あらすじ
月刊誌連載の前に書かれた長編第2作。事件のない退屈をコカイン注射で紛らすホームズという、ショッキングな幕開けから、ホームズの語る“推理の科学”、そしてメアリ・モースタン嬢の持ち込む不思議な事件へと、物語は興味深い展開をみせる。ベイカー街不正規隊(イレギュラーズ)の活躍、依頼人に惚れてしまうワトスン、アグラの財宝にまつわる話など、面白み満載。
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Posted by ブクログ
緋色の研究のスタイルをさらに昇華させた感じで前作より好きでした。
事件自体のぞくぞくするようなミステリアスさもさることながら、ワトスンのキャラクターがどんどん魅力的に完成されていくようで楽しい。例えばコカイン中毒のホームズを本気で叱る場面や、メアリーに告白したいが遺産目当てと誤解されるようなタイミングになってしまったことに悩む場面。ワトスンお前の気持ちわかるよ、と声をかけて寄り添ってあげたくなる。
これは作者の意図したところか不明だけど、主人公側より犯人の方が人種差別意識がなく他の民族とも関係性を築いているのがなんとも皮肉だった。
Posted by ブクログ
4.2
恋愛要素入ってくるの意外だった。
ホームズがワトソンを気に入っているのはなぜなのか知りたい。
トンガが可愛かった。良かれと思ってバーソロミュー殺したんだろうけど、怒られてびっくりしたって…かわいい。
ミスモースタンはなんでそんなに宝に興味ないんだよ。私だったら大喜びなのに
Posted by ブクログ
名探偵ホームズ2冊目。ホームズ暇でコカイン(薬中か?)。そんな時に彼を訪れた若い女性・メアリー・モースタン嬢。彼の父親が失踪してから10年、ある者から真珠が届き、その送り主から面会したいと申出。ホームズ、ワトソンと一緒に会いに行く。面会依頼はショルトーからであり、彼からメアリーの父親(モースタン大佐)とショルトー少佐がインドで財宝を手に入れたことを知る。そこで起きるショルトーの兄の死、4人の署名、財宝の盗難。この財宝の意味やワトソンの結婚などイベントは多かった。中でも船での追跡劇が一番読み応えがあった。
Posted by ブクログ
ワトスンが書いた(と、いう設定の)前作「緋色の研究」は、ホームズに言わせると
「ロマンチックが過ぎる」
ちゅうことやったけど、今回はロマンチックの極みやったな!
エッ!? いきなり恋に落ちちゃう感じ!?
ちゅうお約束のツッこみを、まさかホームズシリーズでやることになるとは・・・(笑)。
ワトスンくん、若い恋人をゲットしましたネ・・・。
細かい注釈を並行して読むほうが面白かった(前回は注釈をまとめてドカッと読んだ)。
「〇〇か▽▽かは、シャーロッキアンでの論争テーマの一つ」
とか注釈をうたれると、なんかニヤニヤしちゃうよね!
シャーロッキアンって社会的に認められているホームズおたくやもんね~。その地位も、うらやましい。
ちなみにそんな「論争テーマのひとつ」に、なっていたのは、ワトスンが負傷したのは肩なのか脚なのかとかホームズが振る舞った料理はどんなやったかとか!
あと、終盤でモースタン嬢との恋愛について報告したワトスンに対してのホームズの回答が
「ぅわああお!」
と、にやつく骨頂のものやったんやけど、何やろうホームズとワトスンって仲良しやねんな!?
(今更?)
そこに注釈はなかったけれど(笑。ないのか!)そのぶん解説で掘り下げられていた。
「(ホームズとワトスンに)恋愛関係的なものをくみとる人もいるようですが」
と、いいきってた!
(逆説で終わっているとおり、恋愛関係的なものは皆無っちゅう解説なんやけどね)
イヤイヤイヤもう、ホームズどんなけツンデレやねんっちゅう話でした。
こういう目線で読んだらあかんし、読むシリーズではないのはわかってるつもりやねんけど、そこはそれ・・・。
いきなり前触れもなく放り込まれたからね・・・。
なんちゅうか、腐ィルターっていうの? 昔でいうところのBLスイッチね、そういうのがオンにもオフにもなってなかった(どういう状態よ)もので、余計びっくりしたわ・・・。
まあそんな調子で、ホームズは事件そっちのけでツンデレる、ワトスンは事件そっちのけでモースタン嬢にデレる、と、意外とデレデレな話で御座いました・・・。
(絶対違う)
話はもちろん面白かった。
財宝を手にする権利がある、と、いうところからここまで過去を掘り下げていくとは・・・。
そら、ロマンチックな色付けもしたくなるで、ただの猟奇的な殺人でもないんやもの。
(だからって犯罪を犯していいわけではないけど)
財宝かー・・・。しかもその秘密を共有することを誓った四人のサインなあ・・・。
そら、その四人から裏切者が出て、その制裁を加えて、ちゅうようなわかりやすい筋を、当時の社会情勢も盛り込んだお話になってるんやもの。
面白かった。
謎解きものやけど、なかなかバックグラウンドが深いよなあ。それが、ホームズの味なんかな。
そう考えると講談社系の謎解きものって、系統はホームズものに似てるかも・・・。やっぱり、謎解き小説のパイオニアなんやなあ。
あと、前回同様、犯人が真相を語るときには水が必要不可欠なのかと思った。
イギリスって乾燥しやすいんかしら? ああそういう感じかな?
(2016.10.29)
Posted by ブクログ
ホームズ長編2作目
個人的に私はこの作品をワトソン夫妻の馴れ初め
或いはMr.ワトソンの恋心ダダ漏れ記
と呼んでいる。
つまりはそういうことだ。
Posted by ブクログ
「すべての条件のうちから、不可能なものだけ切りすててゆけば、あとに残ったものが、たとえどんなに信じがたくても、事実でなくちゃならないと、あれほどたびたびいってあるじゃないか」
新一が蘭に話したセリフが出てきてかっこよさに痺れた。ストーリーも冒険活劇的で面白かった。ホームズの推理よりも犯人の過去の話の方が魅力的。四つの署名は賞金の山分けをしようとしてた4人のことなんだね。最序盤でホームズがコカインを注射してて、最後の場面で報酬もコカインを報酬にしてたのも印象的だった。