【感想・ネタバレ】鬼龍院花子の生涯のレビュー

あらすじ

五社英雄監督、仲代達矢・夏目雅子主演の映画でも名高い宮尾登美子の代表作。大正4年、鬼政こと鬼龍院政五郎は土佐高知の町に「男稼業」の看板を掲げ、相撲や飛行機の興行を打ったり労働争議に介入したりの華やかな活躍を見せる。鬼政をとりまく「男」を売る社会のしがらみ、そして娘・花子、養女・松恵を中心とした女たちの愛憎入り乱れた人生模様を艶冶の筆にのせた傑作長篇。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

花子が生まれて、これだけ松恵の苦しい気持ちを読んだ後で、花子を嫌わずにいられるだろうか?と不安が過ぎった。だが杞憂だった。『鬼龍院花子の生涯』ではあるが終始松恵の目から見た花子であったから。タイトルは花子だけれど、主人公は松恵と言えるだろうから。
鬼政が権力を失っていく段階になるとページをめくる手が止まらない。子分にしても女にしても、意地でも死ぬまで関わりを切らさないのにも関わらず、実際はどんなに寄り添うたところで常に1人で、心から頼れる者もない虚しさ。
他に登場した女たちが心の中ではどう思っていたのかも、少し知りたい気もする。
この本の中で1番義理を通したのは、他ならぬ松恵だった。とにかく松恵が幸せになってくれればいいのだが、それも定かではないのだった。ここまで酷く苦労をしてきたのだから、なんとか報われてほしい。
読者を没入させる筆力のある一冊だった。

0
2022年03月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

良い作品なのだが、何というか松恵が不憫過ぎて。映画の様に啖呵切ってやり返してやる訳でもないし。
もう少しバランスというか、苦労が報われる部分もあって良かったのではと思ってしまう。

0
2024年11月08日

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