あらすじ
日本全図を作るため1801年4月第2次測量隊は伊豆へ。円周率に憑かれた若者を加え、せこいお上の予算に自腹を切る冒険が始まる。阿波の藍栽培の騒動に首を突込み、十返舎一九の片棒坦いで"飯盛歌舞伎"を作り、はては俳諧師殺しの詮索に夜も日もない。忠敬の一歩は、ああ道草喰いの旅とはなった。全5巻。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
随分まえに、(三)を読み終わっていて、
(四)もかなり前から本棚で出番をまっていてくれていた。
面白いから読んでいるので、続きを忘れてしまうことはなかったのだけれど、そろそろ前に進もうかと思い、手に取った。
そもそも伊能忠敬がきになって仕方なかったので、
佐原にいってみて、父からこの本の存在を聞いたのが読み始めたきっかけ。
あまりにちゃんと読みたくて、井上ひさし自ら著した解説本のような文庫も買い、そこからきちんと読み始めたのだった。
(四)は蝦夷地の測量を終えて江戸にもどった伊能忠敬が、
再び測量の旅に出るところから始まる。
今回は、俳句やら古文やらが多く、読み進みにくいのは確かなのだが、
史実に基づいた測量の記録に合わせて、夜更けや朝方に起こる事件の数々(フィクション)がぐいぐいと引っ張ってくれるので読みやすい。
武士ではない、百姓が主人公の歴史小説という視点からは主人公がヒーローになってしまわないので面白いし、
歴史上の実在した人物であるという点では、資料も他に多くあり、ひきつけられる。
全巻読み終わる前に著者がなくなってしまったことが、何だかとてもさみしい。