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Posted by ブクログ
伊豆と相模を測量するための旅を開始し、西へ向かう忠敬は、川崎宿で阿波の殿様の一行にぶつかり、阿波の名産品である藍の栽培のしかたを記した秘伝書が盗まれるという事件に巻き込まれてしまいます。さらに保土ヶ谷では、十返舎一九と葛飾北斎がそれぞれ宿屋の軍師となっており、客引き対決をくり広げます。
その後も忠敬は、芭蕉門下の俳人の殺人事件に首を突っ込み、奇抜な発想で捕鯨船を出すことをこころざす少年が弟子入りを志願するなど、忠敬の二度目の旅は最初からますます破天荒なものになっていきます。
作品の方向性がわからなくなってきましたが、この無軌道っぷりをたのしむのが、本作の正しい読み方なのかもしれません。
Posted by ブクログ
随分まえに、(三)を読み終わっていて、
(四)もかなり前から本棚で出番をまっていてくれていた。
面白いから読んでいるので、続きを忘れてしまうことはなかったのだけれど、そろそろ前に進もうかと思い、手に取った。
そもそも伊能忠敬がきになって仕方なかったので、
佐原にいってみて、父からこの本の存在を聞いたのが読み始めたきっかけ。
あまりにちゃんと読みたくて、井上ひさし自ら著した解説本のような文庫も買い、そこからきちんと読み始めたのだった。
(四)は蝦夷地の測量を終えて江戸にもどった伊能忠敬が、
再び測量の旅に出るところから始まる。
今回は、俳句やら古文やらが多く、読み進みにくいのは確かなのだが、
史実に基づいた測量の記録に合わせて、夜更けや朝方に起こる事件の数々(フィクション)がぐいぐいと引っ張ってくれるので読みやすい。
武士ではない、百姓が主人公の歴史小説という視点からは主人公がヒーローになってしまわないので面白いし、
歴史上の実在した人物であるという点では、資料も他に多くあり、ひきつけられる。
全巻読み終わる前に著者がなくなってしまったことが、何だかとてもさみしい。