あらすじ
溢れる楽天性と人当たりの良さで患者の信頼を集めるドクトル楡基一郎が、誇大妄想的な着想と明治生まれの破天荒な行動力をもって、一代で築いた楡脳病院。その屋根の下で、ある者は優雅に、ある者は純朴に、ある者は夢見がちに、ある者は漠とした不安にとまどいながら、それぞれの生を紡いでゆく。東京青山の大病院と、そこに集う個性豊かな一族の、にぎやかな年代記の幕が上がる。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
濃いぜ。出てくる人たち、濃いぜ。
楡基一郎をはじめとする楡家の年代記とも呼べるもの。
だけれどもこの病院、どうも様子がおかしいのよ。
どう頑張ってもこの病院…詐欺でね?
ちなみに1名だけ、その欺瞞に気づいている
節のある人物がいます。
途中で存在が消えてしまいますが
きっとそのあとに出てくるものと信じています。
ラストは…
Posted by ブクログ
一代で大病院を築いた楡家の栄枯盛衰。
のほほんと始まり気楽なユーモア小説的なものかなと思いきや、突如として数々の災厄が楡家に襲いかかる。
楡家の人員は、お互いに憎み合っているという程ではないものの、自分のために他人を利用するか、あるいは疎ましく思っているかで、心の交流というものがほとんどない。そのため共感できる登場人物がなかなかいない。強いて言えば院長基一郎の長女龍子の夫徹吉ぐらいだろうか。楡家のごたごたに巻き込まれた被害者的な立ち位置である。
全体的にかなり引きの目線で描いていて、途中からはテンポが速く、あらすじを読んでいるだけのような気分だった。展開としては面白い。