【感想・ネタバレ】占星術殺人事件 改訂完全版のレビュー

あらすじ

密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。彼の死後、六人の若い女性が行方不明となり肉体の一部を切り取られた姿で日本各地で発見される。事件から四十数年、未だ解かれていない猟奇殺人のトリックとは!? 名探偵・御手洗潔を生んだ衝撃のデビュー作、完全版! 二〇一一年十一月刊行の週刊文春臨時増刊「東西ミステリーベスト一〇〇」では、日本部門第三位選出。

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ネタバレせずに、まっさらな気持ちでお読みください!
ゴッドオブミステリー・島田荘司のデビュー作にして、御手洗潔シリーズ第1作目。
六人の処女の肉体部分を合わせて完璧な女、アゾートを創るという画家の遺書から始まる。画家の死後に日本各地で体の一部を切り取られた死体が発見される。事件から40年後、御手洗は猟奇殺人の謎に挑む!
冒頭の手記部分は正直読み辛いが、そこを乗り越えたらあとは一気読み必至!驚きのトリックはもちろんだが(読んで確認を)、些細な事柄から事件の核心に近づく御手洗の推理力、相棒の石岡君との掛け合いが絶妙で面白い!また、長編なのに飽きさせない展開に読む手が止まりません!
他の御手洗シリーズもあわせて読んで見てください。おすすめの読む順は「占星術」「斜め屋敷」「異邦の騎士」です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

光文社文庫で改めて再読すると、世にも不気味なアゾート殺人と占星術のギミックがこのトリックを伝説にしていると痛感する。あと、あろうことか真犯人を登場させるという大大大ヒントを真相解明前に出していることに気づいた。読んでいて「おいおいヒント出しすぎだろ…そんなあからさまだとバレるぞ!」と謎の老婆心がはたらいた。それでも初読時は1ミリも脳裏をよぎらなかったことが不思議。

冒頭の難解な手記で挫折することやトリックが有名になりすぎてしまったことなど、本作を勧める障壁は大きいが、やはりミステリーを読む人なら一度は目を通すべき不朽の名作であると断言したい

最近は特殊設定を好むのも、この世界の法則に従う限り、『占星術殺人事件』を超える奇想には未来永劫出逢えないだろうという諦観から来ている。いつか出会えるといいな。

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

個人差ありそうな作品だけど個人的には好き!そしておもしろかった!!

以下感想。

・冒頭約50ページは耐え。ひたすら耐え。

のっけから悪魔がどうだ処女がどうだ星座がどうだ不倫だなんだとうるせえ!!!
女を馬鹿にすんのも大概にしろ。
「殺戮に至る病」でもそうだったけどなんでこういう狂ったやつって、狂ってるくせに自分が勝てないマッチョの男には挑まず自分よりも力の弱い女性に加害すんの?自分が反撃受けてボコボコにされる相手は冷静に避けるんだよなぁ生存本能と言われればそれまでだけどさ〜。
そんで不倫しといて「この頃では妙多を懐かしく思う」「従順なだけが取り柄の、何の面白みもない女であったが」とか言い始めるけど女を自分の所有物か付属物かなんかだと思ってる???
マネキンに登紀江とか名前つけてご執心なのもエグいし、人形とはいえ初恋の女の名前をアレンジして娘に付けんなや。挙げ句の果てに娘はその人形の生まれ変わりだとか言い始めたのでもうお前は船降りろ。
自分の娘を初恋の女に重ねて「たまらなく愛情が湧いて来る。それが通常父が娘を思う感情以上のものである事を、告白しておかねばなるまい」ときましたか…。
そんで娘たちを半裸にきて題材にした挙句、「登紀子の身体はあまり豊かでない」だと……「その時私が、登紀江の顔が完璧な美しさを有する肉体の上に載っていたならと思った事は確かである」……創作上の人物なのに殺意すら湧いて来る。
娘たちバラバラにしたアゾート作るのは大日本帝国のためで、亡国の危機で、アゾートは救いであり、自分にとっては美で神でデーモンなのね、なるほど了解もう手遅れだから土にお帰り…。
「卑弥呼なき今、」て卑弥呼の何を知ってんじゃい。日本列島は「まさしく均衡のとれた美女の身体を思わせる」らしくてここでも白目。
なんか事あるごとに「まったく馬鹿げている」って言ってるけどお前の存在が一番馬鹿げてるぞ。

なんかフェミニストっぽいこといっぱい言っちゃったけど、多分時代が違うのにここまで大真面目にキレる方がどうかしてるから一旦冷静になろ?って我に返ったタイミングでようやく平吉手記編が終了。
まぁぶっちゃけ占星術を知らない民としてしんどい幕開けだったけど、最初に述べたように冒頭約50ページは耐えだから。こっからようやく謎解き編スタートだから。これから読む人はなんとか頑張って欲しい気持ち!

そうしてようやく石岡編がスタートしたと思ったら、平吉がまず殺されたって話で仰天。え???
そこから始まる謎解き編は一気に読み進めて、気になりすぎるからもうページを捲る手が止まらない!
地理的な緯度やら経度やらのあたりは読むというより文字だけ見る感じだったけど…!!
これがまた図解やらの補足もあって、いろいろ複雑な割に読者に優しかったし、基本会話劇だからすごく読みやすくて助かったし読むスピードも全然落ちない。

飯田婦人が出てきてからがまたガラッと様子が変わってビックリ。竹越の手記から新事実が発覚するも真相は未だ謎のまま。どうなる、、、???とやはりページを捲る手が止まらない。

御手洗は変わり者だけど優秀だなぁというのはそこまで読んでても十分わかっていたけど
「女というとすぐ極端に控え目で、貞淑な人形でなきゃ駄目だと思い込んでる男たちより失礼かね?」発言で株爆上がり。それな!!からのいい女なんて「千人に一人発言」は辛辣だけど良くも悪くも幻想を抱きすぎずで好感持てる!なんかこのコメントは上から目線で偉そうだな…ごめんなさい。

そっから京都編に移るけどもうトリックも犯人も気になって仕方ないからあっという間に読み進めてしまった!!!

御手洗と石岡のコンビ感がいいよな〜。ホームズ感ある。

そんで金田一未履修だからトリック初見で大仰天。いやー大胆。
トリックも犯人もまったくわからなかったからしっかり騙されることができてすごく面白かった!
動機は、時子が犯人ならまぁはそうだよなって感じで、遺書自体は読者への補足みたいな感じだったから、その辺のラストが物足りない人もいるみたい。

あとこれは部外者の結果論&綺麗事だけど
自分を唯一大切にしてくれる母に、辛い思いばかりしてきた母に、報われてほしかった時子の気持ちは痛いほどわかるけど、それならやっぱり殺人犯して姿くらますよりそばに居てあげるべきだったんだと思う。
贅沢や豪遊ができなくても、大切な娘がそばにいる細やかな幸せのほうが、たったひとりの娘を惨殺されたと思いひとり絶望の中寂しく老いてくよりよほどマシに思えてしまったよ。
めちゃくちゃ結果論だし無責任な発言なのはわかってるけど。
まぁ母のことがなくとも時子は家でひどい扱いをうけて苦しんでいたから恨むのも当然なんだけどね。でも結果的に人を殺してでも、自分を差し置いてでも幸せになって欲しかった母を、誰よりも地獄に突き落としたのもまた時子なのがしんどいよなぁ、、、。
お金もらえればお店開いて夢叶ってハッピーとは中々ならんよね、実際懸賞金にお金注ぎ込んだくらいだし。裕福でなくても愛する娘がそばにいてくれる方が…いやーでもこれはやっぱ結果ありきの綺麗事かなぁ?彼女たちのことを代弁するようなこと言うのもお門違いな気がするからこれ以上はやめとこ。幸せも不幸も正義も人の数だけあるもんな。

御手洗シリーズ初なのでほかも読んでみたいな思った!

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2025年08月09日

ネタバレ 購入済み

面白かった

あっと驚くトリックでそのまま爽快に終わる、のではなくあれだけの事を成し遂げながら何ひとつ思い道理とならず悲しみの中を孤独に生きてきた犯人への憐憫が尾を引き、すっかりそちらに引き込まれてしまった

平吉の手記が偽物、までは予想してたんだけどトリックは全然わからなかった。面白かったです。

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2020年07月28日

ネタバレ 購入済み

先に読みたかった

30代の私は、金田一少年で本トリックを知ってしまっていました。それでもとても面白かった。

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2020年06月22日

ネタバレ 購入済み

本格ミステリーの傑作

島田荘司の代表作として最も名の知られた作品。自分の中のミステリーブームの内に触れることに相成りました(^ ^)40年前に起きた不可能としか考えられない猟奇的連続殺人。友人の石岡から事件のあらましを説明された御手洗がこの謎に挑戦します。徐々に示される事件の内容は複雑に絡み合い、難解としか言えません。果たしてこの事件の真相はなんなのか?








以外ネタバレ
この小説はあまりに有名です。事件の大元のトリックには間接的に金田一少年の事件簿で触れていました。読み始めて、アゾート事件の死体切断の顛末からあれ?と感じ、このトリックにいち早く気づいてしまったのは痛恨ではあります。元々こちらが先なのですが、一種の驚きを新鮮な気持ちで感じれなかったことは心残りではあります。しかし、内容そのものには読み進めるほど引き込ませる力強さがあります。提示される情報をもとにあれこれ考えても、謎解きの段階で提示された最初の犯人名を見たときはへっ?となりました。(トリックはわかっていたのでもちろん犯人は当てれたんですが)
ミステリー小説の形として実に丁寧な作品です。これ以降の御手洗潔のシリーズも楽しみにしたいです。・・・今度はネタバレなく挑戦しないと

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2015年12月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これぞミステリーの金字塔と呼ばれる本を読んでみたくなり、ネットで検索して購入。

プロローグ後のAZOTHを読み始めた頃にはあまりに難解過ぎてとんでもないものを読み始めてしまったと思った。平吉殺し、一枝殺し、アゾート殺人、3つの事件関係者はそこまで多くないものの、先述した平吉の手記AZOTHなどの要因によりかなり複雑で、やはり平吉が生きていないと話がどうにも…と思わされたが順を追って解決されていく様子みれば、トリック・殺害動機など意外に全てはシンプル。特にアゾート殺人のトリックは図解されるとより一層こんな単純なことだったのか!と驚いた。初めの手記の意味不明さが伏線のように事件を難解にしていたのだなと感じた。
御手洗と石岡のコンビも魅力的で、2人の掛け合いは読んでいてフフッとなる場面も多い。
特に京都編は石岡の奔走への没入感が強く、石岡が京都帰りの新幹線でその一週間を思い出し、『たった一週間なのにずいぶんといろんなことがあった』とコメントするのだが、自分もまったく同じセンチメンタルな気分になり、結構お気に入りなセリフ。
時子の遺書が御手洗宛に届き、時子の人生が良い意味にも悪い意味にも明らかになる終わりもスッキリして良かった。この章のタイトルはアゾートの声であり、この凶悪な事件を実行した自分自身こそがアゾートなのだと時子は思っていたのかななど。

終始その場面が上手く連想出来る文章の書き方で、個人的にはとても読みやすく大満足!
最近読んだ文庫本の中では読み終えるのに一番時間がかかった(1週間)が、お気に入りなミステリー。

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2025年10月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いきなり難解な文章読ませすぎだろ〜!!!
読者離脱しちゃうよ!?
ずーっとこんな古くて読みにくい文章かと思ったら初めだけでよかったw

犯人は被害者の誰かだろうと思ったけど、頭がない死体が犯人だ!までは及ばなかったな〜惜しい!
だいぶ古典的作品だけど面白かったー!

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2025年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

存在はずっと前から知っていたが、読むのが勿体無いような気がしてずっと手をつけずにいた一冊。十角館の殺人により本格的に幕開けとなった新本格ブームの火付け役。御手洗と石岡のコンビの間の会話は、やや冗長な気もしたがそこも含めて楽しむのが本作か。
おおよそ解けたので満足。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何回読んでも良いな〜(笑)御手洗と石岡君が2人でいるのがやはり好きだな〜(笑)2人のやり取りが微笑ましくなってしまう(笑)今のように読んでいて心が痛くなってしまう作品よりもこういった作品の方がやはり好きだ(笑)次は『異邦の騎士』を再読しよう(笑)

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2025年09月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

40年以上も未解決で迷宮入りした戦前の連続猟奇殺人事件を、占い師の青年と友人が解き明かす正統派殺人ミステリ。発行は1980年で恥ずかしながら存じ上げなかったが、今の本格ミステリの礎となった名作とお薦めされたので読んでみた。
昭和初期の時代背景が描写されていて、物語としても普通に面白く読めた。さすがに現代のミステリ文法をもってすれば作品構成もトリックも古さを感じてしまうが、当時としては人体切断ものの先駆けであり、かの名著『そして誰もいなくなった』へのリスペクトが感じられる作品と思う。

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2025年09月20日

ネタバレ 購入済み

探偵ものの推理小説が読みたくなり評判の高い本作を購入しました。
全体としては面白く、正直犯人やトリックは全く想像がつかなかったので後半はなるほど!と感心しながら読み進めました。科学捜査が進んでいる現代の感覚で見ると絶対に通じないトリックだからこそ盲目になるというか思い至らなかったのだと思います。

何と言っても御手洗と石岡のお互いに遠慮のない掛け合いが面白いですね。石岡の御手洗に対する暴言の数々には笑いました。
また、犯人の手記についてはとても悲しくなり(今川焼の下りで思わず涙が出そうになりました)、自分も親が離婚し母と二人で暮らしているものですから同情の念を覚えずにはいられませんでした。

ただ、一点残念に思うとすればとにかく前半が退屈で堪らないところですね。
最初に解決に必要な情報を全て読者の前に並べて置く為だとは思うのですが、御手洗が言う通り「電話帳を読んでいるよう」であり、正直前半は流し読みしてしまいました。
そういう点で☆4です。

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2018年01月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読者への挑戦状、探偵役に完全に委ねてしまい自分では全く分からなかった。アゾートがあると思うから、6人の死体だと思うわけで、アゾートの存在や平吉の手記自体を疑うなら、首の無い死体こそ犯人と思い至るべきだった…金田一少年を通っていないから、ネタバレ?は踏まずに読むことができた。
また、時子が失敗しその都度カバーしながら犯行を重ねたため、第一の平吉殺しが逆に不可解になっていたのかとも理解できた。

ただ、感想ブログにもよくあるように、いくつか疑問点などは残った。
①5人が同時にジュースを飲むか?(毒の回りが遅いなどの描写があれば、症状が出る前に全員飲むかもしれないが…)
➁結構都合がいい
時子が本当に姿を見られずに、すべての犯行が出来るのか?竹越刑事の素性なども、怪しまれずに調べられるのか?事件後の一枝の家に見張りもいないのか?など
③平吉の手記と、実際の人物の名前を変える必要性

第二次世界大戦前の事件だから…と言うけど、現代の警察の捜査をドラマとかで見ている分、そんなに粗いの?と疑いたくなるところもあった。
本筋とは関係ないが、御手洗と石岡君の話口調が似ていてどちらが話しているか分からなくなる場面があった。
けど、総じて楽しく読むことが出来た!次は斜め屋敷の殺人を読みたいな。

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2025年10月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ミステリー好きにオススメの本を探しており、ネットで検索したところヒットしたので購入。

良かったところとして、犯人の正体、そのトリックにびっくりさせられたところ。
最近のミステリーにはない、ぶっ飛んだ感じ。十角館の殺人を読んだ時に違い衝撃でした。

文章は盛りだくさん、少し古い言い回しもあり読みにくさが若干ありました。

あと探偵や登場人物に感情移入がしにくかった、かな。(本を読む時の自分の癖なので、ここは好みによりますが)

ミステリー好きにオススメですが、私は⭐︎3です。

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2025年09月04日

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