あらすじ
あなたは、罪を犯したことがありますか? そして、その罪を今でも後悔していますか? 早坂千弦はアイドルグループ『クインテイル』の熱烈なファンだった。推しの瑠璃香にはどんな時でも幸せでいてほしい、それだけを願っていたのに、その願いは叶わなかった――千弦が目を覚ますと、真っ白な空間に一人の女性が立っていた。神使と名乗るその人物は、千弦が二十七歳で死んだという……『レゾンデートルの祈り』の著者の新たなる地平。人間の罪と死に、深く真摯に向き合った祈りと再生の物語。 今村翔吾さんプロデュース、「秘境の文筆家」(宮崎県椎葉村)プロジェクトから生まれた第一弾、魂がうち震える長篇小説。
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Posted by ブクログ
久し振りに没頭する作品と出会いました。
高野和明さんの『幽霊人命救助隊』が好きな方は、是非オススメしたい一冊です♪
■勝手に予告編
真っ白な広い空間にぽつりと、仰向けに倒れた男性が一人。
見知らぬ場所に戸惑い始めた男性の前に、純白の衣をまとった女性が現れる。
「うわっ……だ、誰……すか」
女性は、自分が神の使いである神使(シンシ)なる存在であること、これから四十九日の間、男性に修行が課されることを淡々と告げる。
男性は半信半疑に思う一方で、十分すぎるほどの心当たりがあった。自分はもう、死んでいるのだと…。神使に導かれ、男性は修行への白い扉を開けた。
「貴方の来世がより良くなることを祈願して。行ってらっしゃい、早坂千弦さん」(p28)
■読後の感想
早坂千弦という一人の男性の死後四十九日を随伴する作品でしたが、描かれているテーマはとても重厚で、多くの人が共感できる内容だと思います。
フィクションでありながら、どこか現実味を感じさせる世界観が作品に没入しやすいポイントであり、重厚なテーマを個性的で魅力的なキャラクターを置くことで、硬くなりすぎないように工夫されているなと感じます。
なぜか書店で積極的に売り出していないのが勿体ないのですが、読みやすさもメッセージ性も満足度高い作品だったと私は感じたので、これから人気が出ることを祈願しています(^o^)
Posted by ブクログ
あなたは今まで犯した罪を覚えていますか?
自分だけじゃないと思ってついついやってしまった小さな罪、相手の為と思って優しさのつもりで吐いた嘘、いけないことは重々承知のうえでそうせざるを得ない状況にまで追い込まれて不本意ながら犯した他人には言えないような大きな罪。
人はときに、つらく苦しい正しさを選ぶなら、仕方なかったんだと楽に感じられる間違いを選んでしまうこともあります。
そして、それらの積み重ねであなたが来世で生きる世界は地獄だと言われたら、その因果を受け入れられますか。
道かもしれないし、これから歩むかもしれない道かもしれない。
他人の罪を知ること、そしてそれを赦すこと、正すことは、今までの自分の罪を振り返り、次の前向きな一歩を踏み出すことに繋がるんだと思いました。
今、誰かが犯している罪は、今まで自分が歩いてきた
自省の果てに、必要以上に己を縛り付けている罪悪感から解放される日を信じて。
表紙がイラストが素敵だなと思って読み始めたら、読後はそのイラスト以上の価値を感じられるのでぜひ皆さん読んでほしいです。
Posted by ブクログ
アイドル、死後の世界、気になる!!くらいの軽い読み始めとは打って変わって、罪とは、生死とは、命とは、なんだろうと考えさせられる作品だった。
人を殺したから、ものを盗んだから、自ら命を絶ったから。たしかにどれも罪で、疑いようもなかったことのはずなのに、じゃあ環境がかわったら?考え方が変わったら?罪を犯すことで、救われる"なにか"を見出してしまったら?
今まで自分の中にあった常識や正しいと思うことが、一定の条件が揃ったら覆される可能性もあって、そのとき自分がどう感じてどう動けるのか、そんな自問自答をずっと繰り返しながら読み進められた。
私はまだ人間界で生きているのに、魂の修行を続けているような、そんな感覚。