【感想・ネタバレ】炎立つ 壱 北の埋み火のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年01月12日

陸奥歴史ロマンの超大作、第1巻。
安倍頼良の息子である貞任の婚儀に陸奥守・藤原登任が招待されるところから物語が始まる。
黄金に目が眩んだ登任がまんまと戦を仕掛けるが、安倍一族の軍事力の前に為す術もない。
本作の主人公・藤原経清は陸奥守側だが、とんでもない上司を持つ部下は苦労するなぁとため息。
経清自...続きを読む身はまさに武者、しかも腕が立つし賢く、蝦夷からも源氏からも引く手が数多である。
源義家との出会いのシーンが素晴らしかった。
また、安倍貞任のつはものっぷり!まさか阿弖流爲が守護神とは……2巻も楽しみ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年05月18日

高橋克彦の奥州藤原氏を描いた歴史小説。前に読んだアテルイの時代から3世紀ほど後の11世紀の話。
第一巻は前九年の役の始まりというところ。陸奥安倍氏、出羽清原氏、源氏の興亡が展開されるわけですが、高橋克彦はアテルイが非常に面白かったので、今後に期待。

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Posted by ブクログ 2012年08月26日

平安後期の陸奥を舞台にした全五巻の長編。
第一巻~第三巻はいわゆる前九年の役での安倍氏と藤原経清、源氏を巡る話。
第四巻は藤原経清の遺児、清衡が後三年の役を通じて安倍氏の血を再興するまでの話。
第五巻は奥州藤原氏が滅亡する際の源義経との関わりを描く話。
率直に言えば、第一巻~第三巻が最も見どころ(読...続きを読むみどころ)がある。個性の際立つ安倍貞任、藤原経清、源義家の交流と戦場での邂逅に心踊らされ、それぞれ異なる立場での苦悩に多くを考えさせられた。史実として知られていることが少なく著者の自由な想像力を働かせる余地が多かったのだと思う。読者として既に多くを知ってしまっている戦国・幕末あたりの題材と比較して自分にこの時代の知識が少なかったのも先の展開の予想がつかない面白さにつながり、あっという間に読み切ってしまった。

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Posted by ブクログ 2011年09月07日

壱:北の埋み火
弐:燃える北天
参:空への炎
四:冥き稲妻
伍:北彩楽土

の全五巻。俘囚と蔑まれた陸奥の人々から見た中央との抗争の歴史。安部貞任・藤原経清と源頼義・義家の12年に渡る戦い「前九年の役」に始まり、清原家の内紛に源義家が介入して藤原清衡が権力を掌握する「後三年の役」、さらには源頼朝によ...続きを読むる藤原泰衡・源義経の征伐による奥州制圧までを描く一大スペクタルドラマ。
現存するおそらくわずかな史料を基に、鎌倉前の源氏の勃興と、中央政権の影響力の及ばない言わば独立王国を築きあげた藤原氏との関わりを描き切った著者の想像力と筆力は見事。また、源頼朝が数百年に及ぶ公家政治から武家政治への転換をわずかな期間で成し遂げたが、著者はその手本を平泉を中心とする奥州藤原氏による政治としたという説をベースに展開している。
個人的には、藤原氏による100年に及ぶ平和な「楽土」の時代にも光をあてて、もう少し触れて欲しかったが、大河ドラマの原作ということで戦乱に明け暮れた時代と理想の国を追い求める人たちの義を描くことが中心になったのだろう。

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Posted by ブクログ 2022年08月07日

R4.7.17~24

(感想)
奥州藤原三代の歴史小説の決定版。
20年以上前、学生の頃に大河ドラマを見て、小説を読んで興奮した一作。
久しぶりに古本屋で買いなおして再読。
うーん、やはり高橋さんの歴史小説は、セリフ回しがくどいのが気になる。
もっと自然に話を進められないものか。
とはいえ、やはり...続きを読む時代背景は面白く、さくさく読めます。

時代は1049年、平安時代末期。
まだ清盛が出てこず(たぶん)、源氏と平家が権力争いをしている、武士の世を睨み合っている時代…かな。
これから清盛、頼朝、義経の活躍が期待されます。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年04月23日

平安時代の蝦夷を巡る抗争の物語。知名度の低い舞台だからこそ面白い。熱い武者たちの物語。このあと前九年の役。

 
 なんというか、バトル物だね。これに八幡太郎義家とか出てきたらどれだけ熱いものになっちゃうのだろう。


 平安時代なので登場人物の名前が似た者ばかりで嫌う人もいるだろうが、おもろいで。...続きを読む
 学校の授業では登場しない名前ばかりでとっつきづらいかもしれないが、おもろいで。

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p31 陸奥の馬
 平安時代の馬は高級品だった。特に陸奥の馬は他の馬の十倍の値で取引されるほど良品だった。

p79 頼良軍
 安倍頼良の常備軍は5万くらいいるという。それがいざ戦になれば倍くらいになるだろう。当時の朝廷の常備軍で10万、しかしよく訓練された安倍軍に勝利するなら20万は必要だろう、そう藤原経清はいう。

p193 女には優しさ
 頼良の娘:結有と貞任の会話にて、
「女は男の強さと優しさに惹かれる。好きになる始めは強さでも、最後には優しさを求める。」
 ほぅ。

p230 東北が都を獲れない理由
 東北の強者ならずぶずぶに緩みきった西国の朝廷なんてボッコボコにできるのではないのか。しかし、やはり東北は遠い…。
 仮に10万の軍勢をもって京を攻め込むとしたら、その大軍団の糧食やらの経費だけで蓄えは空になる。また都までは20を超す国府がありそれをいちいち打ち破る必要がある。半年では京に辿り着けないだろう。そんなに時間をかけているうちに京では迎え撃つ準備が万端になっている。
 もし京を落とすなら最低でもやはり関東に本拠地を置くくらいにならないといけないのである。鎌倉幕府が政権を握れたのは、立地的条件が大きかったのである。

p250 物部
 陸奥の金山を支配するおっさん:吉次の一家。彼らはどうやら蘇我氏に敗れて朝廷を追い出された物部氏の末裔らしい。朝廷の軍事を司っていた物部氏だから東北で強い軍勢を作れたのだなー。というか、東北っていうのはこういう破れし者たちの吹き溜まりだったのだろう。

p259 アラハバキ
 東北の石信仰。石を円環状に並べて神聖な結界を作る。かつては東北奥六郡のいたるところで見られたが、坂上田村麻呂の侵攻の際に邪神とされことごとく排除されてしまった。田村麻呂は邪教破壊と同時に、新たな寺院を建てて新たな仏教を広めた。
 しかし、田村麻呂の本当の任務は、陸奥にひっこんだ物部氏の再興を防ぐことだった。そのために信仰をも塗り替えたのだ。

 安倍頼良は朝廷の配下であるため表面上は仏教に帰依しているが、密かに物部氏の末裔と同盟を結んでいたのでアラハバキの侵攻にも帰依していたのである。

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 バトルが熱い。経清と貞任のファーストコンタクトの切り合いが超かっこよかった。血の気が多すぎる。

 きっとものすごくむさくるしかったんだろうな。

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