【感想・ネタバレ】アルジャーノンに花束を〔新装版〕のレビュー

あらすじ

世界中で愛されたベストセラーを新たな装いで!

幼児なみの知能しかない32歳のチャーリイはネズミのアルジャーノンと同じ手術を受け超天才に変貌する。全世界が涙した名作の新装版

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Posted by ブクログ

ドラマを何回か観たので内容は知っているのですが、実は原作を読んだことがなく…新装版が刊行されたタイミングでジャケ買いしちゃいました✧*。
値段を見ずレジに持って行ったので、お会計の時に二度見してしまった…!
文庫なのに約2000円でしたΣ(  Д )ﻌﻌﻌﻌ⊙ ⊙

幼児なみの知能しかない32歳のチャーリイはネズミのアルジャーノンと同じ手術を受け超天才に変貌するがー…。

ドラマと原作とでは内容も感じ方も全然違って驚いたし、やっぱり原作の方がチャーリイの変化をよりダイレクトに感じられた。

かなり極端に描かれているけれど、チャーリイが経験したことは私も見に覚えがあるし、きっと誰しも経験があることだと思う。
現実の私たちはチャーリイとは違って、もっとゆっくり段階的に起こるから気付きにくいだけで。
そのことがいいことばかりではなく、知ることが楽になることではない、というのがものすごくリアルだった。
知ることで傷つく側面もあるけれど、だからこそ自分で意味づけを選べる余地も生まれる。
自分が思い出してしまった辛かった過去をどう捉え直すのか、考えるきっかけになった。

そして彼の視点から見る登場人物たちの印象が、どんどん変わっていく。
優しさだと思っていたものが、実は同情や見下しだったり、厳しさの裏に、不器用な愛情が見えたり…。
人はやっぱり一面的には捉えられないし、見る側の理解度や立場で見え方が変わるんだということを改めて感じた。

人間性の一部は知性によって拡張されるけれど、知性が上がったからといって人間性が必ずしもよくなるわけではない。
むしろ人間性は完全には後付けできないものである、ということが印象的だった。

またチャーリイの母の姿も心に残った。
子どもを思う気持ちがあっても、一歩間違えれば子どもを深く傷つけてしまうということが、私自身が子どもとして経験したことでもあるし、親として考えるとやっぱり怖い。
彼女の「普通であってほしい」という願いにはめちゃくちゃ共感した。
もちろん世間体を気にしてのことではなく、子どもが生きやすいようにという願いから普通を求めてしまうんですけどね。
彼女の気持ちの根底にもこういう思いがあったのではないかな。

賢さだけを追い求めるのも偏りであり、楽しさだけを優先するのもまた別の偏りになり得る。
人間にとって大切なのは、人と安心して関われる力と、自分で考えて選べる力、その両方がちょうどよくあることなのではないか。
だからこそ、子どもには何かを一方的に教えるのではなく、安心して人と関わり、自分で選ぶことができるような環境を整えることが大切なのではないかと思った。

読み始めは「絶対泣くんだろうな…」と思っていたけれど、意外にも泣かなかった(!'o'!)
読後、この物語を静かに受け止めた。
やっぱり結末を知っていたというのが、大きかったのかも…。
それでも失われたかのように思われたものが実は残っていて、あの経験があったからこその…というラストはとてもよかった。
私は一つの救いだったんだ、と捉えました。

✎︎____________

言語がときとして心を通わせる道ではなく障壁であること(p.178)

ぼくは人間だ、一人の人間なんだ──両親も記憶も過去もあるんだ──おまえがこのぼくをあの手術室に運んでいく前だって、ぼくは存在していたんだ!(p.240)

人間の心の中にあるものは決して消えてはしまわないのだ。(p.287)

金や物を与える人間は大勢いますが、時間と愛情を与える人間は数少ないのです。(p.333)

いったい何人の人間が、大の男を腕に抱えてあの哺乳壜でミルクを飲ませる覚悟をもっているでしょうか?そして患者に尿や大便をひっかけられても平気でいられるでしょうか?驚きましたか。あなたには理解できないでしょうな、象牙の塔から見おろしていたんじゃあ。うちの患者のように、人間としてのあらゆる体験から締めだされるのがどういうことかおわかりですか?(p.333)

知能だけではなんの意味もないことをぼくは学んだ。あんたがたの大学では、知能や教育や知識が、偉大な偶像になっている。でもぼくは知ったんです、あんたがたが見逃しているものを。人間的な愛情の裏打ちのない知能や教育なんてなんの値打ちもないってことをです(p.359)

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2026年04月18日

Posted by ブクログ

チャーリーの知能が上がっていくにつれて周りの人との関わりの変化やずれが生じていくのが感じられ、知能は人を孤独にさせるものでもあるのだと実感した。また、経過観察という名目で語られるため、字の誤りやひらがなだった文章が知能が上がるにつれて目に見えてわかるように変わっていくのが特徴的だった。

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2026年04月07日

Posted by ブクログ

こんなにも胸を打たれた小説があっただろうか。
孤独と愛の描き方が秀逸。
人工的に知能を与えられ、世界を知っていくチャーリイ。その世界は彼がこれまで思い描いていたものとは全く違っていた。それ故の苦悩。
さらには、高度な知能は一時的なもので徐々に廃れていくことをアルジャーノンから悟る。身につけた能力をどんどん失っていく。
誰にも共感して貰えないという孤独感に苛まれる。
もうずっと苦しい。アリスやストラウスなど寄り添ってくれる人がいる。けれどもそれを拒絶してしまう。貴方には私の苦悩は分からない、と。
こんな経験をつい最近したからか、非常に共感して苦しくなった。人それぞれ違う人生を歩んでいる。だから共感なんてものは所詮表面的に過ぎないのだが、それでも人に寄り添い続ける心がなんと尊いものか。
チャーリィには作中で様々な苦難が待ち受けるが、最終的に周囲に対する無償の愛を忘れなかった。アリスもストラウスもニーマーもアルジャーノンも、きっとチャーリィに救われただろう。
最後の一文が、この小説をこの小説たらしめており、涙が止まらなくなった。

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2026年04月05日

Posted by ブクログ

 有名作品だが初めて読んだ。
 知的障害者への偏見、科学と人権、知能偏重、愛着不全、心理療法……いろんなふうに読める。

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2026年04月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アルジャーノン。このネズミから自分の人生の結末を悟ってしまうのは、あまりにも辛く、どうしようもないことなのだと思う。頭が良くなったチャーリィとそうではないチャーリィ、この2人は本当に同じ人なのか疑うくらいの変わりようだが、一概にどちらが良いとは言えない。知らぬが仏、この言葉が頭に浮かんだが、これも違うように感じる。自分のことは自分が1番知っているの代表例。また、チャーリィを取り巻く登場人物の変化がとても面白かった。パン屋の人たちはなぜあそこまで優しくしてくれたのだろう。これも同情からなのだろうか。
ついしん、アルジャーノンに花束を

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2026年04月14日

Posted by ブクログ

大好きだった!本当に高校生のうちに読めてよかった。知的障害のあるチャーリーが、ある実験をきっかけにどんどん頭が良くなっていく物語で、最初はひらがなばかりで文法も不安定だから正直かなり読みづらかった。途中で挫折する人が多いのもわかるけれど、半分くらいまで進むと一気に読みやすくなり、内容の深さにも圧倒されて大感動だった。
本を読むことの大切さ、人間関係、学ぶ意欲など、人生における大事なことをたくさん考えさせられた気がする。原作の英語版もぜひ読んでみたい!

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2026年04月04日

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