【感想・ネタバレ】澪つくし 深川澪通り木戸番小屋のレビュー

あらすじ

流れる川音に包まれた江戸・深川澪通りの木戸番小屋に住む笑兵衛(しょうべえ)とお捨(すて)の夫婦。押しつぶされそうな暮らしを嘆き、ままならない運命に向き合い、挫けそうな心を抱えた人々が、今日もふたりのもとを訪れる。さりげないやさしさに、誰もが心の張りを取り戻していく。人生の機微を端正な文章で描く傑作時代短篇集。(講談社文庫)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

深川澪通り木戸番小屋シリーズ5作目。
北原亞以子鉄板の本シリーズ、本作も市井人情モノの王道路線を突っ走ります。

自分の力では処しようのない、憂き世の中のしがらみにまとわりつかれた各篇の主人公たちが、笑兵衛・お捨夫婦のさりげない暖かさで癒される、その姿を読んで自分の心まで癒されていく。

主人公たちの悩みの種が抜本的に解決するケースは少ない。それでも、木戸番小屋で、雑談をして、お茶を呑み、時には羊羹やご飯までご馳走になる。それだけのことで、明日もう1日頑張ってみよかと少し心が軽くなる主人公たち。その姿を読んで自分の心も洗われていることに気づく。

良質な小説ながら、テラいはないから読んで安心。あと1冊でこのシリーズも終わるのが残念でならないです。

0
2018年11月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

お捨にも笑兵衛にももう会えない。北原さんの独特の決めの一文で、わかったようなわからないような、人物の心のヒダに分け入る体験もできないとは、残念としか言いようがない。木戸番小屋シリーズ、暖かく読んだ。あとは縁側日記シリーズの文庫化を待つのみ。

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2013年10月24日

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