との付き合い方を学ぶ
「今ある自分」と「なりたい自分」
一人暮らしが「本当の孤独」と向き合う経験値となる
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1週間以上の一人の時間を作るのは難しいですが、
意識して、自分と向き合う時間、前向きな不安と付き合いながら生きていけるようにしたいと思います。
Posted by ブクログ
タイトルから気になっていてやっと手を出せた一冊。個人的には、一人暮らしを始めたばかりの人や、ふとした時に孤独感を感じるような人に読んでみて欲しい本。
私たちの感じる「孤独」とは一体なにか、どこから来るものなのかという導入で、軌道に乗ってくるところまで読み進めやすかった(個人的に、読書は軌道に乗ってくるまでが少しハードルなので)。
この本の好きな所は、孤独や不安を消したり、なくしてしまったりすることを目的としていないところ。
孤独や不安を見つめ、共に生きていくしかない現実を受け入れるために、少し勇気がでる考え方や方法を沢山教えてくれる。
自己啓発的なニュアンスではなく、鴻上さん自身が生きてきた中で得た、一人の人間としての知見や言葉でそれらを伝えてくれるが故の説得力みたいなものがあるように感じた。
不安や孤独が「そこにある」ということを認めること、それらを消そうとする必要はないということを、改めて認識できるだけでもこの本を読む意味はあると思う。
-以下気に入ったところ、気になったところの引用-
・「100点を目指すのではなく、67点の人生を認めること」
・どんな実績も不安は消せない
・どんなになっても、自信を裏付けてくれる絶対の根拠なんてないんだと気づくことは、逆に勇気が出ます。
だって、「~になったら始めよう」とか「~って言われたらやろう」と待つことが無意味だと分かるからです。
・『他人』はただ周りにいるだけの人、『他者』は喜びと同時に孤独や不安をくれる人
・『他者』とうまくつきあえる人は、自分の不安ともうまくつきあえるのです。「前向きの不安」を生きられる人です。そして、孤独とも。
・宙ぶらりんな状態のまま、『他者』と、そして『孤独と不安』とふうふう言いながらつきあえる人が、成熟している人なのです。
・つらくてたまらなくなったり、不安でいてもたってもいられなくなったりしたら、誰かに何かをあげることを考えましょう。
・とにかく、自分にこだわることを減らすのです。
不安は、自分にこだわればこだわるほど、大きくなるのです。
・人間には、三つの距離があります。知らない人と話す距離、知り合いと話す距離、愛する人と話す距離です。
・あなたがおみやげを忘れても、許して、支えてくれる人を2人、持つことが目標です。
・そして、相手が忘れた時は、支えてあげるのです。
それは、依存ではなく、信頼です。
・「インターネットの一番の問題点は何だか、鴻上さんは知っていますか?」(略)「~一番の問題点は『間単になぐさめられること』なんです」(略)簡単になぐさめられるということは、応急処置をしてもらっただけということです。(略)根本的な手術とは、『孤独と不安』に生きるんだと、決意することなのです。
・恋愛の多くは、『一目惚れ』とか『好み』とか『タイプ』とかではなく、『孤独と不安』から始まるのです。