【感想・ネタバレ】ゾウの時間 ネズミの時間 サイズの生物学のレビュー

あらすじ

動物のサイズが違うと機敏さが違い、寿命が違い、総じて時間の流れる速さが違ってくる。行動圏も生息密度も、サイズと一定の関係がある。ところが一生の間に心臓が打つ総数や体重あたりの総エネルギー使用量は、サイズによらず同じなのである。本書はサイズからの発想によって動物のデザインを発見し、その動物のよって立つ論理を人間に理解可能なものにする新しい生物学入門書であり、かつ人類の将来に貴重なヒントを提供する。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

サイズの生物学。初めて知ることが多かった。言われてみれば不思議。小さなネズミや大きなゾウでもそのサイズに合わせた骨格や脳、心臓を持っている。また身体の大きさに合わせて心臓の動くスピードや、骨の太さも調整されている。走るより飛ぶ方が速度が出るので燃費が良い。微生物は小さいからこそ単細胞生物として成り立つ。動物の細胞は一つ分の大きさが同じで、植物は細胞壁と液胞を持つことで細胞を大きくできた。昆虫は外骨格を持つことで、ヒトデやウニは外骨格を内骨格化し、生存競争を生き残った。食べられにくくなりながら養分を確保する。

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2023年02月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

動物の体は効率よく生きるために設計されている、ということがよくわかる本。
例が巧みで面白く、楽しく読めた。
植物や棘皮動物(ウニやヒトデなど)についても述べられており、興味深かった。




【memo】
・時間は体重の1/4乗に比例する。
・1呼吸4回心臓は打つ。
・哺乳類ではどの動物も一生の間に心臓は20億回打つ。
・体調1mm以下の動物は水の粘性力に影響されて生きている。熱運動も無視できない世界。
・体調1mm以上になってくると、粘性力よりも慣性力に影響されて生きている。
・多数の繊毛を貼り合わせたクシ板で動いているタイプのクラゲがいる。(テマリクラゲ)
・酸素を細胞内の拡散だけに頼って生きている動物のサイズの上限は半径1mm。陸上では0.8mm。
・ミミズは呼吸系はもたないが、循環系は持っている。
循環器を持っていると、サイズの上限は半径1.3㎝となる。
・脳や内分泌帰還(脳下垂体・副腎・甲状腺)は、体重に正比例しない。
・体重を支えるため、大きな動物ほど骨の占める割合が大きくなる。
・ヒトは体重の15%が骨格系。ゾウは20%以上。トガリネズミは3.5%。

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2021年11月09日

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