あらすじ
会社をよくするのに必要なのは、「スキル」よりも「センス」を磨くことである。会計技術であれ英語力であれ、単なるスキルをアップさせても「経営」はよくならない。「よい会社」には根幹の戦略に骨太な論理=ストーリーがあり、そこにこそ「経営センス」が光るのだ──。本格的な経営書として異例のベストセラーとなった『ストーリーとしての競争戦略』の著者が縦横に語り尽くす「経営の骨法」。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
経営センスの論理 (新潮新書) 新書 – 2013/4/17
本を読むのではなく、本と対話することが大切だ 抽象化して本質をつかむ
2017年1月28日記述
楠木建氏による著作。
一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授。
1964年東京都目黒区生まれ。
南アフリカ共和国ヨハネスブルグで子供時代を過ごす。
1987年一橋大学商学部卒業。
1992年同大学院商学研究科博士課程単位修得退学。
一橋大学商学部専任講師、同助教授、一橋大学イノベーション研究センター助教授、
ボッコーニ大学ビジネススクール(ミラノ)客員教授、
一橋大学大学院国際企業戦略研究科助教授、准教授を経て、2010年より現職。
本書は、ダイヤモンド社が運営するオンラインサイト「ハーバード・ビジネス・レビュー」での
連載「ようするいこういうこと」(2011年10月3日~2012年5月1日)、「楠木建の週間10倍ツイート」(2012年5月24日~2012年11月15日)の記事を元に編集を施したものです。
連載をまとめた本でもあるのではじめにで著者もことわっているように何か一貫したテーマについて述べている訳ではない。
だから色々な方向に話題があちこち行っている印象。
また2012年くらいの世の中の出来事についてのコメントも多い。
さくっと読んで参考になる部分があれば良いなって感じだ。
印象に残った文を引用してみたい。
英会話や財務諸表の読み方、現在企業価値の計算はスキルを身につければ何とかなる。
しかしスキルだけでは経営はできない。
戦略を創るというのはスキルだけではどうにもならない仕事だ。
すぐれた戦略をつくるために必要なのはセンス。
スキルをいくら鍛えても優れた経営者を育てることは出来ない。
スーパー担当者になるだけだ。
センスは他者が育てるものではない。
当事者がセンスある人に育つしかない。
センスは他動詞ではなく自動詞だ。
経営に出来ることはセンスがある人を組織内で見極めその人にある商売の単位を丸ごと任せる。
経営は意志。
意志は言葉でしか伝わらない。
人が書いた原稿を読み上げるだけの経営者がいるが、何を考えて経営しているのか、不思議としか言いようがない。(柳井正)
他社の経営者が書いた本は個別の文脈の中に埋め込まれているので、すぐに応用することはできない。
しかし、優れた読み手はそこで抽象化して本質をつかむ。
本を読むのではなく、本と対話することが大切だ。
これから就職しようという人々にとって「大学生が選んだ就職人気企業ランキング」に情報価値はほとんどないと言って良い。
有名な会社を挙げて下さいとあまり変わらない。
GPTWインスティチュートが実施している働きがいのある会社ラインキングの方が良い。
戦略は「こうなるだろう」という未来予測ではない。
「こうしよう」という未来への意志が戦略だ。
「人間はイメージできないことは絶対に実行できない」
「こうしよう」というイメージがしっかりと共有されていれば、根拠を持って仕事が出来る。
毎日の仕事がタフであても、明るく疲れることが出来る。
数字を掲げるだけでは「こうしよう」という意志が組織で共有されない。
数字を掲げて走らせるだけだと、疲れが暗くなる。
だから戦略ストーリーが必要になる。