あらすじ
APEC構想、カンボジア和平への国連提案、農業貿易の自由化など、オーストラリアは国際社会の新構想を次々と提案してきた。中規模な国家ながらベンチャー精神にあふれた対外政策はどこから生まれてきたのか。さらにアジア系移民が暮らす多文化社会は、かつての白豪主義からの180度の転換であり、社会革命といえる。英帝国、米国、アジアとの交渉を軸に150年の歴史空間を描き、新しい国家像の核心に迫る。
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Posted by ブクログ
物語 オーストラリアの歴史
著:竹田 いさみ
出版社:中央公論新社
中公新書 1547
おもしろかった
オーストラリアについて、いくつかの発見がありました
面積としては大国ではあるが、人口としては、中小国に位置づけ
まず、連邦国家であったこと、各州には州政府があって、州の首相がいる
オーストラリア首都特別地域
ニューサウスウェールズ州
ビクトリア州
クイーンズランド州
西オーストラリア州
南オーストラリア州
タスマニア州
ノーザンテリトリー
英国の連邦総督には、オーストラリアの首相を罷免する権限があり、1度だけ発動された
英国の慣習法と、米国の成文法の2つを併せ持つ
アメリカをよく見ている。黒人や、差別主義など、二の足を踏まない政策を継続して実施している
独立記念日がない
アメリカの独立を反面教師として、イギリスはオーストラリアに融和政策をとって、英帝国⇒英連邦⇒コモンウェルズ という形で徐々に主権を渡していった
このために、オーストラリアは、イギリスから独立する必要がなかった
(カナダ、ニュージーランドも同様)
オーストラリアには、建国50年になるまで国旗がなかった。
ユニオンジャック+南十字星という統一国旗に落ち着いた
白豪主義という、移民政策を、1966に転換した
アジア外交上の障害になった
経済成長に人口が不足した
国際的な人種平等の潮流
3次にわたる日英同盟にて、オーストラリアは、日本に協力してきた
しかし、日本の大陸進出によって、親日論⇒日本警戒論⇒日本脅威論へ
第1次世界大戦に参戦し、ドイツの南方諸島の領有がきまった
そのときに、北半球に属している諸島は日本に、南半球に属している諸島は、オーストラリアと決まった
第2次世界大戦(太平洋戦争)に参戦、連合国として日本と戦った
朝鮮戦争、ベトナム戦争にも、国連軍として、アメリカに従軍
フィージーなどには、帝国主義者としてふるまう
ハーワードドクトリン、アメリカの庇護の下で、副警察官の役割を担っている
APEC もオーストラリアの発案である
ニッチ外交として、ミャンマーと北朝鮮に関与
※最新版の目次と異なるのでご注意を
目次
はじめに
第1章 揺れる自画像とアイデンティティ
第2章 理想社会の建設―白豪主義とアジア系労働者問題
第3章 ヨーロッパの帝国主義に翻弄される―英帝国の敵
第4章 対外脅威と安全保障―日本問題の登場
第5章 大国政治への関与と挫折―国連外交と冷戦の戦士
第6章 多文化ミドルパワーの国家像―ベンチャー型中小企業国家への模索
あとがき
オーストラリア史年表
ISBN:9784121015471
判型:新書
ページ数:320ページ
定価:860円(本体)
2000年08月25日 初版
2016年05月30日 4版
Posted by ブクログ
オーストラリアの建国から2000年までの歴史が詳しく書かれている。今ある多文化社会のオーストラリアは以前からあったものではなく、時の流れとともにアイデンティティを変化させてきた。英帝国、アメリカ、アジア、どこと戦略的に組んでいくのか。オーストラリアはアジア太平洋のリーダーという認識だったが、その時々の国際政治により、親米、親日、親中、、、と戦略を変えてきた。これからもアジア勢の流入は止まらないだろうから、アジアとの関わりは密接になっていくだろう。しかしどこかで我々は白人国家だという意識が見え隠れするのは変わらないのかもしれない。
Posted by ブクログ
いつも行っている本屋で一番目立つところに「物語」シリーズ特集が並べられていました。
「物語」シリーズ、こんな面白そうなシリーズを今まで知らなかったなんて、これから読み進めたいと思います。まずは今の自身の業務で最も関わりのある国、オーストラリアから読むこととしました。
オーストラリアと言えば、かつては白豪主義を政策に掲げていた白人国家というイメージでしたが、最近はアジア系移民を寛容に受け入れ多民族国家となっているようです。白豪主義も、日本は白人国家ではありませんが、移民に職を奪われる恐怖から移民を排斥しようし、似たようなことをやってしまうかもしれません。白豪主義を掲げるに至るまでの経緯を知ることで、単に悪名高い白豪主義という理解から一歩深めることができました。
ミドルパワー戦略という言葉はこの本で初めて知りました。オーストラリアといえば、世界に影響力を与える準大国というイメージでしたが、言われて見れば国家面積が広いといってもほぼ砂漠、人口も3,000万人程度、豊かな国でありますが、人口が少ないこともありGDPは世界第13位。数字では大国と呼べないのかもしれませんが、存在感は大きく感じます。それはアメリカやイギリスのような大国が手を出さないような国際問題を、積極的に解決しようとすることで存在感を発揮しているようです。さながらニッチな領域を開拓するベンチャー企業のように。
多民族国家となったオーストラリアが今後どのような国になっていくのか興味深いです。
Posted by ブクログ
1880年(アメリカが独立してオーストラリア入植が始まってから)くらいからの歴史。イギリスとの微妙な関係、オセアニアの諸島国との地位。第一次、第二次世界大戦への参加でのアイデンティティの確立と模索。白色社会から多文化社会への舵切りと根強く残る意識。
イギリスの植民地として生まれ、アメリカに頼ろうとし、白人が多数を占めながら地理的な関係からアジアと仲良くせざるを得ず、大国と小国の狭間で、独自の政治的文化的アイデンティティを模索しつつあるオーストラリア。
読みやすく、簡潔にオーストラリアの立ち位置が分かり、見方が変わる。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
APEC提案、カンボジア和平の国連提案、農業貿易の自由化など、オーストラリアは国際社会の構想を次々と実現してきた。
中規模な国家ながらベンチャー精神にあふれた対外政策はどこから生まれてきたのか。
さらにアジア系移民が暮らす多文化社会は、かつての白豪主義からの一八〇度の転換であり、社会革命といえる。
英帝国、米国、アジア諸国との関係を軸に一五〇年の歴史空間を描き、新しい国家像の核心に迫る。
[ 目次 ]
第1章 揺れる自画像とアイデンティティ
第2章 理想社会の建設―白豪主義とアジア系労働者問題
第3章 ヨーロッパの世界分割競争に翻弄される―英帝国の敵
第4章 対外脅威と安全保障―日本問題の登場
第5章 大国政治への関与と挫折―国連外交と冷戦の戦士
第6章 多文化ミドルパワーの国家像―ベンチャー型中企業国家への模索
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
オーストラリアの通史を手早く理解するのに役に立つ。
ただ、事実をフラットに並べているところもあるので、関心がなかなか深まらない。歴史も浅く、何をオーストラリアの文化として捉えるか?そのような本を追加で探す必要がありそう。
以下抜粋
・なぜ、イギリスは、遠く離れて不便なオーストラリアに、わざわざ白人のための植民地を建設したのであろうか。最大の理由は、アメリカが独立したからである。
Posted by ブクログ
●地理的な距離で言えばアメリカより近くにある白人国家ではあるが、オーストラリアの歴史について何一つ知らなかった。そういった意味で勉強になった。
Posted by ブクログ
前半、近代史の部分は割と良くまとまってるなと思ったが
現代に入ってからは事実の羅列と、
ちょっとオーストラリア持ち上げ過ぎ?というか
自分の描く理想的なオーストラリアにこじつけようと
してる感が拭えなかった。
現代史は専門外なのかな?ちょっと残念。
Posted by ブクログ
オセアニア政治社会論の参考書として通読。内容はタイトルに違わず。前半~中盤にかけてはオーストラリアの国家形成の歴史を辿り、後半、近現代のミドルパワー外交に言及されている。新書という体裁はとっているものの、入門書としては十分に読みごたえのある一冊であろう。