あらすじ
最恐のホラー饗宴!
「小説現代」2025年8・9月号で人気だったホラー特集を魅力的なパッケージで連続刊行!
1テーマに2人、12作。全6シリーズ。
第五弾は、三津田信三×小田雅久仁。テーマは「深夜残業」。
三津田信三 「入稿の一夜」
「メメント・モリ」とは「死を想え」という意味だ。
知り合いの編集者が、そのテーマ企画に携わったときの恐怖を打ち明けた。
編集作業中に暗澹たる気持ちに囚われた彼を襲った、深夜の編集部での出来事とは?
小田雅久仁 「黒衣の女」
深夜零時半、自分以外いるはずのないオフィスで鳴り響くハイヒールの男。
真っ黒なドレスの闖入者が言う。
「あと十分ほどで、人が死にます」
あなたの寿命さえいただければその死を回避できます、と。
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Posted by ブクログ
小田雅久仁ねらいで検索した最新刊。小説現代のホラーシリーズであることは後で判った。そして通販で送られてきた本書を見て、その薄さに驚いた。こういうパターンは以前にもあったのだが、またもや引っ掛かってしまった。
表紙はホラーっぽい雰囲気が出ている。共著、一緒に掲載されている三津田信三は全く知らない作家。知らないのはしょうがない、ホラーについてはあまり明るくないもので。文調も平坦なので盛り上がりに欠けた。
小田雅久仁はいつのまにSF作家からホラー作家に転身したのだろうか。そうではなく、SFとホラーの二刀流なのか。寡作家なのでいまいち良く判らないところだが、前回読んだ「禍」がもの凄いインパクトを与えてくれたのは記憶に新しい。本作品には最初から不穏な空気が流れていて、導入部としては完璧な入り方だった。そして次々に主人公Mの心理状態が加速度的に不安になっていくのが手に取るように判る。それに伴い自分も恐ろしい体験をしていると錯覚するような気分になり、体温が下がる。一番盛り上がるところまで畳みかけるような言葉の力には本当に感服した。これがホラーの真の追い込み方なのか。そして、静寂。その後に後日談のパートに入ったが、これは余計だった。いや、余計と言うよりもネタばらしをする上で必要なのかもしれないが、この結末はホラーに詳しくない私にでも予測できた。興ざめとまでは言わないが、ここでスーパーアイディアが打ち込まれたら、SF卒業を認めてやってもいいよ。