あらすじ
視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった――。書き下ろし小説。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
★★★★★とても良かった。人との関わりを拒む会社員大石アキヒロと視力を失ってから外に出ることを怖がるミチル。事件をきっかけに気配を消してミチルの家に潜むアキヒロ。日に日に2人の関係に変化がありドキドキした。夏と花火と、、よりはこっちの方が好きです。ほかの作品もまた読んでみたいと強く思いました
Posted by ブクログ
まず登場人物も少ないし、言葉も難しくなくて読みやすかった。あきひろとみちるの感じる孤独感は少なからず感じるなぁと。表紙が怖いのだけなんとかしてください。
Posted by ブクログ
面白かった!
ZOOが本当に面白くて買いました。
期待通り、こちらも面白く満足です。別の作品も読みたいと思います。
タイトルと表紙からはかけ離れて、ちょっと奇妙だけど確かに心がほぐれる作品でした。
特にアキヒロが部屋に侵入するまでひたすら自分の殻にこもっていたミチルが外に出るのをアキヒロが手伝うシーンからカズエと仲直りするところまでが圧巻でした。
私もミチルやアキヒロと同じ傾向があるので、人との関わりを0にしようとするのはよくないですね、、
暗闇の中でひっそりとただずむミチルと、ミチルに気づかれないよう気配を消すアキヒロの生活が緊張感があり先が気になってページをめくる手が止まらなかった。そして、軽いどんでん返しもあり非常に面白い。また、視覚障がい者の大変さを知ることができる。生活する上での困難さなど改めて考えさせられた。
Posted by ブクログ
2025.06.16 (月)
おもしろかった…乙一さんの作品はこれで2つ目だけど、どちらも好きだった
主人公アキヒロのような気弱で不安定だけど、不器用でも芯があって人に優しくできる人は少ない…けど、わたしはそういう人が好きだ
本屋さんで探す作家さんが1人増えた
Posted by ブクログ
初めての乙一さんだったので、どんな流れになっていくのか想像できないまま読み進めたんだけど、期待を超えて面白かった。
殺人犯として追われる男が目が見えない女性の家に棲みつく話…なんだけど、孤独な二人が心を通わせていく描写がとても良かった。
Posted by ブクログ
犯人として追われ、逃げ込んだ先の目の見えない住人との不思議な共同生活。生活を共にするうちにアキヒロの優しさが垣間見えたり、ミチルのかわいらしさがあったりと話が進むにつれて二人を応援したくなる自分がいました。
乙一さんの小説の中でも上位に入るくらい好きな作品。
Posted by ブクログ
本間ミチル
青信号を渡っていたら、信号無視をした車にぶつかり、視力をほとんど失う。視力の関係で大学を中退する。父が死んでから一人暮らしをしている。カズエと外出する以外はほとんど家に閉じこもっている。
ミチルの父
脳卒中で他界。ミチルの目が完全に見えなくなるまで点字を共に学んだ。
二葉カズエ
ミチルの小学生のときからの友人。ミチルを何かと理由をつけては外に連れ回す。大学を卒業したが、就職はせずアルバイトをしながら生活している。
松永トシオ
印刷会社の大石アキヒロの先輩。昔、新入社員をいじめていたら辞めてしまった、二股をかけている、などという話を飲み会で自慢する、極めて無神経な人間。アキヒロを見下し、失敗をきつく叱責したりする。駅のホームから突き落とされ、死亡した。
大石アキヒロ
印刷会社に就職。人と接するのが苦手で孤立している。松永から陰湿な職場いじめを受けていた。松永の殺人容疑から警察に追われ、ミチルの家に逃げ込み、彼女に気づかれないよう息を潜める。
若木
職場でのアキヒロの後輩。職場の人間たちとは、うまく関係を築いている。
三島ハルミ
ミチルの家の近所に住む。風で飛ばされたミチルの洗濯物を拾ってくれた。イタリアンレストラン『メランザーネ』で働いている。
Posted by ブクログ
サービスアパートの図書室で借りた。
視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった――。
伏線が散りばめられていて、結末には唸った。
同僚との付き合いをしないアキヒロ。
自分と似てて読んでてちょっと苦しくなった…。
素敵な表現がたくさんあった。
“自分にあるのは、家と、その中に充ちている暗闇だけだ。他には何もない、コンパクトな一人だけの世界。家が卵の殻、暗闇が白身、自分が黄身。寂しいような、それでも穏やかな気分だった。まるで自分が柔らかい布に包まれて埋葬されているようでもあった。
Posted by ブクログ
評価の高いホラー小説で検索したら出てきたので読みました。全然ホラーではなかった。
せっかく面白いのにこのタイトルとこの表紙だと、敬遠されそうではないか…?
この表紙は好きではあるけど、絶対別の表紙にしたほうが良いと思う。笑
怖めの表紙からワクワク期待していたが、ホラーじゃないじゃん!と最初はがっかりしたものの、短く優しいミステリーで楽しめた。
文章だけの小説も、読者の想像力任せで景色は見えないし聞こえない。情景が浮かぶわかりやすい文章なので読みやすかった。
作中の人物たちに共感する部分もあり、視覚障害への考え・目が見える自分の行動も改めて考えさせられた。
フィクションだけれど、目が見えない方が善良な心を持っているなぁ…