あらすじ
幻想を愛し、奇行で知られたシュールレアリスムの巨人―サルバドール・ダリ。宝飾デザインも手掛けたこの天才の心酔者で知られる宝石チェーン社長が神戸の別邸で殺された。現代の繭とも言うべきフロートカプセルの中で発見されたその死体は、彼のトレードマークであったダリ髭がない。そして他にも多くの不可解な点が……!? 事件解決に立ち上がった推理作家・有栖川有栖と犯罪社会学者・火村英生が難解なメッセージに挑む! ミステリー界の旗手が綴る究極のパズラー。
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Posted by ブクログ
社長の死に関係ないところで個々が抱えた秘密が積み重なって謎が複雑になってるところが、謎解きの難易度上げてて面白いなーと思った
以下、自分を推理間違い反省会。
フロートカプセルに死体を入れたのは、氷かお湯で死亡推定時刻を誤魔化すため?→そんなメフィスト賞じみたことではなかった
ヒゲを剃った理由、実は社長以外の誰かに見せかけるためでは?→半分正解だったのが惜しい
Posted by ブクログ
純粋に面白かった。
登場人物すべてに何が秘密にしたいことがあって、それがその人にとっての繭だったってことね。
人として全ての者が持っているであろう繭に、どこか危うさと歪さと安心感みたいなものを感じた。
火村とアリスが本当にくだけた友人である描写がリアルでリアルじゃなくて、オタク心をくすぐられる。
依存してるのかといわれると、どっちともとれない関係がよい。
Posted by ブクログ
鳥羽が出てくると聞いて、鳥羽旅行前に読みました。火村達が歩いた観光地の聖地巡礼が楽しかったです。ただ、話としてはとても物悲しくて、登場人物のその後が気になります。
Posted by ブクログ
1993年。火村さん。
大阪の宝石会社のワンマン社長が六甲山の別荘で殺された。フロートカプセルなる何かの入った水に浮かんでリラックスする高い機械があるのだが、その中で発見された。ダリ好きの社長はダリ髭をはやしていたが、なぜか剃られていた。死んでからカプセル内に移されたのは何故?いろんな物事がちぐはく。一本ずつ解きほぐしていくと、あーなるほどねー、となる。しかーし。そんな理由で殺すのかぁ、とはちょっと思う~。
Posted by ブクログ
タイトルで面白そうとは思わなかったけど読んでみたら面白くてビックリ。
ただ実際に出来るのかちょっと疑問な所はあった。
そしてカナリアが心配になってしまう。
人が皆繭を持ってるなら、私にとっての繭は何だろうと考える。
Posted by ブクログ
何度読んでも悲しくなる。 その動機も、結末も、明かされる弟たちも恋人も、明かす火村もアリスも、何だか全てが悲しい。 ダリに魅せられ、でもダリにはなれなかった被害者。 繭のカプセルがどうしても怖い。 殺人が起きて、解決までの道のりに大小謎が多すぎるのも、色んな人が疑われて、関係ない秘密も暴露される。事件て色んな人を傷つける。解決して謎という面ではスッキリするのに、悲しさのせいでもやもやしたまま。 でも、きっとまた読むと思う。
Posted by ブクログ
火村&有栖シリーズ第2作(角川文庫1作目)。今回は状況からこの人が犯人だった人以外以内という結論を早めに出すことができた。そこから、動機や方法をある程度推測することができた。孤独な社長は可哀そうにも見えたが、計画を立てるのは完全な悪だし同情はできないし自業自得。また、犯人に関しては追い打ちをかけてしまったのはダメだが、仕方ない部分もあるとは思う。人間の感情の動きなどを読むのはとても楽しかった。
Posted by ブクログ
火村英生シリーズ第二弾
人間の嫉妬心は怖い。
現実にも似たような感情で殺してしまう事があるけれど、この作品内では計画性を持ってと言うのがまた…
誰かを殺してでも一緒になりたい人がいると言うのは素敵な事の様に思うけれど、それを実際に実行してしまうのはもはや愛情云々と言うより狂気に思える。
しかも最後に分かった事実が事実なだけに、なんとも物悲しい気持ちになりますね。
錯乱した現場、混乱した被害者・加害者・第三者の立場。前作よりさらに、人の内面にウェイトをおいた謎解きが面白い。秀一のフロートカプセル、優子のライトハウス、相馬の女装癖etc. 例え共感されずとも、その人にとって特別な繭というのはある。守られた世界、あるいは子宮内の楽園。それが動機となっているのが悲しく、冒頭を読み返すと一層哀れだ。
それにしてもアリスが小説を書くのも、意外に重い理由があるんだなぁ。知らないだけで皆いろんなものを背負ってるもんなと暗くなりかけたところで、絶妙に新婚ごっこをやる二人。いいコンビ。
Posted by ブクログ
初めて読んだ火村シリーズは「乱烏の島」だった。こういう本格密室ものを書く人だと思っていたし、最近絵画を題材にしたタイトルが目につくので、気になっていた『ダリの繭』が文庫になったので楽しみに読んだ。
有栖川有栖さんはちょっと親しみを感じる大阪弁の人で、最近は上町台地の七坂を書いた「幻坂」がある(まだ積んでいるが)だからか火村助教授も相棒のアリスさんも親しみがある。
タイトルは、ダリに心酔している宝飾会社の社長が使っている、リフレッシュ装置のエポジウム溶液が入ったフロートカプセルを繭にたとえたもの。それは鉄の器にも繭にも見える。
その社長が、六甲にある六麓荘の別荘でカプセルの中で浮かんで死んだ。額に傷があり他殺だった。狭い容器には開閉口があり、使うときは蓋を引き上げて出入りするが狭い。
側の脱衣籠は空だった。その上奇怪なことに世間に知られているダリ髭がさっぱり剃り落とされていた。
創設者の父よりも経営手腕の優れた現社長がテナントを増やして会社を拡大してきた。ダリに心酔するあまり鼻の下にひげを蓄え両端は固めて跳ね上げて、それをトレードマークにしている有名人だった。別荘はダリの模写やレリーフで飾り、仕事を離れると付き合い下手で終末は別荘で一人静かに過ごすことが多かった。
社長が長男だったが、三人の兄弟は皆母親が違っていた。
次男は副社長で店を手伝い三男は広告会社にいた。
三男は姓が違っていたので、付き合いがあるアリスも宝飾店とのつながりを知らなかった。兄弟はそれぞれ仕事も順調で資産もあり、兄を殺す動機は薄かった。
独身の社長は秘書の鷲尾優子を愛していたがプロポーズの機会がなく、優子の方は仕事上の付き合いと割り切っていた。
しかし二人の関係は周りがやきもきして見守っていた。
だが勝手な勘繰り以上のことはよくわからず、事情聴取ということで優子の線を当たり始めたところ、彼女は社内の宝石デザイナーと婚約して間もなく結婚する予定だったことがわかる。
火村とアリスは科捜研の調べで殺人現場はリビングで、遺体をカプセルまで運び衣類は処分したことを知る。
しかし、それなら犯人はどうやって見とがめられずに来て帰っていったか疑問が残る。
なくなっていた二足の靴と凶器の人形が、道筋の河原に捨てられていた。
火村が見ると凶器になったできの悪い人形の眼に、歪なパールがはめ込んであった。社員旅行の折に土産物屋で買った者がいたそうだ。しかし彼は人形を自宅にそのまま飾ってあった。人形は二体あった。
回りの人たちはみな曰くがありそうだがアリバイがあり、遺産相続がらみというありふれた原因は兄弟ともになく、恋敵の仕業でもなく、といって決して自殺ではない。凶行時間に別荘に来ていた三男がカプセルに入っていたが、彼も入るのは二度目でタイマ―がいつもより長い50分にセットされていた。その間に凶行が行われたと思われる。彼は音を聞いていない。
多分血に染まっていただろう衣類は?
火村は終盤まで混乱していた。
一体だれがなぜどこでどうやったのか。
手がかりは血に染まった衣類か、それはどこにあるのか。
人形から出た指紋は?
読みやすいが謎は取っ組みにくい。
火村さんの手引きで終盤になって一気にケリが付いてしまったが。そこまでのこんがらがったストーリーは面白い。地理がよくわかるのもいい。
謎解きは楽しいし、火村助教授とアリス、二人の関係がほほえましいので次作も楽しみ。
Posted by ブクログ
「自分にとっての繭はなんだろう?」と読んだ。
作家アリスシリーズは面白い!
やっぱり本格ミステリはいいな〜
正当防衛とは思わなかった!
トリックも良かったです!
Posted by ブクログ
事態が一転、二転、三転して読みながら翻弄された
犯人を特定する手がかりが出てきても、すんなり事件解決に向かうのではなくて、さらに謎が深まるのも面白い
でも、それがちゃんと糸口になっているんだから凄い
「安らかに眠りなさい」の一文が好き