【感想・ネタバレ】スワロウテイル人工少女販売処のレビュー

あらすじ

〈種のアポトーシス〉の蔓延により、関東湾の男女別自治区に隔離された感染者は、人を模して造られた人工妖精(フィギュア)と生活している。その一体である揚羽(あげは)は、死んだ人工妖精の心を読む力を使い、自警団(イエロー)の曽田陽介と共に連続殺人犯“傘持ち(アンブレラ)”を追っていた。被害者の全員が子宮を持つ男性という不可解な事件は、自治区の存亡を左右する謀略へと進展し、その渦中で揚羽は身に余る決断を迫られる――苛烈なるヒューマノイド共生SF。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

生殖行為により感染、進行、遺伝する病〈種のアポトーシス〉の感染者を閉じ込めた、かつての関東平野(関東湾)に浮かぶ浮島、東京自治区。巨大な歯車によって二分された自治区の人々は男女別に分かたれて、人を模して造られた微細機械群体技術の結晶である人工妖精(フィギュア)を人生の伴侶として暮らしている。第3の性として蝶形微細機械群体で構成された体を持つ人工知性である彼、彼女らの一人として男性自治区側で暮らす少女揚羽は人による被造物としての規範を逸脱してしまった同胞を切除することを生業としていた。傘持ちと称される連続殺人事件の犯人を追っていた彼女は自治区の存亡を左右する陰謀の渦中へと身を投じることになっていく。
これでもかと詰め込まれた膨大で緻密な世界観設定の下で繰り広げられる、人による被造物である人工妖精たちと人間の暮らしを描いたSF作品。奇怪な連続殺人事件とその裏に隠された作品舞台である東京自治区の存亡にかかわる事態を追うストーリーにぐいぐいと引き込まれた。登場人物間の小ネタをちりばめた難解、または軽妙なやり取りもにやりとするものが多く楽しめた。

0
2012年12月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人間のパートナーとして人工妖精というヒューマノイドがあてがわれている世界で、殺されても再出現する「傘持ち」という人を殺せる人工妖精を追うお話。
男女別に隔離された人工島が舞台。蝶型微細機械群体というお掃除ロボット+構造物の保全者的なマイクロマシンが各所で働いているのが印象的。

人間と人工妖精の在りようの差がキーになっているお話で、それだけに人工妖精の特性を生かした「傘持ち」の仕掛けはおおと思った。また、人工妖精の性格の方向性を定めるために地水火風の気質が与えられていたのも個人的には面白かった。

0
2025年06月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久々にジャケ買いした1冊です。ある感染症を機に男女が隔離され、男性側には女性の、女性側には男性の、人を模してつくられた人工妖精(フィギュア)が存在する人工島で起こった事件をめぐるSFです。後半、やや急ぎ過ぎて解説が多くなっている気がしますが、思ったより本格的なSFで楽しめました。アクションシーンがもう少し派手な方が好みですが。いろいろ謎もまいてありましたので、続巻にも手を出してみたいと思います。

0
2012年12月18日

「SF・ファンタジー」ランキング