あらすじ
ヴェネツィアの海岸で、喉を掻き切られ、舌を抜かれた男性の無残な遺体が見つかった。秘密結社が裏切り者を罰したのだろうか? イタリア憲兵隊の大尉カテリーナは捜査を始める。一方、世界的なSNS「カルニヴィア」の運営から手を引くことを発表したダニエーレは、激烈な反応に戸惑っていた。そこにアメリカに一時帰国していたイタリア駐留米軍の少尉ホリーが戻ってくる。同じく軍人だった父を陥れた陰謀を暴こうと、強く誓って――。それぞれの闘いを選んだ三人を待つものとは?ベストセラー三部作、最終巻!
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
カルニヴィアの3作目。
また上官とつきあってるの?とカテリーナに突っ込んだのは、
ホリーだけではない。
たぶん、読者全員だと思う。
そして、あまりに幸せそうで、
二人でアムステルダムへ行く約束をしていたので、
悲劇的な結末は予想できた。
ホリーの父が脳卒中に倒れる前に調べていたことは何なのか、
ダニエーレの少年時代の誘拐の黒幕は誰だったのか、
カテリーナが追うフリーメーソンの会員の殺人事件の真相は。
イタリアの近代の歴史をわかっていないせいか、
鉛の時代と言われてもピンとこないし、
共産主義の台頭とか、
赤い旅団という名前は聞いたことがあるけれどんなんだったかな、
という具合で、どうものめり込めなかった。
イタリアにおけるCIAの陰謀と
仮想空間でもあるカルニヴィアの存亡、
テロリストによるヴェネツィア爆破計画と、
いろいろありすぎてちょっと散漫な印象。
ホリーが殺人犯となってしまったのも残念だし。
ウナギを食べることになじみのある日本人でも、
伯爵がウナギの養魚場を経営していること、
捜査に来たカテリーナに生きたウナギをお土産に持たせたこと、
そのウナギをカテリーナが恋人のために料理したのは驚きだった。
1冊目を読んだ時の高揚感から言って
もっと面白い作品になったはずなのに、
というのが素直な感想だ。
Posted by ブクログ
コンピュータの中の都市カルニヴィア
この3部作の最終章には
これまでの全ての謎の因果関係が露わになる。
これまでと同様、実際にあった数々の事件や政治的陰謀を
織り交ぜて、古都ヴェネツィアを中心に
二人の女性イタリア憲兵とイタリア駐軍米軍少尉が
天才的ソーシャルネットワークの開設者とともに
謎を解き多くの市民を救う。
今回も、実際にあった事件が盛り込まれ、
赤い旅団、フリーメーソン、CIA、極右集団
バチカン、それぞれが絡み合う展開。
極右にも極左にも資金を流用させていたのは?
その狙いは?
現代の大きな弱点、サイバーテロは
どんな方法で?
グイグイ引き込む展開は素晴らしくスリリングで
圧倒的!