【感想・ネタバレ】クズの本懐8巻のレビュー

報われない恋 切ない恋 片想い
それってそんなに美しいものですか

片想いばかりで辛い恋愛をしてきた人にはぜひ読んでいただきたい本作品。
主人公・花火とその彼氏・麦は、誰もが羨む美男美女カップル。けれど二人には、それぞれずっと好きで仕方がない別の想い人がいます。そのことをお互い理解しながらも、片想いの寂しさや虚しさを埋めるために付き合う二人。モテる上に恋人までいるのに、決して報われない二人を見ていると、好きな人と両想いになるって奇跡なんじゃないかと思えてきます…。花火が「もし麦のことを好きになれたら…」と何度思っても本命を想い続ける一途なところから、彼女を本当にタイトル通り”クズ“と呼んでいいのか?と考えさせられました。
たまには現実逃避じゃなくて、恋愛の難しさや綺麗じゃない部分に共感して漫画を楽しむのも悪くないですよ…?

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クズは一人も出てこなかった。

「さぞ、イヤなヤツが出てきてイヤな気持ちにさせてくるであろう」。そんなタイトルに、身構えて読んだら意外や意外。誰かの不幸を心からあざ笑うような、共感できない、いわゆる「純粋悪」のようなキャラクターは一人も登場しなかった。通りすがりの脇役まで含めて、ただの誰一人も、だ。主要な登場人物は、その誰もが、懸命に、ひたすらに、幸せになることを願って生きている。足掻いて、もがいて、生きている。彼ら、彼女らが事あるごとにクズだと自称するのは、利己的であることに強く後ろめたさを感じているだけに過ぎない。彼らがクズなら、クズでない人間など誰もいない。

後半にドラマとして失速したように感じるのは、作者が登場人物に対し冷徹になれなかった(描いてるうちに全員が幸せになって欲しくなってしまった)からであろう。その上で出来る限り面白い展開を選んだ苦労が読み取れた。紛う事なき名作。8巻でここまで感情を揺さぶる、過不足なく綺麗に完結した物語を、僕は他に知らない。

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2017年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いやまさかの結末に驚きでした!
クズの総本山である茜が鐘井先生と結婚するとは……鐘井の心の広さは『罪と罰』に出てくるソーニャを彷彿させました。

最終巻は『変わる』ということを重視したストーリーで、モカをはじめえっちゃんも茜も変わっていって、花火と麦も積極的に変わっていこうとする姿勢が、結果『別れる』ということになったのですが、本物を探すために苦しい一歩を踏み出せたのは喜ばしいことです。
『片想いが叶わなくて、次の恋を探すために新たな一歩を踏み出す』、クズの本懐を要約するとこうなりますが、そこに至るまでのストーリーがとても人間的で面白かったです。

1
2017年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コミックスではなく、アニメ1期を鑑賞。
群像劇。

一人ひとりのセリフがお洒落で、儚い。

青春ってこんなにドロドロしてましたっけ。自分にはこんな恋愛経験はもちろんありません。

まさか先生カップルが結婚までいくとは…
個人的にはどんでん返しだった。

文学小説をそのまま映像化したような、綺麗な描写、世界観に引き込まれた。

性的描写が多いので、家族の前で観ることはお勧めしません。
あと美男美女ばかりなので自己肯定感が下がります。

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2020年09月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最終巻。一応本編は最終巻だけどこのあと番外編があるらしい。茜の視点で進む展開でクズ思考がよくわかった。鐘井先生が茜のこと好きなのって母親に似てるからだよね。だから浮気したっていいと思えるんじゃないのかなぁ。それはそれで歪んでるような気もするんだけどな。花火と麦はそれぞれの好きな人の代わりにはできないくらいの関係にはなってたから、最終的に一緒になるかと思ったから切ない終わり方だった。えっちゃんは篤也とどうなったんだろう。消化不良といえばそうかもしれないけど、これはこの終わり方で良かったような気もする。

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2019年06月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

終わりはすごーく普通な感じで、へぇーって感じ。
作品全体としては、キャラクターの歪んだ気持ちやらすれ違う気持ちやらが見えてすごくおもしろく、エロティックな描写も私好み。
ただ、ホントにサラッと終わったので、全体評価は3.5点/5点
見せ場は鐘井先生のシーンかな!
鐘井先生×茜さんが一番の見所になるとは予想もしなかったよ!!

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2017年04月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主要キャラクター
安楽岡花火 粟屋麦 鐘井鳴海 皆川茜
絵鳩早苗 鴎端のり子

高校生カップル。実はそれぞれ好きな人がいて、そしてそれぞれのことを好きな人もいて。全8巻。番外編を予定していると8巻の最後に書かれているけれども、現在別冊はなし。

6人の恋愛矢印が頭に浮かぶ。入り組んでいるかと言うと、特にそうでもなく、意外とさらっと描かれていて、軽く読める作品。
クズだなと印象付けるほど、落とした書き方をしていないので、表現力が弱い気が。全て予想圏内で物語が進んで行ったので、ハラハラドキドキ度に欠けて、可もなく不可もない作品。

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2018年01月14日

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