【感想・ネタバレ】SF小説がリアルになる 量子の新時代のレビュー

あらすじ

量子暗号、量子コンピューター、量子テレポーテーション、多世界……。SF小説が現実になり、私たちの生活を一変させる可能性を秘めた「量子」。物理の深遠と最先端を、文学や映画のイメージを借りて軽やかに解説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・江崎玲於奈 エザキ・ダイオード「トンネル効果」
扱っている相手が電流という無数の電子の群れだった.「電子の雲」というあいまいな表現も電子がたくさん存在すれば,密度の濃淡というイメージを思い描くことで納得がいく.
電子を一個ずつ扱うときにこそ,腑に落ちない不可思議さが姿を現す.

・ムーアの法則 トランジスタの集積密度は、18〜24か月ごとに倍になる、という経験則.
素子の配線を「より細く,より高密に」する微細加工技術のおかげ.配線をあまり細くし続けると量子力学の効果が現れる.

・量子非破壊測定は不確定性原理をを利用した技術.
片方(光子数)はものすごく正確に測るけれども,もう片方(位相)はまったく測らない

・重ね合わせ
なだらかなカーブを描く波のときは,いろいろな場所にある状態が重なっている.
原子や電子を観測した瞬間「波束の収縮」が起きて波が一箇所にピンと立つ.確率が1に決まる.振幅の大きさがその場所にいる確率を反映.

・量子計算の得意分野
量子計算の威力は「周期を求める」というときに発揮される.巨大な数の素因数分解では数列の中から周期を探り出す計算を行う.
量子計算は最後にコンピュータの中の量子ビットの「観測」で答えを出す.このときに確率が混入し場合によっては正解でない地点に波動関数が収束する.

・コペンハーゲン解釈 「人が見ている場合」と「人が見ていない場合」の二本立てで考えないといけない.「量子力学と古典力学が混在」
・多世界解釈 観測者も含めたすべてが量子力学で表現.ex.「私」がさいころを振って「1」を出した世界から「6」を出した世界までがすべて同時に存在.
・ボーム解釈 すべてを古典力学で考える.「コペンハーゲン解釈でにおける確率的なものの見方の裏には,一見確率的に見える結果をきちんと説明付ける隠れた変数が存在する」
・「隠れた変数」には2つある.相対論を満たす物とそうでないもの.ボームは後者.前者はアスペの実験で否定されている.
・「量子ポテンシャル」を考える.これが相対論を満たさない隠れた変数の役目を果たす.もし存在すれば光速を超える速さの通信ができることになる.

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2011年05月14日

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