あらすじ
解散した男性アイドルグループの一員、南田蒼太が何者かに殺された。北海道Y市の廃ホテルで、めった刺しの遺体で発見されたのだった。メディアは騒ぎ立て、警察は地道な捜査を開始する。事件当夜に南田と会った同じ職場のパート女性、グループの元メンバーたち、十代で孤児となった南田を引き取った伯母とその娘……。誰もが昏い秘密を抱えるなか、驚愕のラストが待ち受ける傑作ミステリ。(解説・齋藤明里)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
解散したアイドルグループのメンバーの一人南田蒼太が遺体となって発見される。周囲の人たちみんなが自分は蒼太にとって特別な存在だと思い込んでいる。周囲の人たちの視点はあるが、蒼太視点の話がないので実際のところ謎。最終的に犯人は判明するがスッキリしない。
Posted by ブクログ
ページを捲る手が止まらない。
他人の死を利用しようとする人たち、自分のみたい面だけ見て、本当の面を見ようとしない人たち。でも、私は彼ら彼女らと違うとは言い切れない、人間の誰しもが持つ醜い側面を、リアルに描きだしている。
読後感は何とも言えず独特だが、まさきとしか先生の味なんだろうと思うと、良い読書体験だったと感じる。
Posted by ブクログ
イヤミスって聞いて、とりあえず気になって買ってみたけどそんなにやったかも。
それとも耐性ができて、ちょっとやそっとで動じなくなってんのかな私。笑
南田蒼太は誰にも本心を語らず、誰の前でも自分を演じ、でも、相手の前でのみ本心を出した。
果たして本当にそうか……?
誰の前でも本心を出してないのに、他のみんなは「自分の前だけは本心を出してもらえた」と思っている。これは彼の一種の才能だと思うし、そりゃあ彼を取り巻く環境は大きくうずめいたものになるだろう。
結局、殺されちゃったし。
でも私は思うんだよね、みんな南田蒼太の手のひらで転がされていたのだとしたら?
だって亡くなった今もみんな南田蒼太の虜なわけでさ。そこまでも作戦やったり?
それぞれの人物の視線から描かれているけど、基本ヒーローだもんな、南田蒼太は。
私は、正直誰からも好かれている人なんていないと思っている。いるとしたらその人は、好かれるように演じているのではないかとも思っている、極論。
Posted by ブクログ
アイドルグループ「ファンキーカラーズ」が解散して7年ほど経った。メンバーは華々しく芸能界に残る雪宮純、舞台や端役で細々活躍する者、それも辞めた者、経営者になった者、ヒモ状態の者,それぞれ。
その中で、舞台をやって辞めて地元の北海道に戻り、叔父の菓子メーカー会社で専務になった南田蒼太が廃ホテルで滅多刺しに殺された。
警察の捜査や、メディアが殺到して、街が大騒ぎ。
記者たちは蒼太のことを探るが、だれも悪い事を言わずない。恨まれるようなことは何もない。逆に、何もないのが不思議なぐらい、こぞっていい人だったと言う。
菓子メーカーで働く48歳。3年前に夫と死別した。蒼太が殺される少し前コンビニで会った。でも言わなかった。警察にマークされる。彼女の父は5年前に脳挫傷で死んだ。その時も,夫の時も彼らの遺産をもらっていた。しかも去年同級生が死んでる。
職場で目立たない自分が!!あの、きらきらした蒼太くんを!!殺した?!って接点が?!
という、妄想に駆られる。(彼女は殺してない)
元メンバーの中村由貴斗は、結婚してヒモになっていた。そこに蒼太殺害のニュースにびっくり。
いつもの飲みやにいくと、お客さんにファンカラのメンバーだったと話す(20kg太って顔バレしてなかった)。代表曲を歌ってはしゃぐのをSNSにあげられて中傷された。テレビは毎日、蒼太の話ばかり。あいつだって後列の端から2番目で、人気だってなかったのに、死んだらちやほやされるのかよ。
妻がSNSが炎上したのをみて、あの時はショックで取り乱したんだ。実は心療内科に通って薬をもらうぐらい蒼太の死がショックなんだ!と、パフォーマンスしろと言う。なるほど。
心療内科で薬をもらう。それを缶酎ハイで流し込む。
飲み屋でも,ショックで泣いてるふりをする。
そんな時寝てたら左の足の裏をくすぐられた。気がした。
昔、蒼太と幽霊の話をした。2人とも幽霊なんていない説だったが、もしどっちかが先に死んで幽霊になれたら足の裏をくすぐると約束した。まさか、蒼太の幽霊?しかも、右だと感謝、左だと恨み。蒼太は俺を恨んでいるのか?
同じグループにいた時ストレスが溜まると、蒼太の靴の中にうんこを入れたり,のようないじめを繰り返していた。まさか、そんな・・
それから眠るのが怖くなった。夢を見たら左足がくすぐられる。薬の量が増えた。
ベランダに蒼太がいる?そんな?
「やめてー」妻が叫ぶ。落ちていく。その間に分かった。足の裏をくすぐって、蒼太の影を見せていたのは、妻だ。
週刊誌の記者左々森はどうしても新ネタを取らないと帰れなかった。事件からすでに落ち着いてきた街。殺害現場は立ち入り禁止だが、止める人もいなかった。
街を歩いて蒼太の取材をするが悪口をいうひとがいない。菓子メーカーの女たちはこぞって彼を奉るように良いことを言う。
蒼太は中学の時母子家庭の母をなくし、叔父の富士一郎に引き取られた。富士一郎が菓子メーカーの社長だった。娘が1人いて、どうも引きこもりがちだった。彼女は、蒼太に振られたらしい。娘が怪しい?
それより、取材するとなぜか「2人」と言う扱いを受ける。自分の後ろに目線がいく。助手席の人はカメラマン?と聞かれる。
1人しかいないのに。
殺害現場はもともと心霊スポットで夜いったから呪われたのではと言われる。そのうち、スマホがなくなる、ICレコーダーも(それは取り戻して真相がわかる)、かばんさえも。
この街はおかしい!!
甥の中学生の蒼太を引き取るのは反対だった。
でも、引き取ったらとても良い子で、娘や夫が言ってくれないような感謝をつたえてくれて、労ってくれて,助けてくれた。
娘が引きこもり気味になったけど、蒼太がいたらそれで良い。
上京して寂しかったが,また戻ってきた。夫は、一社員として育てるから、干渉するな、必要以上に近づくなという。寂しすぎる。
そして、死んでしまった。
それと同時期に引きこもりの塔子が出てきた。引きこもってる間、株などで儲けていたらしい?ほんとに?
夫が、蒼太の代わりに専務にして仕事を教えると言う。そして、塔子の部屋から250万が出てきた。殺さられ寸前に蒼太がお金を下ろした金額にピッタリ。まさか、塔子が?!
元マネージャーだった梶は雪宮純に、蒼太が亡くなった街で残った4人のお祓いがしたいと言う。蒼太が死んで、由貴斗が自殺したので、メンバーだった虎之介が次は自分が呪われる?と不安がっていると言う。
現在、企画会社の社長をしている。仕事は、雪宮の所属事務所からもらっている状態なので、断れない。
虎之介の気がすめばいいからインチキ霊能師でいいもいう。
みんなで北海道にむかい、殺害現場でお祓いもどきをする。
その夜、純に相談された。長く新井明日香という年上アナウンサー(40歳オーバー)と付き合っていた。新井明日香は地味で、付き合っていても、ファンにもウケが良かった。その明日香と別れて、つきあってまだ数か月の巨乳で20歳の森と結婚するという。
梶もさすがに・・・と思うが、純は「蒼太も後押ししてくれた」という。
明日香は地味で純のいうことを全部きく。でも森はそうはいかない。刺激的らしい。
だから、発表したら梶には味方になってほしいと。
純と森が主演する映画の製作発表会見が、蒼太の死んだあの町で行われる。今回はファンカラがモデルとなったストーリー。そこに、記者がきた
「純と森が付き合ってるのは本当か?!」と、問われる。「明日香とは別れたんですか?それとも二股ですか?」
実はこの製作発表には明日香もきていた。
明日香は純と長く付き合っていた。純の言う事は全部きいた。性欲お化けの純の相手もずっとしていた。妊娠したら別れると言われて自分で避妊していた。結婚はしないとも言われていた。そういう愛もあると思っていた。
でも、別れると言われて納得がいかなかった。退屈だったと?それも純が望んだんじゃないか。
純はいつも蒼太の話をしていた。蒼太に嫉妬した。
電話で蒼太に、明日香との別れ話を相談しているのを聞いてしまった。蒼太は「そのほうが刺激的だからいいんじゃない?」と背中を押していた。
あいつ・・・死ねばいい。
だから殺した。
蒼太は、自分の父親があの廃ホテルで死んだと信じていた。だからある一定の日にそのホテルに行くことを純から聞いていた。そこで殺したのだ。
制作発表会見で記者に問われた純は、森とつきあっていて、結婚することを公表した。しかも、妊娠していると。
ざわつく会場。しかも、森は自分は蒼太の隠し子であることをいう。さすがにそれは嘘だろ~となる。
明日香は「あの女さえいなければ」とナイフを振りかざして森をおそう。かばった純の頭にナイフが刺さった。
後日
森は流産。純は軽傷。二人は別れた。
明日香は逮捕された。
さらに後日。
とある墓所にて、ベビーカーをひく女。
実は、森は流産していなくて、名前は山田で、本当に蒼太の娘だった。
15歳の蒼太と、高校教師だった母の間に生まれた。
母が死んで、顔を整形して芸能界に入って蒼太に会おうと思った。
そして純をひっかけた。
蒼太は娘であることを知っていて、自分の娘と友だちがくっつく・・ことが「刺激的」と言ったのだった。
話としてはこんなんだけど(長すぎ)
要は、みんなが蒼太にたいして「私が一番理解者」と思っている気持ち悪さ。
自分が犯人と名乗り出たおばさんも、
その他の菓子メーカーの従業員たちも
叔母も、
ファンも、
純も
元マネージャーも。
でも、イマドキのアイドルの沼ってここかもしれない。
「私だけは分かっているから」って思いこませたらもう、そこは沼だよね。
そう考えると蒼太はアイドルとして、純よりも向いているのかもしれない。
その性質は、若い頃に親を亡くして、親戚に預けられたというところにあるかもしれない。
きっと担任の先生もその沼にハマった一人なんだろうな。
Posted by ブクログ
サクッと読めた。
南田蒼太の周りの人たちに不幸が襲いかかりすぎて途中笑ってしまった。
蒼太の死を利用して何者かに成り上がりたい人たちばかりだったから、それの報いで不幸になっていくのかもしれないけれど。
Y市に住むおばちゃま達が宗教みたいに終始蒼太を持ち上げているのが少し気味悪かった。ここまで他人から好かれてるとなんか気持ち悪いな、裏がありそうだなと思ってしまうのが人間なのかも。
そして肝心の蒼太がどういう人間で、どういう心情で生きてきたのかが、蒼太視点で描かれることが無いため最後までわからなかった。親を早くに亡くして、親戚に引き取られ生きてきたから、周りの人間に気に入られるよう、相手によって役割を演じて、好かれるように生きてきたのかな。好かれてた方が生きやすいから。一種の擬態というか、生きる術だったのかも。
総じて読みやすいし面白いです。
一個気になるのは、従姉妹の女はあの後どうなったの?というところだけモヤモヤしてます。
Posted by ブクログ
物語の頭に亡くなってしまう南田蒼太を中心に色々な人物の目線でお話は回っていく1冊
周りを虜にしちゃう人、いるよね
相手の欲しいが感覚で分かるような……
勘が良いような……
欲しい時に欲しい分だけ出せる人
あれって何で分かるんでしょう
だけどそういう人は、あまり対人関係で苦労しない分期待もしてないような気がします
いや、期待しないから苦労も無いのかな
ん〜。
とてもとても辿り着けない境地だし謎
南田蒼太もそんな人なんじゃないかな〜と。
そんなに周りに気を使っても
あっさり殺されちゃうじゃん
何か損じゃ無いかなぁって
俗物である私は思うのだけど。ね。
Posted by ブクログ
※
元アイドルグループの一人、蒼太の死を
始まりにして次々と起こるメンバーの死。
"呪い"が関係するホラー系かと惑わされ
そうになった矢先、無害で優しいだけの
蒼太像が人によって少しずつ違うことが
見えてきて話の風向きが変わり。
承認欲求、思い込み、願望や依存。
それらに添うことしか術がなかった境遇。
人の心の奥底にある暗い渦や歪みが、
ラストに向かうにつれて更に濃く深く
滲み出てた気がします。
Posted by ブクログ
さっと読むのにちょうどいい感じ。
それぞれの登場人物に課せられた役割がわかりやすく、気持ちよく読み終わった。
「イヤミス」と呼ぶにはちょっと物足りない気もした。
Posted by ブクログ
登場人物どいつもこいつも闇が深い、気持ち悪い
もちろん殺された蒼太も例外なく
蒼太を巡って宗教にハマる感覚って
こんな感じなんだろうなぁと勉強になりました
主役は蒼太じゃなく、蒼太を中心に
若干狂った周りの人間でした
Posted by ブクログ
初めて読むまさきとしかさんの小説。
複数人の視点から南田蒼太についてが書かれていて、読み出し始めると手が止まらなかった。
人間には常に欲求があり、それが南田蒼太の死と関係している。
南田蒼太の本当の顔はどんなだったんだろう。
Posted by ブクログ
「大好きな人」。
複数の登場人物の視点から語られる「南田蒼太」という一人の青年。
彼は誰にも本心を語らなかった。
誰の前でも自分を演じていた。
しかし、彼あるいは彼女にだけは本心を吐露した。
───だろうか?
「南田蒼太」は良い人を演じていたと思う。
「都合の良い人」を。
そうして愛され、結果殺された。
演じなければ殺されなかったのだろうか?
演じなければ彼は愛されなかったのだろうか?
演じることで幸福を得られたのだろうか?
南田蒼太は、殺されたくなかっただろうか。
この本には「南田蒼太」本人の視点からの物語が語られず、すべての問いの答えが伏されたまま終結してしまう。
我々が「南田蒼太」にどんな答えを出すのかを試されているような作品だった。
Posted by ブクログ
実に気持ち悪い、人間の底知れない黒い感情を切り取ったような作品。
会話をする上で居心地が良いのは、相手が自分よりも頭がいいから。なんて事を聞いたことがあるけど、こちらの求める反応、言葉をくれる人間ほど、目ざとくて頭もよくて、こちらに興味のない人間なんだと思う。
悪いことではないけど、そのうち相手の期待する人物像に勝手に創り上げられてしまう。それに見合わなければ、裏切りだと言われてしまう。
どちらの責任?と考えさせられる。
周りの人間はあまりに極端なキャラクターが多くて現実味がなかったけど、蒼太は、よくいる「人誑し」の最も悪い例のような気がした。
人間って怖い。
承認欲求って怖い。
気づけば落ちる沼も怖い。
大人だろうが子どもだろうが、いつだって人間の感情は危なっかしくて、ちょっとしたことですぐに間違える、堕ちる、踏み外すんだと思った。
好きな作品にはならないけど面白かった。
Posted by ブクログ
★3.5です。
一人の元アイドルの殺人事件をきっかけに、その周囲の人達がどんどん不幸に見舞われていきます。
殺人事件の犯人ももちろんですが、その被害者の素顔、そして周囲の人達がどうしてそうなってしまったのかもすごく気になり、ページ捲る手が止まりませんでした。
犯人もまさかの人でしたが、最後「彼女」の今後も心配になる終わり方でした。
少しホラーみもあったので、夏に読むとより楽しめると思います。
Posted by ブクログ
タイトルのキャッチーさ。
大好きな人、とは一体誰にとっての誰なのか。
そしてその後に続く「大好きな人、ありがとう」という不吉さ。
10年前に引退したアイドルグループの南田蒼太が滅多刺しで殺される。
章ごとに彼の周辺にいた人間たちの視点で物語が進む。
いわゆるミステリーとしてのフーダニット、ホワイダニットやハウダニットはあまり注力されない。
個人的には、「死者を取り巻く人間が抱く承認欲求」がとても描かれていると思った。
平凡な中年女性が本当は違うのに毒婦として世間に注目を浴びようとしたり、かつてのメンバーが同じグループであったことをアピールしたり、義母としてそして女としての欲求を満たしてもらおうとしていたり……。
この本にはものすごい悪人も善人も描かれない。
ただ、少し間違えたら自分もこうやって死者を利用して欲求を満たそうとするのかもしれない。
みんなが「本当のあいつを知っていたのは自分だけだ」と思っていたが、本当に知っていたのか。
結局、南田蒼太がどういう人間だったのか、なにを考えていたのかは語られない。読者は最後まで彼のことを知らないままで終わってしまう。
Posted by ブクログ
解散した元アイドルグループの一人が殺された。死んだ彼と自分どの妄想がふくらんでいく。元メンバーや伯母、自分が殺したと偽装するパートの毒婦なども現れて殺された者の姿かどんどん上書きされていく。ミステリーとしてより、欲望に駆られる心理描写が面白かった
Posted by ブクログ
センセーショナルなタイトルが気になって購入。
元アイドルの死と、それによって周囲の人々が歪んでいく話。
誰かに勝手に期待して、「こうであってほしい」と都合の良い理想を押し付けてしまう感情は理解できる。だが本作の視点人物や周囲の人々はその感情の発露が極端なので、読み物としては刺激的でおもしろいがリアリティはあまり感じられない。
最後まで何を考えていたのか(考えていないのか)明かされない南田蒼太とか、エピローグの人物についての真相はおもしろかった。
Posted by ブクログ
あるアイドルの死を利用していく登場人物、各登場人物の目線で死の真相や謎が見えていくストーリーで面白かった
各登場人物の行動原理は理解できないところが多くて、スッと入ってこなかったが、各話の終わりでは腑に落ちる感が気持ちよかった
Posted by ブクログ
B級アイドルグループの解散後10年、メンバーの一人南田蒼太が殺害される。報道をきっかけに、職場のパート女性、元メンバー、血縁のない彼の身内など、彼の周囲が動き始める。でも亡くなった蒼太は何も語らない。
彼に関わった人達の視点で、かつての彼が語られるが、彼の姿は見えてこない。生きていた時の彼も何も語っていない。彼は相手の鏡になるだけで、彼自身には何もない。
既に亡くなっている蒼太に翻弄され狂ってゆく人々。彼はブラックホールだ。
タイトルは誰の言葉‥
Posted by ブクログ
貫井徳郎先生の「プリズム」を思い起こす、人の多面性を描く名著!
元アイドルが死んだ。影が薄くいつも人当たりの良かった彼。彼のことは私が1番よく知っている…。
彼をとりまく人々の回顧録のよう。彼のキャラクターがはっきりしなくてもどかしくて読み進めてしまいます。
最後の一行にすべてが凝縮されています。作者さまの渾身の一行を味わってください。
Posted by ブクログ
サラーっと読めた
メンヘラくさいタイトルだったけど中身は全くもってどろついてる こんなことあるわけないよの中にこんなことあるよなが混ざっていて人の危うさが怖くもあり、いやらしさもありました
誰も幸せそうじゃないのが印象的で、タイトルは何でこれにしたんだろうな
Posted by ブクログ
元アイドルの南田蒼太が殺された。
犯人は一体誰?動機は?とマスコミが煽り世間も騒ぐ。
元グループのメンバー、親族、取材に行く記者、元マネージャーなど…生前の彼と関わったいろいろな人物の立場から、この事件についてや蒼太との思い出が語られていく。
それぞれの主観でしかストーリーを追えないためなかなか全貌が見えてこず、一人ひとりの狂気が際立つ。
事件の被害者と関わりがあったとなると、何かしらそこに執着したくなってしまうのだろうか。
蒼太を神聖化するファンも、貶めようとする立場も、どちらも不気味だった。
短めで読みやすかったが、真犯人も蒼太との関係も、知れば知るほどオエェーーという感じだった(語彙力…)。
Posted by ブクログ
周囲がつくり上げたイメージにずっと応え続ける主人公は、実は心がすごく疲れていたような気がする。周りの人達はどんどん"
こうあってほしい"という要求を大きくしていいき、その理想に主人公を押し込めていく様子が不気味だった。
主人公の振る舞いには本心も含まれていたようには思うが、周囲の期待に応え続けるうちに、どこまでが本音で、どこからが演じた自分なのか、本人にも分からなくなってしまったのではないかな。
この作品ほど極端な状況ではなくても、他人の期待に応え続けるうちに、自分自身を見失ってしまうことは誰にでも起こり得るのだなと思う。
Posted by ブクログ
殺された主人公について、周囲の人間の反応がそれぞれ描写されていた。各個人が主人公を利用し、理想像を追い求めるあまり、人として狂っていく姿を見て、他者に対する執着心とは何かを考えさせられた。
一方、どんなに物語を読み込んでも、主人公の人柄や何を考えていたかわからないところが、作品全体に不気味さと余韻を残している。
Posted by ブクログ
Y市のモデルはやっぱりY市なのか、でもS市っぽくもあるなぁー、と全然違う事を考えてた。S市の廃ホテルの心霊スポットは知らないけど、近くの市に有名な場所はあるなぁー、なんて考えてたりもした。
Posted by ブクログ
芸能界を離れ一般人となった元アイドルが刺殺された。世間はセンセーショナルに騒ぎ立て、彼の職場のパート女性や同じアイドルグループだった元メンバー、彼を引き取った親戚など、殺された彼以外の周囲の人々が主役のお話。
最後まで殺された彼の視点は描かれないため、彼が本当はどんな人間だったかは分からないまま、周りの過剰な評価だけが残って何とも言えない気持ちになる。
でも一番怖いのは、この周囲の人たちの気持ちに少しだけ共感出来るところ。人間のいやらしいところを存分に味わえる作品だと思う。