あらすじ
「文法」が日本語を迫害している。「主語がよく省略される」から「非論理的」まで、100年にわたり「日本語」に貼られてきたレッテルを一刀両断する! 「愛らしい」「赤ん坊だ」「泣いた」――日本語の基本文はこの3種で必要十分である。英文法の安易な移植により生まれた日本語文法の「主語」信仰を完璧に論破する、すべての日本語話者、必携の書。(講談社選書メチエ)※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。
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Posted by ブクログ
日本語の主語述語という概念が、欧米語をむりやり日本語に持ってきたという説明である。他動詞、自動詞というのも同様である。これで日本語の文法体系が抜本的に変わるかどうかはわからないが、少なくとも英語の文法に準拠して日本語を無理やり適用して文法にするという考えは少なくなっていくであろう。
Posted by ブクログ
昔、学校で国語の文法問題を解くのに日本語を英訳して答えを書いていたのを思い出した。こうすると、よくわからないものが簡単に解けるので、やはり日本語には文法と言うものはなく、英語の力を借りないとだめなのかと考えていた(ような気がする)。
さて、ひょんなことから知ることになった、国語文法:学校で習う国語の文法がとんでもないという金谷氏の主張の興味深さから、この本を手にとってみた。
まず、冒頭の『日本語に人称代名詞という品詞はいらない』に驚き、(かれ、それという言葉があるのに何で?)読み進むうちにその明快にして、深い切り口に納得。その後の『日本語に主語という概念はいらない』から本題に入っていく。 主語はいらないと言ったって、現に○○は××したと いう文があるではないか。○○が主語でないのか?と疑問に思いながら読んでいくと、次第に驚きの事実が判明していく。
結論を言ってしまうと、日本語に主語が無いのではなく、英語文法でいう主語という概念に相当するものが日本語には無いということであった(必然的に「日本語では主語が省略されることが多い」ではなく、省略しようにももともと主語が無い)。なぜ、日本語に主語の概念が無いのかについて、わかりやすく説明したのが5章の『日本語の自動詞/他動詞をめぐる誤解』である。ここから先は実際に読んでみてください。まさに、目からうろこです。なぜ英訳すると日本語の文法がよくわかったのかというと、学校で習っていた国語文法が英語の文法を元に作られていたからだった(当たり前でした。英語と国語の授業で二重に同じ文法を習っていたんだ)。
Posted by ブクログ
人称代名詞はいらない。名詞と構文的な振る舞いが同じ。日本語の人称代名詞は修飾が可能。これは名詞と同じ。英語の場合はIを修飾することはない。
英語を世界の言葉の標準としてはならない。
欧米の言葉は名詞を代名詞で置換すると、語順が代わる。
日本語は主語を省略しているのではなく、大事なのが述語だから。述語だけで文章になる。
単語で答えると文になっていないと感じるが、です、をつけると文になっている。いくつですか?に10才、なら単語だが、10才です、は文章。日本語は述語があれば文章となる。
伊丹十三の翻訳の実験。「パパ・ユーアークレイジー」の後書きで、人称代名詞を省略しないというルールを設定した。しかし訳のわからない文章になった。
「僕の父は僕の母に、彼女が僕と僕の父を彼女の車で送ることを断った」→「ママは車で送ってくれると言ったが、パパは断った」
日本語には主語の概念は不要。述語だけで基本文になる。