【感想・ネタバレ】少女七竈と七人の可愛そうな大人のレビュー

あらすじ

「たいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった」川村七竈は、群がる男達を軽蔑し、鉄道模型と幼馴染みの雪風だけを友として孤高の青春を送っていた。だが、可愛そうな大人たちは彼女を放っておいてくれない。実父を名乗る東堂、芸能マネージャーの梅木、そして出奔を繰り返す母の優奈――誰もが七竈に、抱えきれない何かを置いてゆく。そんな中、雪風と七竈の間柄にも変化が――。雪の街旭川を舞台に繰り広げられる、痛切でやさしい愛の物語。

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「たいへん遺憾ながら、淫乱な母から美しく生まれてしまった」少女、川村七竈(ななかまど)。
出奔を繰り返す母親、実父を語る男性、幼馴染みの少年、元タレントの芸能マネージャーが、少女の繊細な心を揺らす。
登場人物の芝居がかった台詞も印象的。
美しい少女と少年に憧れる、平凡な後輩が言う台詞。「憧れなんて、勝手にするものよ。ほうっておいて」
少女は、女性にとって大事なものを自分から失うことで、前に進もうとする。
環境に負けることなく前向きに進む姿に勇気をもらえる作品です。

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ネタバレ

この頃の桜庭一樹の美しい文体、単行本のときの美しい装丁
自分が読んでいた時の年齢と環境
今も大切に本棚にある。

内容云々ではなく私が「美しい文体」が好きだと認識した作品。

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2025年02月15日

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ネタバレ

切ない。互いに惹かれ合う七竈と雪風が、血のつながった姉弟であるかもしれないという設定が秀逸。しかも母の昔の男遊びのせいで。
ラスト、進学を機に離れ離れになる終わり方は哀しかった。

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2024年05月18日

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ネタバレ

機関銃みたいにカメラのシャッターを切る雪風に、心臓がぎゅってした 赤と白の描写が綺麗だったな〜冬に読みたくなる!

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2023年06月08日

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ネタバレ

世界観がかなり独特。
読み始めた時はあまり没入できずにいたのですが、結婚式の場面でカメラを機関銃に例えるところの表現が美しくて惹き込まれました。
桜庭さんの小説はこれが初めてでしたが、他にも読んでみたくなりました。

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2025年06月23日

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ネタバレ

辻斬りのように
川村優奈
二十五歳。旭川に住んでいる。地元の進学校を出て地元の国立大学に入り、いちどだけ生真面目な恋愛をして別れ、父の口利きで地元の小学校教師となった。容姿はとても平凡。妊娠して小学校教諭の職を辞した。七竈の母親。

優奈の父
七竈の祖父。旭川市役所に勤めている。

川村七竈
優奈の娘。

優奈の母
専業主婦。病で亡くなる。

田中
優奈の同僚の小学校教師。優奈より一つか二つ年上で、同僚の女性教師と結婚した。

田中の妻
同僚だった田中と結婚し、別の小学校へ赴任した。

金原
優奈の大学の同級生で、当時あつきあいしていた人の友人であり、その人が別れた後もずっと、つかず離れずの友人関係にあった。商工会議所勤務。優奈と関係をもった一人目の男。

二人目の男
同じくらいの年。やけに無口で、必要最小限の単語以外の言葉を、事が終わるまでついぞ、言わなかった。

三人目の男
少女の如き若い男で、瞳をきらめかせて自分の夢や、理想の女や、生い立ちについて語った。

四人目の男。
とても美しい男。その町でも有名な女たらしの、しかし同じぐらい美しい女にしか手に入らないの最上級の相手で。

五人目の男

六人目の男

七人目の男
うそつき。おもしろくなるぐらいたくさんのうそをつきながら、ゆっくりと優奈と寝た。


一話 遺憾ながら
川村七竈
十七歳。たいへん美しい。鉄道模型と親友の雪風だけが友達。北海道立旭川第二高校。

桂雪風
七竈の幼なじみで唯一の親友。母親がいんらんだと娘は美しくなる、という仮説を立てた。鉄道好き。美少年。同じく鉄道好き。公団住宅に住む。

七竈の祖父

緒方みすず
オカッパ頭に、点をふたつおいたようなちいさな瞳。七竈の一学年下の生徒。雪風のことが好き。雪風と付き合っているのかと、七竈に下らない質問をした。

小学校の時の担任

桂多岐
雪風の母親。

雪風の父親
ばか一世。


二話 犬です
ビショップ
元旭川警察署の警察犬。引退後は川村家に引き取られた。七竈を「むくむく」と呼ぶ。

東堂
七竈の実父を名乗る男。優奈の7人目の相手。失明している。

三話 朝は戦場
桂多岐
雪風の母。七歳から十七歳までの六人の子供がいる。旧姓田中。旭川の駅前の大型チェーンの書店で働いている。

ばかな夫
てこでも働かない。

桂夢実
七歳で長女。
既に美しさを醸し始めており、七竈と姉妹と見紛うほど似ている。

友人Y
毎週火曜日に電話をくれる。川村優奈。

緒方みすず


四話 冬は白く
川村七竈

祖父

雪風

緒方みすず

梅木美子
七竈をスカウトに来た。九州から北上しながら美少女探しをしてきた。かつてアイドル・乃木坂れなとして人気を博した。

夢実

田中
小学校で七竈の担任。多岐の兄。


七竈のはとこ。田中南と結婚する。

田中南
風雪のいとこ。


五話 機関銃のように黒々と
桂雪風

七竈

川村慶

田中南

田中


六話 死んでもゆるせない
ビショップ

トラックにはねられた女
夫が入院する病院に行く途中、トラックにはねられた。その後、夫は死亡。

祖父

七竈

夢実

緒方

優奈


五月雨のような
川村優奈

田中


七話 やたら魑魅魍魎
川村七竈

優奈

田中
亡くなった。

多岐

雪風

緒方


ゴージャス
乃木坂れな








七人の大人

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2024年11月11日

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ネタバレ

美しく生まれた七竃と雪風の話。
最後の七竃と雪風の名前を呼び合うシーンが切なくて綺麗だった。
忘れた頃に読み返したい

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2024年11月01日

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ネタバレ

語り手がどんどん変わっていく形式。
自分が美しいがゆえに物心がついた時から
周囲の人から視線を集めている。
高校生ながら、自分を見て消費するな
って台詞がでるのはずーっと見られてきた
からこそでる台詞なのかなと思った。
高校生で考える言葉ではないよなあ。

唯一、心を開いている雪風も、
成長するにつれて自分と顔が似ている…
つまり、血がつながっているということ。
自分の母親と雪風の父親と何があったのか
想像するのは簡単ということになる。

そんな雪風のことを好きだったのか
そういう直接的なことは書かれていなかったけど
お互い見つめあって、名前を呼び合っていたのを
見て、そういう気持ちがあったのかなあとも
思わずにはいられなかった。
そんな人と血が繋がっていると分かれば…

自分の母が、自分の住む地域の人と
誰かのお父さんやおじさんだったりする人と
寝ていたと分かったらどうするだろう。

七竈も雪風も後半になるにつれて
お互い、どんな気持ちで会っていたのだろう。
それでも母のことを少しでも
母親と呼びたくて、母親らしいことをしてほしいと
思う七竈がかわいそうで仕方なかった。

七人の可愛そうな大人というタイトルだけど
私は、てっきり優奈と寝た
男たちのことかと思ったけれど、
多分、優奈、多岐、梅木、田中先生、
田中先生の妻、多岐の夫、祖父
になるんじゃないかなあと思った。

でも被害にあたのは優奈意外だけど
優奈も優奈で心が枯れていたんだよなあ。

すこし大人びたような不思議な口調の
七竈は一人で生きていくがゆえに
そういう口調になってしまったのかな。

誰の視点をとっても
救われた人がいないようなお話だったきがする。

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2023年10月25日

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旅のお共として。少女シリーズ3作目。狭い旭川の地で、美しい七竈と雪風、その周りの大人とビショップの話。急に変わっていく高校の時期。田舎から上京する人間とずっと東京で過ごしている人間とは何か違っているような気がする。何か少女感が強くて、読むのがしんどかった。若い頃に読んでたらまた違った感じ方をしたんだろうなぁ。かんばせ、が度々出てくるけど、意味分からなくて調べたよ。メジャーな言葉なのか?やっぱ美人に生まれなくて良かったと思う。

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2023年10月04日

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ネタバレ

旭川に住む25歳教師は思う。いんらんになろうと。そして子供を授かった。七竈と名付けた。七竈は祖父のもと、すくすく美しく育つ。なぜならば、相手の男は美しいかんばせだったから。
ファンタジー。親の業。北海道(寒い地域)の閉鎖性。みんな知り合い。
作者、北海道出身の方なのかな。寒さゆえ、寒さが身に染みる、そんなファンタジー書くね。
七竈、雪風。美しいかんばせで幸せになってね。

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2023年09月05日

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ネタバレ

去年砂糖菓子を読んだ時に他のもの読みたくなって買った中の1冊。相変わらず表現や言葉の使い方が独特で。七竈と雪風を取り巻く環境が一つ一つわかってくると途端に切ないお話だった。とはいえわたしは冒頭と中盤の優奈の話が好きでしたね。
最初七竈は母に対してドライなのかと思いきや、ちゃあんと母に甘えたい子どもだった事がわかって、切なくて安心した。

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2023年02月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

桜庭一樹らしい儚さと暖かさがあった。

キャラクターの不明瞭さを引き立たせる文章の書き方が、よく機能していて結構好きだった。

七竈と雪風の関係性や、後輩みすずの掛け合いなどとても良かった。
言葉の使い方など、どちらかと言えば古風な竹を割ったような性格からか平成っぽさはあまり感じられなかったが、アイドルや恋愛に絡めた女の呪いなどはとても面白いモチーフだなと思った。

自分はゴージャスの章が1番好き。

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2021年11月14日

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