あらすじ
一枚食べたらもう引きかえせないからね――。小説家の〈私〉は未施錠の多目的トイレで本のページを貪り喰う女を目撃する。女の警告に挑むかのように、私は蔵書を手に取り……(「食書」)。一泊二日で十万円。三十三歳、無職の〈私〉は怪しげな仕事を請け負う。他言無用の宗教儀式、そこには長い黒髪の女ばかりが集まっていた(「髪禍」)。人生を逸脱することの恐怖と恍惚に、極限まで踏み込む七編。(解説・大森望)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
文庫化ありがとうございます。
単行本で読んだが、手元に文庫本を置けて嬉しい
なんだろう、中毒性が高くて、また読みたいなという気持ちがずっとあった。。文庫化を知らず、書店で見つけた時の感無量の思い
最近ちょこちょこ発表されている短編集も書籍化されますように…
唯一無二の不可思議ゴシックホラーな作家さん
(最初に作家さんご本人の自分語り的な導入があることが多数)
日常からぬるっと非日常に引き摺り込まれ、取り返しのつかないことになっていく
ワードチョイスが知的で好み
Posted by ブクログ
自分にとってはまだ未開拓な部分の多い
ジャンル“ホラー”の短編集。
身体のどこかのパーツという一貫したテーマがあるのだけれど、
いい意味で全くそれを感じないくらいいろいろな切り口が楽しめる。
“珠玉の”短編集という枕詞がよく似合う1冊。
小田さんは非常に寡作ということですが、
まだ単行本としてまとまっていない短編もあるということで、
今後出版される作品は楽しみに待ちたい。
Posted by ブクログ
どの短編も表現技法が丁寧で洗練されており、読んでいて非常に心地よかった。物語を書くということに真摯に向き合う著者の姿勢が透けて見えるような、とかくすると狂気をも感じさせる文章であった。
中でも印象的だったのは「食書」で、久々に脳天をガツンとやられたし、読み終えてまさしく呆然とした。読書は好きだけど、多少なりとも倦んでいるような本読みにこそ、読んでもらいたい作品。正直、この「食書」だけで⭐︎5をつけちゃうね。
Posted by ブクログ
短編集のような内容だったので読みやすかった。
読んでて面白い話もあったので良かったが、ホラーというよりかは悲壮感を感じる本。
巻末の解説を読んで理解が深まる本でした。
Posted by ブクログ
ゲーム界の巨匠、小島秀夫監督が某チャンネルの本屋で手に取り「この作家は大物になる」と評価していた作品。
「世にも奇妙な物語」を文学舞台で描いたらこんな風になるんだろうな、といった感想を抱いた。
文章も読みやすいけれどおしゃれ。ゴリゴリのホラーではない印象だったので、ホラーの入り口として良い一冊。
Posted by ブクログ
時間かかったが面白かったー。
筒井康隆の短編のような印象をうけたなー。
以下、感想。
食書
まるで、暗記パン。確かに、中毒性のエンタメかも。
耳もぐり
すごい事を考える。ジョジョの絵柄で脳内再生された。
喪色記
世界が色を失っていくSF。
妙にリアルにイメージできるのが、作者の凄さと感じた。
柔らかなとこらへ帰る
ぽっちゃり女性に惹かれてしまった男の話。
これ、世にも奇妙な物語で映像化しそう。
農場
1番面白かった。一体、何を育てさせているんだ!?
髪禍
髪を崇拝するカルト宗教の話。
右園死児のような気色悪さ。
裸婦と裸夫
これは藤子・F・不二雄短編小説に似たのあったなぁー。これは恐怖なのか?救いなのか?
Posted by ブクログ
ひとまず1話ずつ感想を。
「食書」7/10
明らかに読ませる力がある。入れ子構造は、読者の脳内を掻き乱し、没入させる力を持つ。
読むと映像のようにしっかり頭に入ってくる。ショッピングモール、東京に住むと現実感を失う光景、大きいトイレ。良い。
いろいろモチベーションになるような作品ではあった。
食べなくても濃密な物語を体験させてくれてありがとうという感じの。
ただオチは好きくないかもしれない。妄想は現実がしっかり確保されていることによって際立つ的な感想。
「耳もぐり」8/10
物語を読ませる力がすごい!面接1時間前にも読みたくなるのすごいわ。話のオチもしっかり。
インセプションと伊藤潤二の裏側になる話を混ぜたような話。良い。
酔歩する男的でもある?
まさかこのクオリティの話が読める本とは思っていなかった。
「喪色記」 3/10
意味不明すぎてこれは何かのメタファなのか?って感じ。そうじゃないと酷すぎる。
どこかしらポリネシアの一族みたいなネットホラーの話を想起させるような話。
頭の中で壮大なイメージを膨らませるのを楽しみましょうという話?。
「柔らかな」7/10
予想できないオチと読ませる力がすごい
ここでこの話を挿入するのはアクセントとして非常に良いと思います。
「農場」 6/10
面白いかと言われたら微妙ではある。設定をただ追跡する系の物語。
若干のハードボイルドワンダーランド味はある。
鼻(花)から生えてきた体はすぐに枯れるみたいなのは、ペットセメタリー味?そして、人肉工場は白井智之の人間の顔は食べにくい味?みたいな連想ゲームが出来て楽しくはあった。
「神禍」 7/10
(柔らかな)と同種。伏線なんてものは存在しない!。
凄いですね、映画「カルト」味。
それはそうとスマホの管理絶対できるわけないよね。
変なものを想像させられて新鮮すぎるよね、みんな頭に思い浮かぶ映像は同じなのかな、と考えると神話想起ですごくエモい。
「裸婦」 7/10
一見真面目エッセイからのトンデモ展開。
読ませる力と想像させる力がすごい、この話は想像すると、それはそれで変な気持ちになるけど。
そういえば食書と似ている。本的に美しいですね。最後の適当感もこれなら許せる。
どの話も文章がぎっちり埋められているので、ページ数の割に読むのに時間がかかる!どの話も総じて7/10くらいで良い。掴みがすごく上手いので読み始めてしまうと読めてしまうのがすごいところ。とはいえ、オチはわざとつまらなくしてるのも感じられるので良い。(?あれ)
Posted by ブクログ
なんという発想、派手さは無いが深い表現の文章、とにかく面白い。ホラーやSFは結局現実味とのバランスが大事な気がしているが、日常でありそうだよねというところからエグい展開に持っていかれて衝撃をうけながら楽しめた。残月記のときも思ったが、この世界観で長編が読みたい。。短編や中編ではもったいない感、もっと楽しませてよ!と思わせる作家だと思う。
Posted by ブクログ
これは、、、、癖になる。
好き嫌いあると思うけど、アラサー世代には完全に「世にも奇妙な物語」が思い起こされる後味。
ホラーより、SF?ファンタジー?
なんとも言い難いが、
明らかにこの物語でしか味わえない感覚がある。
家の本棚に並べておいて、
忘れた頃に
チャララララン、チャララララン(世にも奇妙BGM)をかけながら読みたい。
Posted by ブクログ
口から、耳から、鼻から怪異が侵入する奇抜な発想の短編が七編収録されていて、人体のパーツが怪異の呼び水に変貌する流れとそれに飲み込まれていく人々が圧巻の筆致で描写されていた。まさに怪奇幻想の極致とも言うべき作品だった。
Posted by ブクログ
ホラー、と聞いたのでリングのような物語を想像しましたが違いました。
怪奇的というか幻想的というか…ブラックファンタジー?自分の語彙力が乏しく、この表現で合っているのか。
怖さよりも生理的嫌悪感を感じる人がいるんじゃないでしょうか、特に髪禍とか。想像したら背中がむず痒くなるような。
文章力がとにかく凄まじくびっくりしました、ただその分情報量が多いのでちょっと疲れた。
自身が思ったのとは違いましたが、これはこれで好きです。マニアックすぎて他者におすすめしづらいw
Posted by ブクログ
この本を私流に言い換えるなら
[達人により繰り広げられる、クセの強い闇鍋]
・達人≫
表現力、文章力が凄い!!どんな内容でも読ませる筆力、文が美しい。
・クセの強い闇鍋
各章本当にクセが強い。B級映画かと思うような内容や、壮大なSF系や、途中まで爆笑してしまう程のコメディタッチだったり、本当に闇鍋状態。
どれもクセの強さを素晴らしい文で表現されるので、イケナイ中毒性あり。
それゆえ、これは好き嫌い、受け付ける受け付けないが分かれますねぇ。。
私は嫌いじゃないぞ。
Posted by ブクログ
ホラーだけど怖いより気味悪いだから寝る前にも読めてよかった。怖いを期待してたから拍子抜けだったけど、読み物としてはそれぞれ満足度は高いと思う。人体モチーフなのもあってか、人に関する描写がリアルで気味の悪さに拍車がかかっていた。なんだこれは…そうなるんだ…となる話も多々あったが、読み応えはあった。同じ著者の長編も読んでみたい。
正直本の中を体験できるの羨ましすぎた。
Posted by ブクログ
3.5かな?
全七作の短編集で、それぞれが口や耳、目、肉、鼻、髪に肌というモチーフにちなんだ作品で、ジャンルは怪奇幻想小説であり、ホラーコーナーにあったので手に取った。
はじめの話がもう気色悪い。耳もまあまあヤベェな…と思いながら読むが、喪色記は割と壮大なファンタジーで毛色が違うな?と来ての肉モチーフ…なんか乱歩のキモイ話読んでるみたいな気持ちになった
後半の、農場(鼻)、髪禍、裸婦と裸夫(肌)この3編は好き。
特にラストを飾る裸婦と裸夫は、はじめ1人で裸婦展でも見に行くか!ってとこから電車で全裸男がヒャッホーして、ゾンビパニックもののようになり、最終的に大津波で新世界と進化した人類登場…しかもちゃっかり恋人作りやがって、まったく何を読まされているんだ…という不思議な読書体験を得た
あ、鼻農場の寡黙な頑固職人一代記も面白かったし、髪禍のモンスターパニック感もよかった!
これ、喪色記では飲み込まれる側の話だったけど、髪禍は飲み込まれた者が変貌し飲み込んでゆく側になる話で、そこもよかった〜(世界観は違うけど)
でも、どんな本なの?って聞かれたら、基本的に気持ち悪い。と答える(笑
Posted by ブクログ
【2026年85冊目】
書店のトイレの扉を開くと、便器の上に女の姿。女の様子はどこかおかしくて――「食書」、疾走した彼女を探しに来た男が直面する耳に関する話とは――「耳もぐり」、色を失う世界を夢に見る男は、ある日現実で夢の中の少女に出会う――「喪色記」、バスで隣に座ってきた女に執着してしまう男の行き着く先とは――「柔らかなところへ帰る」、全てを失った男が働き始めた農場で育てられるとある作物――「農場」、髪を恐れる女が日雇いバイトで参加した宗教団体の儀式で目の当たりにしたのは――「髪禍」、突如人が衣服を捨て始め世界が混乱状態になり――「裸婦と裸夫」。身体をモチーフにした7つの物語。
ホラー好きとしては、これはホラー小説というよりもファンタジー小説なんじゃないかと思いましたが、ファンタジー小説好きの人から見たら「いやこれはホラー小説だ」となるのかもしれません。いずれにせよ、怖くはなかったかなぁ、全くと言っていいほど。
不気味といえば不気味なのですが、想像力を無理に働かせられるみたいな感じでもないので、終始「ふーん、なるほどね」という感じで読みました。終わり方も「ふーん」という感じのものが多かったかな。好き嫌いありそうな感じです。
身体のどこかのパーツをモチーフにしているので、おどろおどろしい筈なんですが、そこまででもなかったなという印象でした。お好きな方は辛口ですみません。
Posted by ブクログ
このホラーがすごい2024年第1位
私は この作品をホラーを紹介する本で知りましたので、ホラーなんだろうと思って読みました。
「食書」
それは、タイトルがごとく
若い頃には人生につまずき
歳をとると地球につまづく
「耳もぐり」
解離性同一性障害を 当事者が俯瞰し 文学っぽく表現するとこんな感じかな、と思った
自己の意識の所有権が失われる感覚が不文律
それは耳からやってくる
「喪色記」
目から発生した女との成り行き
「柔らかなところへ帰る」
どこへ帰るのだろう
全く世界観へ入れず
小洒落て小かっこいいレビューを考えていて
“豊潤な母胎への帰還”
なんて考えてから ultraさんのレビューを見直したら 負けた気がした
「農場」
まあ 鼻が問題です。
まさか 鼻が花への変換での生育につながっているのか?
yukimisakeさんのレビュー “SFにホラーを足して”に 純文をかけて大衆で割る
「髪禍」
髪は神
「裸婦と裸天」
各短編のタイトルにネタバレがありますが 身体の一部が絡んでくるストーリーとなっています。
『古事記』上巻のどこかで伊邪那岐命が 自分の身体から次々と神を生み出した禊の場面を思い出して もしかしたらそのあたりが着想なのでしょうかと 途中から 意識してみましたけど わかりません。
ただ ラスト2編で 救いを探し始めた気はする。
Posted by ブクログ
気持ち悪さ、エロさ、怖さ、ユーモアが全部混じったような不思議な作品。
長めの表現が続く文章は読み飛ばしてしまったが、設定が面白くて最後まで読めた。
特に「耳もぐり」が、オチが途中で読めるのに、それでも面白かったのが印象的でした。
Posted by ブクログ
数年前に『このホラーがすごい!』で総なめに評価されていた本。気になっていたけど、単行本を読めず今頃文庫本を手に取りました。
ジャンルは、純粋な"ホラー"というより"怪奇物語"や"異形物語"かなと思いました。
(文庫解説が大森望さんがしているし…)
人間の〈からだ〉のパーツをモチーフにした話。
2011年から2022年まで10年かけて書いた作品をまとめた本だったことには驚いた。
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個人的には『農場』の世界観がディストピアっぽくて好きでした。(村田さやかさん好きな人は好みそう)『耳もぐり』『食書』も独特で面白かった。
ただ、エロい方にシフトした作品は下品で好きじゃなかった。
『柔らかなところへ帰る』『裸婦と裸夫』
『喪色記』は2回読んでも理解が足りず、よく分からなかった。いろいろな作品を彷彿させる。
パラレルワールドの世界ということかな?
『髪禍』は宗教集団×謎の儀式。
気持ち悪いは気持ち悪いけど、期待しすぎたせいかそこまでじゃなかった。髪の毛を食べるとかは普通レベル。
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◆2011~2022年
「耳もぐり」小説新潮2011年9月号
「食書」小説新潮2013年9月号
「柔らかなところへ帰る」小説新潮2014年3月号
「農場」小説新潮2014年11月号
「髪禍」小説新潮2017年6月号
「裸婦と裸夫」小説新潮2021年12月号
「喪色記」2022年8月号「灰色の獣たち」改題