あらすじ
イタリア駐留米軍基地の建設現場で発見された人骨は、第二次世界大戦中に謎の失踪を遂げたパルチザンのものだった。当時何があったのか? その頃、憲兵隊の大尉カテリーナと米軍の情報将校ホリーは、米軍少佐の娘ミアの誘拐事件の捜査を始める。犯人は基地の建設反対を訴えて、ミアを責め苛む映像をインターネットで全世界に配信する。狡猾な犯人に苦慮するカテリーナとホリーはSNS「カルニヴィア」の創設者ダニエーレに協力を求めるが……。壮大な三部作、波瀾に満ちた一気読み必至の第二部が登場!
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Posted by ブクログ
カルニヴィアカルニヴィア禁忌1
2014年1月19日に記事をアップしてた作品を含めて
カルニヴィア3部作の2番目作品。2014年9月刊行。
イタリア駐留米軍基地の建設現場で発見された人骨は
第二次世界大戦終了間際、
謎の失踪を遂げたパルチザンのものだった。
同じころ、米軍少佐の娘が誘拐される事件が起こる。
別々の事件と思われたが、実は背景が繋がりがあった。
犯人は米軍基地反対派と思われていた。
オバマ大統領がなくすと公言しながらも
事実は決して無くなっていず、
単に世界に散らばっているだけの収容所。
米軍が作った残酷尋問方法と同じやり方でいたぶり
その動画を拡散する。その意味は?
第二次世界大戦後のイタリアを共産主義が定着することを
嫌った米軍と時のカトリック教会の利害が一致し、
パルチザンに協力しながら最後で裏切った史実。
戦後強大な力を持った企業の成り立ちと米軍の秘密。
今回のこの作品も、事実を多く盛り込んで、
古い事件が、今の時代にもつながり、
気がつかないだけの其処にある絶望を浮かび上がらせている。
最後まで息もつかせず読ませてしまう筆力はさすが!
一気に読んでしまった一冊。
3部作目も楽しみ。
Posted by ブクログ
カルニヴィアの2作目。
ゲーテ曰く、
光の多いところには、強い影がある。
ヴェネツィアの華やかさに酔いしれた前作に比べると、
今回はかなり暗く、読み難い話だった。
駐在米軍の少佐の16才の娘が誘拐され、
拷問されている映像が配信される。
その場面が延々と続くので、かなりひどい。
少女が誘拐犯と精神的に闘う姿は印象的だったが。
しかも二人の主人公のうち、ホリーも拷問されるし、
事件の発端となった建設現場から発見された人骨との関係が薄いし、
人骨を調べていた考古学者二人が殺されるのが突然すぎるし、
教皇や秘密結社まで出してきた割には肩透かしだったし。
カテリーナが別れた不倫相手の上官とまた捜査をしていたのも、
ホリーとダニエーレが最後で別れてしまったのも、
気に入らなかったのかもしれない。
前作の最後で、同居することになったホリーとカテリーナが、
喧嘩別れしたきっかけがフライパンを洗ったことなのは、
食の大国、イタリアらしかった。