あらすじ
世界中で愛されたベストセラーを新たな装いで!
幼児なみの知能しかない32歳のチャーリイはネズミのアルジャーノンと同じ手術を受け超天才に変貌する。全世界が涙した名作の新装版
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Posted by ブクログ
今更ながら名作を。。
小説の最後の締めくくりってワクワクするからいつも目に入らないようにしおりで覆いながら読むんだけど、本書においては本当に覆っておいてよかった思った。
どんでん返しでも、何か強烈な種明かしがあるわけでもない。最後にチャーリーの優しさが戻ってきた感じがして胸を打たれた。
また、現代の科学技術に警鐘を鳴らすような内容だなぁと感じながら呼んでいたけれど、まさか本書が約60年前に書かれたものだとは驚いた。
自分に子供ができたら大きな愛で包んであげたいと思う。
Posted by ブクログ
さすが、一生に一度は読むべき名作と謳われるだけのことはあった。
主人公チャーリーの日記を通して、幸せとは?愛とは?生きるとは?を問いかけるような話。
「色んなことができる=幸せではなく、愛や友情が伴って初めて幸せを感じることができる」
そんなことを言われている気がした。
序盤は誤字脱字でとても読みにくかったが、終盤の誤字脱字は何故かすんなり受け入れられた。
中盤のチャーリーの変貌や苦悩を見たからか、最後チャーリーが元に戻っていくことに少しだけ安心したのかもしれない。
切ないがとても深く、よい読書体験でした。
Posted by ブクログ
人の温かさとか、人情、笑顔、そういうものが伴わない知識や知能にはどれだけの価値、意味があるんだろうかと考えた。
「チャーリィが手術によって天才になった、そして愛する人と結婚し、幸せに暮らしましたとさ」で、終わらないのがいい。
ダニエル・キイスと宇多田ヒカルの対談も、見れてよかった。当時の宇多田さんの考えが垣間見れて嬉しい。当時16歳とは思えない、本当に。
Posted by ブクログ
最初の方がどうしても読みづらくて一度距離をとったんですが夏休みに入ったからと改めて時間をとって読みました。小説を徹夜で一気読みしてしまうのは初めてでした。
事前情報として知っていたのはチャーリーが障がいを持っていて手術を受ける、それによって人の醜さを理解できるようになってしまい、、、みたいな感じだったので終わり方としてはチャーリーは手術を後悔して元に戻るとかなのかなと思ってました。実際読んでみたらそれだけじゃなくて、友情や家族の愛、初恋のような描写もあって本当に多くのことを考えさせられる物語でした。
最後の一文は読んだ瞬間にそこまで持ち堪えていた涙腺が崩壊しました。
Posted by ブクログ
私はきっとばかの方なんですけど、この本はばかの解像度がとても高いですよね。処理できる情報量が少なくて覚えていられないんです。チャーリィはかしこくなってようやく、パン屋の同僚たちの外見を記録に残した。
ギンピイの不正、アリスとの恋、孤独。父親との再会。
Posted by ブクログ
知能のレベルによって、見える世界が違ってくる。全世界が涙した不朽の名作と言われるだけあって、とても深い話だと思う。
この本を読んだ後では、自分の知能がどのくらいのレベルで、相手はどのくらいで、なんてことを日常の中で考えてしまったりするようになった。
本書は本編だけじゃなくて、筆者のダニエルキイスと宇多田ヒカルの対談も乗ってます。
Posted by ブクログ
有名だがなかなかタイミングがなく、ようやく読んだ。一気読みだった。
経験や他者との関わり(心)を伴わない知識は、人間を孤立させ、真の意味での幸福をもたらさない。経験感覚をもたない上部だけの知識に意味はない。何が人間を人間たらしめ、生きるとはどういうことかを考えさせられる本だった。
どんなにIQがあがっても、人とのつながり、交わりを欠いた状態ではチャーリーは満たされることができず、必死にそれを手に入れようとしているようにみえた。
この本を書いた当時は、AIのことなど想定していなかったのではと想像するが、この時代に読むと生成AIで手に入れた知識を使ってわかった気になって仕事をしている様子、なんだか表面的に当たり障りなく生きていく現代の様子にかさなった。
知能が元に戻っていくなかで、チャーリーが以前持っていたやさしさ温かみのようなものがまた表出してきて、三つ子の魂百までというか、根本は変わらないのだなと感じた。認知症になってもなお、礼儀正しく振る舞う祖母の姿を思い出した。
チャーリーほど短期間にドラスティックな変化を体験することはないにしろ、誰もが人生で程度の差はあれ経験する事柄かと思う。その際に残された時間で何を大切にしてどう振る舞うか、何を遺すか、生き方が問われると感じた。
Posted by ブクログ
確かにこの作品はSFだなと思う。
自分の思考力が下がり焦るくだりは私も経験があったので、彼の抵抗含めて共感した。
彼は性格とんがったけど、最後の関係各位へのメッセージは愛だったんじゃないかなと思った。
Posted by ブクログ
面白かった。
期待していたハッピーエンドとは違ったけど。
読み進めていくうちに、落ちていったIQをほどほどに留めておけたら、そこら辺にいる大学生のようにうわべの政治論争や学問の会話もできるし愛する人と同じレベルで過ごせのに…と思った。
そして、チャーリーゴードンが体験したことは、誰にも当てはまることだなと思った。
一度学んで、当たり前にできていたことが、認知症や歳をとりできなくなることで、いらいらしたり、当たったり
歳をとるってことはみんな平等に巡ってくるから、チャーリーゴードンの体験は、他人事ではないし、いつか少なからず自分も、文字が書けなくなったり、言葉がうまく発せなくなったりして、気を揉むんだろうなと思う。
Posted by ブクログ
うーんこれが。
ずっと読んでみたかった名作。
ついに読めた...!
主人公のチャーリイ・ゴードンはIQが極端に低い。
それゆえに、悪を知らず人を信じ幸せを感じる。
しかし、手術を経て知能が高くなったチャーリイはどうだろう。
愛を知り、欲を知り、世界を知り、過去を知ったチャーリイ。
知らない方が良かったことに溺れていく様は
むしろこの本でいう白痴そのものなのかもしれない、
私の中にある、本質よりもっと大切なものを
温めていきたいと思った
Posted by ブクログ
主人公チャーリが記録する経過報告を読んでいくお話。
さすが名作、最初の50ページくらいは読みづらかったけどチャーリが句読点を覚えたあたりで読みやすくなり、かつ話も面白くなってくる。
チャーリが手に入れたいっときだけの知識。
びっくりするほど誰も幸せにしない、チャーリ本人も周りの人間も。
ビークマン大学の連中は研究結果を手に入れたけれども、ニーマー教授以外は後悔していそう。
チャーリが働いていたパン屋の連中は今まで小馬鹿にしていたチャーリが急に賢くなるもんだから自尊心を傷つけられるし、ドナーも泣く泣くチャーリを追い出すことになるし。
チャーリの妹は、賢くなったチャーリが顔を見せたことで偽りの希望をみてしまって、今後よりボケた母の介護と職場の往復がつらくなるだろうし。
フェイもアリスも愛した男が狂い落ちぶれ行く姿を見守ることしかできないし。
チャーリ自身も彼が手に入れたのは結局偽りの知識だけで、友達も恋人も職もあたたかい心も何もかも失ってしまうし最後には知識すらも失ってしまうしさ、本当に何も救いようがない。
それでもチャーリの経験していく、年を取った発達障害者が人生楽しくなっていく感覚。
恵まれた環境で生きてきたのに精神疾患や事故で全てを失う人の感情。
それに寄り添う身内の気持ち。
このあたりの表現が繊細に書かれていて面白かった。
Posted by ブクログ
読み終わったばかりで思考の整理が追いついてないが、率直にめっちゃ切ない、、、。久しぶりに泣くかと思った。
本作の重要なポイントは、オリジナルのチャーリーと知能を獲得したチャーリーが統合されるのではなく、別人格として成立している。かつ2つの人格が2人の人間として存在していることだと思った。
知能獲得後もオリジナルのチャーリーが天才チャーリーに自分の存在をたびたびちらつかせる。これは勝手な解釈だが、自分の存在を明らかにさせようと家族に会わせたりするのもオリジナルではと思った。最終的に天才チャーリーもオリジナルのチャーリーがずっと心の奥にいることに気付き、同時に自分の存在を残そうと必死になっている。
しかしその努力虚しく、知能を失っていくチャーリーのフラストレーション、焦り、恐怖をひしひしと感じた。持つことがそのまま幸せにつながるのではないと思わされた。
そして、最後にチャーリーがなるべく周りに負担をかけない形で養護学校へと向かうのは何とも皮肉だと思った。結局社会から隔絶した場所でないと生きていけない現実を突きつけられたように感じたからだ。
キニアン先生もノーマも結局は、オリジナルのチャーリーを周りに置くことはできないし、それを一番痛感しているのがチャーリー自身であり、だからこそ去るしかない現実があると思う。
作者も言及していたが、持ち込みで断られた出版社の編集者からはチャーリーが知能を獲得してキニアン先生と結ばれるというハッピーエンドにストーリーを変更するよう指摘されたという。本作のエンドが現実を突きつける形で終わってよかった。
こうした現実の厳しさはあるが、やはり何よりも重要なのはエンパシー、共感力である。天才チャーリーのセリフにある通り、共感力のない知識は無意味だと思う。そして、何よりもこの共感力が人間を人間たらしめているのだと思う。
そういう意味でいえば、オリジナルのチャーリーは誰よりも人間らしいのかもしれない。しかし、そんな彼も養護学校に戻るしかない。この事実が何よりも切ないのである。
Posted by ブクログ
世間から評されてたように、涙が止まらない!!は正直なかった
知能の低いチャーリーが実験を経てどんどん賢くなり今までの自分自身の事や周りの人たちからの目線、知らなかった事実を賢くなって初めて理解して苦悩する姿が残酷で可哀想だった。知らない方が幸せな事って世の中たくさんあるのよね…と思った。
結局最後は虚しくも退行してゆき……
この実験が少しでも今後の知的障害者のためになるのであればチャーリーは報われるのかなと思った。
チャーリーがウォレンの学校で楽しく暮らせていると良いな
Posted by ブクログ
手術を受けたチャーリィはみんなを遥か通り越すまで賢くなったが、愛情を知らずに知能だけを得たチャーリィに待っているのは孤独だった。家族は崩壊し帰る所も無かった。もしみんなと同じくらいになれてたら、報われてたのかもしれない。だんだん知能を失っていくチャーリィを見ていると悲しくなった。
Posted by ブクログ
「学ぶということの奇妙さ。奥深く進めば進むほど、存在すら知らなかったものが見えてくる。ほんのしばらく前まで私はすべてを一世の中のあらゆる知識ーを学ぶことができると愚かにも考えていた。いまの私は、せめてその存在だけでも知ることができたらと思う、そしてそのほんのひとかけらでも理解できさえしたらと願うものである。」
「私は一個の物であるばかりでなく、ひとつの存在の仕方でもあるー数ある存在の姿のひとつー私がこれまでたどってきた道とこれからたどる道を知ること
によって、私がどういうものになるかわからせてくれるだろう。」
Posted by ブクログ
最後らへん、実際自分が迎える自分の死に際を読んでいるようだった。最初の100ページくらいを読み進めるのに気が進まず2ヶ月くらいかかったが、賢くなり始めると一気に200ページほど、翌日に最後まで読み切った。
幼児レベルの文章を読むのが辛かったのは、内容が薄いし読みづらさもあるからだけど、最後らへんの拙い文章は、最後何を感じ考えて過ごしているんだろうと興味を持ちながら、且つ死への焦燥も駆り立てられながら、自分の動悸を感じながら読んだ。
8ヶ月くらいの出来事?だけど、私たちもこれを引き延ばしただけで同じような人生を送るのだと、どこか虚しく心を削りとられていく気持ちになりながら読み進めた。
映像化されたものも観てみよ〜、えっちな部分の描写がどんなのかが気になるぜ〜
Posted by ブクログ
凄まじい本だった。内容と、書き切った作者の腕もさることながら、これを翻訳することの果てしなさに震えながら読んだ。
翻訳者を目指す人がいたら必ず読まないといけないとおもう。
Posted by ブクログ
知性を知るほど人間としての葛藤や汚さ、傲慢さが出てくるのがリアルである。子供の頃ってみんないい子なのに、大人になるとどうしてこうも憎しみ合うのかという点と同じ。完璧を求める母親へのトラウマと女性に対するトラウマ、公園での売春婦のシーンは印象的だった。最後のアリスとのシーンは流石に切ない。
Posted by ブクログ
物語としてよかった。彼の心理状態が変わるにつれて見える世界も変わり、たくさんのことに気づいていく。自分の未来をアルジャーノンを通して察せられ、再び変わっていく様を認知し続けてしまう惨さ。それでも最後にタイトルとなっている願いを残すのは、すべてを失ってしまわない希望も感じられた。記憶に残る本だった。
宇多田ヒカルとのインタビューもよかった。インテリジェンスには愛が不可欠だということ、1999年当時学生だった宇多田ヒカルの公と私の扱いと姿勢、作品を生み出したあとの心境など、ここでしか読めないものがあった。
Posted by ブクログ
15年前くらいにドラマで見たのを覚えていたので、書籍でも読みたいと思ったのがきっかけ
最後の1ページで泣けた
賢くなったチャーリーがかなり利己的、衝動的で幼い印象だった。元の人に好かれたいという素直な性格や”友達”がいるチャーリーから、猜疑心が強くなり孤独、周りとの衝突が増えるなど対比が切ない。このままIQが元のように下がり、養護学校に入ってチャーリーが過去の自分とのギャップに苦しんだり知識を忘れていく姿を想像してさらに泣ける。
与えられた中でベストなパフォーマンスをすることが運命なのかも、今回は知能と心がメインでフォーカスされていたけど、持ちうる能力才能外見…すべて、どれか一つを無理に突飛させてもそれは自分ではないかもしれない
Posted by ブクログ
アルジャーノンに花束をを読み終えて、強く残ったのは、これは知能の上昇や下降を描いた物語ではなく、人が世界とどう関係を結び、どう壊していくかを描いた物語だという感覚だった。賢くなることも、賢さを失うことも、主題ではない。変わっていくのは、世界の輪郭と、人との距離だ。その変化が、逃げ場のない形で積み重ねられていく。
物語の前半、チャーリーの言葉は拙く、文も不安定だ。けれど、そこには疑いのない視線がある。人を信じ、言葉を信じ、世界をそのまま受け取っている目線だ。胸が苦しくなるのは、彼が「足りない」からではない。むしろ、信じすぎているからだ。傷つけられていることにさえ気づかないほど、世界を善意で見ている。
やがて手術によって知能が上がり、文章は洗練され、思考は鋭くなる。その瞬間から、物語の温度は確実に変わる。理解できることが増えるほど、理解できなかった過去が浮かび上がる。親切だと思っていた言葉が嘲笑だったと知る瞬間。仲間だと信じていた関係が、利用だったと気づく瞬間。
知能の上昇は祝福ではない。それは、世界の残酷さを正確に読み取れるようになることに過ぎない。
ここで突きつけられるのは、賢さが人を幸せにするわけではない、という事実だ。むしろ賢くなるほど、人は孤独になる。相手の感情を読みすぎ、言葉の裏を疑い、自分の立ち位置を過剰に意識する。かつて無意識に成立していた関係は、分析の対象になった瞬間から壊れ始める。
後半、チャーリーが辿る道は容赦がない。失われていく知能、崩れていく論理、戻らない時間。だがこの物語は、単なる悲劇では終わらない。ここで浮かび上がるのは、「人の価値はどこにあるのか」という、極めて根源的な問いだ。
賢さとは何か。理解されるとはどういうことか。人として尊重されるとは、何によって決まるのか。
知能が高いときのチャーリーは、確かに優秀だ。だが、必ずしも幸せではない。知能を失ったあとのチャーリーは、確かに不完全だ。だが、そこには確かな人間性が残っている。この対比は、読む側の価値観を静かに、しかし確実に揺さぶる。
そして最後に残るのは、説明でも救済でもない。ただ、祈りに近い感情だけが残る。忘れないでほしい、覚えていてほしいという願い。それは知能とも能力とも関係のない、きわめて人間的な欲求だ。
この作品が忘れがたいのは、読み終えたあとに「自分はどちらの側に立ってきたのか」を考えさせられるからだ。理解する側か、理解されない側か。賢さを誇る側か、優しさに救われる側か。あるいは、その両方を無自覚に行き来してきた存在なのか。
『アルジャーノンに花束を』は、泣くための本ではない。感動するための物語でもない。自分がどんな眼差しで他人を見てきたのか、どんな言葉で世界を切り分けてきたのかを、あとから静かに問い返してくる本だ。
読み終えたあと、以前と同じように人を笑えなくなる。以前と同じように「賢さ」を手放しで称賛できなくなる。その不自由さこそが、この本が残す最大の痕跡だと思う。
これは、一度読めば終わる本ではない。時間が経つほど、年齢を重ねるほど、立場が変わるほど、読み返すたびに違う痛みを連れてくる。そしてそのたびに、人としてどう生きるかを、否応なく考えさせられる。
静かで、残酷で、そして限りなく人間的な一冊。忘れたい本ではない。忘れられなくなる本だ。
#2026年7冊目
Posted by ブクログ
久しぶりに読み直そうと思ったら本棚になくて、ちょうど本屋に平積みされてた文庫版を購入。
前に読んだとき(二、三十年前?)は「チャーリーは最終的に元に戻った」と大雑把にしか理解していなかった。
今回は、チャーリー本人も周囲の人々もみんな当初とは「違う場所」に着地しているのが分かって、色々切なかった。良い読後感でした。
Posted by ブクログ
知的障害を持つ主人公が、手術によりIQ が大幅に改善し、過去の自分を見つめ直す物語。また、一定期間後に急速に知能が低下し、過去出来ていたことが出来なくなるという、急速な老化も経験する。
・何かができるようになると、何かが出来なかった時の気持ちを忘れるというのは、人間にはある。
・と同時に出来てたことが出来なくなる恐怖は今後自分は経験することになるだろう。
Posted by ブクログ
諸行無常感というか、日本人が好きな話だと思う。障害者を相手に仕事をしているとチャーリィの気持ちもよくわかる。
笑っていたらいいんだよ。笑っていたら。
Posted by ブクログ
「不朽の名作!」と言われる程の感動はしなかった。
読み終わった後の何とも言えない感情がもどかしい。あっけなく終わった印象。
家族との再会シーンが印象的。
父親はチャーリィをチャーリィだと認識できなかった。きっと父親にとって息子の知能などどうでもよくて、ただ息子を愛していたんだろうなと思う。
妹はずっと、兄の知能が上がることを望んでいた。だからこそ、再会した時に快く出迎えた。
母親は再会を喜び、そして昔のチャーリィを重ねてヒステリーを起こす。息子をそのままに愛してやりたい。でも、知能のある子だったらどんなによかっただろう。
科学者たちに、そしてアリスに。チャーリィは利用されたのか、それとも愛されたのか。最後まで、彼らの目にチャーリィは「人間」として写っていなかったように見えた。
チャーリィが論文を完成させる直前に立てた問い、「どうしてここまで孤独なのか」。
これに答えが出なかったことが、知能と人情のベクトルの差を表していて一番好きなポイントかもしれない。
アルジャーノンの死がさらっと書かれたのは、世間がアルジャーノンを実験対象としてしか見ていないからだろうなと思う。
Posted by ブクログ
日本で映像化されたドラマは2作とも拝聴していたので内容自体は新鮮味もなくある程度予測がついたが原作は一度読んでみたかったので読破できて良かった。
執筆当時の障害者は偏見と差別に塗れていて読んでいて苦しくなる部分があったが人間の悩みの根底には親子関係が根強く影響していることが分かった。
母親への愛情を得るために危険な手術まで受けて知能を得たいと願うチャーリーの直向きさには感動した。知能を得たことにより親しみや愛着というものが失われ孤独になっていく様が自分のように感じた。自分の不遇をないものにねだりするのではなくあるものを生かして生きていくしかない思える作品。