【感想・ネタバレ】マイボディ・オン・ザ・ムーン 下のレビュー

あらすじ

〈ルナ・ボディ〉をめぐってアメリカ、中国、ロシアを中心とする各国間の競争が激化するなか、ついに南井真一にも移植の要請が降り、ジャムは葛藤する。一方、月軌道プラットフォーム〈ゲートウェイ〉から40年ぶりに地球に帰還したアレキサンダー・コーツは、分断が広がるアメリカを再びひとつに結び付ける「物語」として大衆から熱狂的な支持を集め、『ディオマタス』界隈で着実に人気を集めていたミントたちの「ヘル・ベティオス」を上回る勢力となっていた。さらにコーツの物語に触発された一部の人々は、争いの絶えない地球を脱出し、宇宙を志向しはじめる――。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

SFものの群像劇として、最後の展開には想定の上をいくアツさに盛り上がりつつ、ここまで深ぼってきたキャラクターの体験や思考が活かされていくカタルシスを感じられたのかが良かった。あとやはり推しの力はすごい。それぞれのキャラクターにもとても愛着が持てた。「なぜ宇宙を目指すのか」をSF的な設定の中で、長い歴史のある人類史のこの先をどう生き抜いていくべきかという「種の生存」の問いかけや、「意識とは何か」という哲学的な問いかけを様々なエピソードの中で考えられた。他の方もコメントされているように冗長で長すぎる点と、帯コメントによる期待値が上がりすぎてしまったことは、約1000ページという大ボリュームを読み進めていく上では読後に物足りなさを感じてしまった。

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2026年07月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

よくもまあこれだけのホラ話を堂々と展開したものだと感服した。その意味でオビの煽りも理解できるけど、これが三体とかPJヘイルメアリーと並べられるのは何だか違和感。全体として雄弁な語り口が最終的にハチャハチャ状態になって話を落としていくところも何だか唖然としてしまった。超絶嘘っぽい話も面白かったけど手放しでおすすめできない。あくまでもSFファンのための小説であってそれ以外ではないかも。もちろん小説としてのリーダビリティも高く楽しいのだけど、自分の琴線としてのセンスオブワンダーには程遠いかな、うーんなんか難しい

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2026年07月07日

Posted by ブクログ

プロローグ

月面裏で発見された謎の構造物
その構造物の中には複数の頭のない遺体が
その遺体を調べると異星人の様相を呈していた
死にゆく人間の頭とその遺体を結合すると、蘇る!

この荒唐無稽の御伽噺にどう向き合うか
我々の度量が試される一冊ではあるのだが果たして



本章
『マイボディ・オン・ザ・ムーン』★4
上下巻合わせて1,000頁強、長尺の割に読ませるには読ませるのだが…
色々詰め込んでいるが、結局は未知の首無し遺体であるルナ・ボディと終盤で登場する細胞L*は、故郷であるペガサス座51星へ帰りたかったのではないかというお話し

帯には、『三体』や『プロジェクト・ヘイル・メアリー』に並ぶ云々…と謳っているが、そこは持ち上げ過ぎ
期待値を上げ過ぎたのは勿体ないところ
前振りなく普通に読んだら、普通に良作かと

早川書房、大ヒット作!欲しかったんだろうな〰



エピローグ

これ言うと身も蓋も無いが、本作の衝撃はエピローグにある
さも、続編を匂わせつつの衝撃的な終わらせ方だ

こういうエンディングなら、本作をキュッと絞って一冊に集約し、期待膨らむエンディングからの続編に持っていった方がよっぽど良かったのに!!!


雨雲だらけの夜空を見上げながら
そう思った!!!


   
                      完

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2026年07月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下巻からは、地上に降ろされたルナボディが世界にもたらす影響が描かれる。
キャラクター各人の行動と、世界情勢、ルナボディをめぐる謎が混ざり合いながら進んでいく。中心となるのはルナボディとのキメラにされたコーツの周辺だけれど、いろんなことが起こるし、話と場面があちこちに飛ぶので細かいところをどんどん忘れていってしまうのが難だった。1回通しただけだからまだ消化不良な感じ。この感想はパラパラ読みしながら書いたので、内容が違っていたらごめんなさい。

世界の状況は… 第一部の終わりは2025年、第二部はその5年後。2030年グリーンランドにロシアが侵攻し戦争が勃発する。(ウクライナは2025年にロシアの領土拡大で決着している) ロシアのバックには中国。そしてタイに建設されるランドブリッジ(マラッカ海峡の代替となる陸橋)をめぐる米中の駆け引きなど、国家間はごたごたしている。

メインの4人はこんな感じ。

・ヂャンミン … 国連安保理に参加させられたり、コーツが作り上げた《コスモエイジ》という団体へ潜入させられたりなど。(やはり糊的な存在)中国から受け取る指令がビデオテープなのがスパイものみたいで面白かった。彼が開発した物質解析プログラム《カロカガティア》に関連して、ヒトの視神経は光子を捉える網膜細胞の数よりずっと少ないから、脳は経験で視覚を補っているという部分、人間のとらえる世界の狭さ、見えないもの書かれていないものを見るべしというのは、作品のテーマでもあるのかな。
奥様はCIAの凄腕ハッカーのイザベラがミントちゃんの乗る自動運転AIをハッキングしてとんでも機動で封鎖突破させるのもカッコいい。プライベートでは夫婦でエヴリンの学校選びに苦慮している。おそらくだけど、彼女は特殊なクラスになるんだろうな…という描写がみられる。

・ジャム … ルナボディと付着している細胞L*の謎を解き明かすとても重要な役割。彼女が心を寄せ観察した南井真一の経過は衝撃的だったな。罪と罰と生と死と。彼女は物語の終盤で、父親のノイを助けるために、とんでもないフリーダイビングミッションに挑むことになる。そこで彼女は自分が救いたかったのは何かを確かめることになる。彼女の映画「アルマゲドン」についての見解にはうんうんと頷くものがあったよ。パスタやカニをおいしそうに食べるところも好き。

・ミント … 政治情勢や大人たちの行動に巻き込まれていくミントとハルキ。ふたりは人気VTuber〈地獄のベティちゃん〉のアカウントを密かに引き継いでいたが、コーツのスキャンダルが飛び火して炎上し、その結果、地元にいられなくなったハルキと離れ離れになってしまう。《コスモエイジ》の一員となったハルキにはるばる会いに行ったのに冷たくされて傷つくこともあったけれど、ジャムの挑む高難易度ミッションの要を担う立役者となり、また前を向き始めた。めちゃ応援しちゃう。現実世界と仮想空間とのふたつの世界をこれからどんなふうに生きていくんだろう。

・コーツ … 下巻はほぼコーツとルナボディの謎についての話なのだ。コーツは部下に嵌められ、その頭部だけをブラウニー生命研究所という場所で保管されていた。ルナボディに人間の頭部を繋ぐ実験をすることになった時、候補になったのが彼。なんと、執刀は彼の息子。妻のマチルダがその経緯を推察したように「コーツ家と異星の陰謀」が本のサブタイトルでもおかしくない。望まずに異星体とのキメラとなってしまったコーツだが、部下に乗っ取られていた自分の会社(仮想空間『ディオマタス』を運営する一大テック企業)を奪い返し、《コスモエイジ》という団体を立ち上げる。目的は恒星間飛行。とんでもないおじさんで、正直あまり好きではない人物。バイタリティというか単純なベクトルの強さというか。とてもアメリカン(開拓者)なイメージがある。ジャムの父ノイとのランドブリッジマラソンが印象的。

ルナボディは異星種族が月に置いていったもので、そのボディは人間との親和性が高いどころか、超免疫力まであることがわかった。うまくいけば、ダメになった体を取り換えて延命することができるかも? そんな独裁者が大喜びしそうな代物なのだ。ちょうどおりよく人体を冷凍保存するシステム、アモルファス励起装置というのも開発されている。そりゃ使ってみたくなるよね。ということで、中米ロの大国はボディを分配して実験する。アメリカ大統領は実験体のコーツを英雄として、国民の分断をまとめるための“物語”として利用する。ロシアでは超免疫力を持つ疲れを知らない兵士として軍事利用する。
しかしだ。そんな得体のしれないものは気軽に使っちゃいけないと思うんだよね。ボディのほうは脳に合わせて姿を変え、脳のほうはボディとの接続を担う細胞L*の影響を受けることがわかってきた。異星の細胞と共生することは“自分”が変容するということ。ルナボディと細胞L*は故郷に帰りたい。そう、ペガサス座51星へ。そのせいでコーツは恒星間飛行を目指す《コスモエイジ》を立ち上げた。細胞L*はルナボディとの接続者だけではなく、鼻や口を経由して人間の脳に感染する。たぶん意図的に汚染された食肉を介して。そんな中、ロシアの宇宙基地から発射された飛翔体をきっかけに、世界7都市に核爆弾が投下される。おそらくそれも細胞L*による地球脱出だったのでは…と思われる。
第3部は核の爆撃にあった都市の悲惨な惨状も描かれるが、登場人物たちの日常は続いていく。《コスモエイジ》が造り上げたロケットは飛ぶのか、ジャムとミントは愛する人を助けられるのか、エヴリンはヂャンミンをパパと呼んでくれるのか。


以下ネタバレ大きい感想

・日本の活躍の最優秀賞→明治「マーブルチョコ」
・感染する細胞L*がヒトを別のものに作りかえていく…という部分は、帯に「天冥の標」の名があったのも納得。宇宙に自分たちの遺伝子を拡散しつつ宇宙を渡るのにもっとも効率良いのは、宇宙戦争を仕掛けて支配領域を広げるのではなく、寄生していくというやり方。
・「三体」ぽさは延安洞穴とか仮想空間のゲーム〈ディオマタス〉と現実とのつながりとか、AIエージェントとか、量子コンピュータ《銀角》の存在だろうか。《銀角》のヒトの脳と直結するのすごかった。
・続きがきになるけど、戦争が続いていて地球も社会もぼろぼろっぽくなるので、どんどこ細胞L*に感染させて、なんか宇宙に行きたいから戦争は無駄!みたいな流れに…ならないだろうな。ディストピアな世界が始まったらいやだな。
・人間の脳についてあんまり知らないのだけれど、知覚情報の処理とか、意識とはなにか、自分が見ている他者とはなにかとか、哲学っぽく考えたくなる。
・「星を継ぐもの」的な部分、次点は地球外生命体による地球人への影響かなあ。ペガサス51星人は大昔から密かに地球にいたんだね。タイの僧侶みたいな「覚者」というのが、地球のほかの場所にもいるんだろうか。人類がオウムアムアと出会う事が「扉が開く」ことだったんだなぁ。

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2026年07月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ご飯の描写が美味しそうと思っていたらそれも伏線に使われていた。ミントとハルキのカップルに前作の面影も見たりして楽しい。家族の描写がどれも優しくて信頼できる家族愛を感じた。
最後のシーンで中国が失敗しててもとやかく言わなかった理由が分かってなんだか安心した。

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2026年06月26日

Posted by ブクログ

コラージュのような上巻から収束していくのはさすがプロだった。科学知識が乏しく検索しながらの読み進めでちょっとしんどかった。アンディウィアー先生ほ本がわかりやすいのはなぜだろう?

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2026年07月18日

Posted by ブクログ

ふぅむ。
設定は面白いし、登場人物もみんないい個性を出してる。
なのになんでだろ、時間がかかってしまった。

すごく専門的な分野の話だし、理解力の問題かとも思うけど、私的な感想としては、説明文的なところの言葉が多いのかなーと…
一文で語ってほしいことを三文くらい語ってる感。言いたいことは分かるんだけど、言葉が増えることでぼやけてしまう…みたいな。
3分の2くらいの分量でこの内容が詰め込まれてたら、夢中になれたかもな。

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2026年07月08日

Posted by ブクログ

上下巻で1000ページ超。読み終わって達成感はあったけど、物語的な余韻は正直あまり感じられなかった。

設定は面白い。人物も結構魅力的だと思うし、覚えきれないほどの人が出てくるわけではない。真相は意外なもので、スケールも大きい。メタバース的なゲームの世界、核戦争、月をめぐる国家間の争いなどなど、群像劇の形式で要素を散りばめながら進んでいき、最終的に全員がひとつの結末にそれぞれの立場から関わってくる。
と書くとめちゃめちゃ面白そうなんだけど、なんだか乗れなかった。全体的に冗長で、長ければいいわけではないように感じてしまった。
特に上巻は正直読み切るのに苦労した。下巻はそれぞれの立場が関わり合ってくるので、上巻よりはスムーズに読めた。
文章は読みやすいのに、こんなに読み進められないものは久々だった。

売り文句としてプロジェクトヘイルメアリーや三体と並び立てられていたけど、これはあまりいい効果をもたらさない気がする。
帯がとにかく豪華な面子なので期待していたが、思っていたほどハマれなかった。

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2026年07月08日

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