【感想・ネタバレ】炭水化物が人類を滅ぼす~糖質制限からみた生命の科学~のレビュー

あらすじ

光文社新書のロングセラー『傷はぜったい消毒するな』でも有名な「湿潤療法」のパイオニアが、自ら体験した糖質制限ダイエットをきっかけに、栄養素としての糖質の性質や、人類の糖質摂取の歴史、カロリーという概念やその算出法のいいかげんさ、ブドウ糖からみえてくる生命の諸相や進化、さらには糖質からみた農耕の起源について、新説を展開しながら様々に考える。著者の元に寄せられる糖質セイゲニストからの体験談も紹介。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ご飯やうどんは消化には良くない。肉や魚のほうが消化が良い。
シメのラーメン、が逆流性食道炎の原因。

二日酔いの原因は、糖質。

澱粉は食べやすい。パンやご飯。
糖質は糖質を呼ぶ。糖質切れのイライラ感を解消するために、更に糖質を摂る。体は満たされているのに、更に糖質をとる。

果糖ぶどう糖液糖に注意

食べることが楽しみになったのは、澱粉と砂糖を摂るようになったから。本来、食は生存のためであり楽しみではないはず。

糖質は麻薬と同じ。ベトナム戦争のマリファナと同じ役割。

カロリーはいいかげん。

草食動物は、消化管が長く複雑。

最初に絶食断食をすることで、千日回峰行のような低栄養でも行きていける。
もともと肉食のパンダが、竹を食べて生き延びたのと同じ原理。

定住してはいけない狩猟時代と定住しなくてはいけない農耕時代。

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2024/09/19再読
緑の革命で、窒素肥料が湖沼や海に流れ出して富栄養化した。その結果赤潮が発生。穀物の生産量が減少、地下水汚染が起きている。
紀元前6000年ごろの灌漑農法と同じ。水を補給することで地下深くの岩塩が溶けて地表に現れる。
灌漑農法は、乾燥地を肥沃な農村地帯に変えた。

大豆は痩せた土地でも窒素肥料なしに育つ。
日本の一日三食は、江戸の大火事の復興のため、職人を一日中働かせるために始まった。

チューブワームは、自力で食べない。体内の硫黄バクテリアの作り出すエネルギーを利用している。

ウシの主成分はセルロースだが、セルロースを分解できる消化酵素はない。消化管内の共生微生物がセルロースを分解している。
第一の胃(ミノ)で固形成分が口腔内に戻されて再度咀嚼される=反芻。
第一から第3までは共生微生物の分解のためのもの。第4の胃であるギアラで胃酸が分解する。体内に発酵槽を抱えているので、身体が大きな方が有利。ヤギより小さい反芻動物はいない。

ウシは共生生物からタンパク質を得る。ウマは草だけでは生きられない。穀物、芋、マメ科植物を必要とする。=ウマは消化酵素が必要な草食動物。
ウサギは盲腸に共生細菌がいる。糞食で共生細菌の菌体成分を摂取している=身体が小さくても草だけで生きられる。
コアラもウサギと同様だが、摂取エネルギーが少ないため一日20時間眠っている。
胃を発酵槽として使うようになったのは、ウサギより後。

動物は食物としては理想的。必要な物質はすべて揃っている。
人間は雑食だが、消化管の構造から見る限り、大きくないため肉食と考えられる。結腸や盲腸が大きくないため、草食はできない。
ゴリラやオランウータンは草食。ツルイラクサのツルや樹皮が主食。巨大な結腸を持っている。
人間の糞便の半分以上は腸内細菌。腸内細菌はビタミンK、B7、B6、B3、B9を産生している。短鎖脂肪酸も生成していて、人間はそれを栄養にしている。
草食動物は消化管が巨大で複雑だが、消化酵素は少数でいい。肉食動物は、消化管と消化酵素は少数だが運動能力が必要。雑食動物は環境の変化に対応できるが消化管は複雑で消化酵素も自前で必要になる。

肉食だったパンダが短期間でセルロース分解できるようになったのは、エサについていた細菌を食べたからではないか。既存の腸内細菌がエサがなくなり元気がないときに、外来菌排除機能が働かなくなり、新しい細菌が腸内に住み着いた。その結果、セルロースを分解できるようになった。
一日に青汁一杯だけで生活している人や、千日回峰行は栄養学が崩壊してしまう。絶食療法で腸内細菌は元気がなくなる。その後経口的にセルロース分解菌が入れば大腸に定着して青汁を消化できる。

哺乳類の子どもはなぜ小さいか。
ダチョウより大きい卵を産む動物はいない=卵が大きくなると殻を厚くしなければならず、殻を破れなくなるから。
草食動物は身体が大きくないと消化管で細菌分解ができないため、大きくなるまでミルクが必要。
水中の肉食動物は、プランクトンをすぐに食べられるので小さくても生きていけるが、陸上の肉食動物は、エサを取れないのでミルクが必要。

ミルクとは。
汗はエクリン汗腺、アポクリン腺は腋窩部や外陰部などにある。乳腺はアポクリン腺から発達した。

脳が脂肪酸を使わない理由
脳は水溶性のブドウ糖とケトン体だけを使う。血液脳関門でほかの物質は通さない。
脳に必要な血糖値は決まっている。
ヘビ、亀、ナマケモノなどは低血糖(30くらい)、哺乳類とトカゲは中血糖(100くらい)、鳥は300くらいの高血糖。血糖を維持するのは、食べ物のブドウ糖ではない。血糖を維持するのは糖新生=アミノ酸から糖を作る、グリセロールから作る、など。
脳が血糖しか使えないのは、初期の代謝システムをそのまま引き継いでいるから。筋肉などは脂肪酸も使って有酸素代謝を行えるようになった。

全球凍結を3度経験している(異説あり)。シアノバクテリアの光合成で二酸化炭素が減り、地殻プレートで赤道付近の超大陸ロディニアが形成=陸地は海に比べて暖まりやすく冷えやすい。氷は太陽光を反射して地球外にエネルギーを放出する。その結果、全球凍結となった。
全球凍結の終わりは、火山活動の活発化、大陸の移動などの原因による。
真核細胞は酸素を消費する好気性代謝を行う。

グリコーゲンの合成促進はインスリンだけだが、分解はグルカゴン、アドレナリン、成長ホルモンなど複数ある。グリコーゲンは肝臓に100g、筋肉に300gほどしか蓄えられないので、合成促進はインスリンだけでいい。

小麦の灌漑農法は人類最大の革命。穀物とはデンプンが多い種子を食用にしたモノ。
種子の胚乳は栄養庫。イネ科はデンプン、アブラナ科には脂肪、マメ科は胚にたんぱく質を蓄えている。
小麦の天水農法では種子から1.7倍しかとれないが、灌漑農法は200~300倍取れた。

巣を持つ動物と持たない動物。
猫や犬は子育てをするので巣を持つ。定住する動物は排泄の場所が決まっている。犬や猫にトイレを教えるのは難しくないが、牛や馬やサルには難しい。芸を覚えるサルでもおむつを着けている。
ヒトも本来誘導生活。赤ちゃんは垂れ流し。犬や猫はトイレを覚える。本能の違い。

農耕よりも定住が先。定住できないと農耕はできない。
ホモサピエンスは最終氷期の始まりには2000人くらいになった、という研究もある。500万年変化がなかったホモサピエンスが、5万年くらい前に新しいものを作り出す脳を手に入れて、針で衣服を作り始めた。
地中海沿岸はビスタチオの産地。肉食の代用になった。定住が始まった。ドングリも石臼でひいて食べ始めた。定住+長時間労働が始まった。
平地でエンマーコムギを発見、メソポタミアで感慨農法を発明。
自生の小麦は最初は家畜の餌だったのではないか。小麦の甘さに惹かれて食用を始めたのではないか。

狩猟採集時代は健康だが人口密度が低い。
農耕時代は、栄養のバランスが悪いが人口が増える、時代。
カラハリ砂漠のコイサン民族は週2日程度しか働かない。
5万年前に突然、脳が進化した。穀物に感謝するとともに、穀物なしが人類本来のもの。

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2024年09月20日

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