あらすじ
香川県善通寺市に拠点を置く、対キッカイ要撃組織・フタナワーフは栂遊星の活躍で第一次要撃戦に勝利するが、その代償として全権司令官を失った。一方、遊星の恋人・公文土筆(くもん・つくし)は、反政府的思想集団と行動を共にする。計り知れぬ無力感を覚える遊星の想いを余所に、第二次要撃戦予定日が迫る。さらに進化を繰り返すキッカイとの戦いの行方は? 渡来体の真の目的とは?──異星生命体と二足歩行兵器の最終総力戦がはじまる。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
上巻は「ロボット活劇」の印象が強かったが下巻からは「ファーストコンタクトSF」の色が濃いように思える。 『他者と個人』とくに『個人・個(孤独)』を前面に押し出した作りは時代の空気とマッチしていてリアルに感じる。 登場人物の多さの割にキャラクターの描き分けが出来ていなかったり、同じような描写と行ったり来たりを繰り返す展開には「うーむ」な感じであるな。 が、そんなこたぁどーでもヨロシイ些末な疵なのである。 二足歩行巨大ロボットを成立させた緻密で分厚い設定とディテール、その緻密に組み上げられ構成された文章から不意を付くように漏れ出し噴出する「熱いキャラクターの台詞」にシビレるのである。 終盤の展開や幕切れも「唐突」且つ「取って付けた」感が漂うが、燃えに燃え倒すシチュエーションなのである「ヨシ、オッケー」以外に言葉なぞ無いのであります。
Posted by ブクログ
敵の存在が、絶妙にSFし過ぎず、でもSFらしい面倒くさい設定で、ギリギリ持ちこたえる。時間になるといきなりみんなの気持ちが筒抜けになって本音が分かってしまってみんなの関係を悪くする〜、ってどんだけレアな技を使うんだ。ジョジョか。
登場人物の方も、なんかちょっと変というか、中二病ちっくというか、不思議と魅力がなかったりして、なんかいちいち微妙なんだ、これが。
そんなこんなで、かなり好き勝手にやってる土筆ちゃんをしっかり始末をつける遊星ちゃんがまぁ頑張ったよ!ってことかな。雑な感想しかないな。
Posted by ブクログ
独特の概念/名称に説明を省く(たぶん意図的な)スタイルのために読みにくかったような気がするが、独特の魅力に引き込まれたのも事実。最後は駆け足になった感もあるし、上巻で人類の敵だったキッカイが後回しにされて?感がないわけではないし、そもそもあまり好きな類いの終わり方ではないが、それでもこれは印象に残るSFだなあと。戦闘妖精雪風が言葉SFならば、ダイナミックフィギュアは概念SFだったなと。
Posted by ブクログ
リアルロボットSFの系譜をきちんと継いでる重厚SF、という印象を上巻でしっかりもてたので、物語の収束に非常に期待したんだが…残念なことに下巻の、特に後半部分における駆け足感が非常に残念。
ふろしきを広げ過ぎたって言うのとは違う、むしろ上巻と下巻前半のふろしきを広げるところは大いに楽しめたんだけど、その広いふろしきを持て余してしまったんじゃないかという印象。四辺を持とうにも手が広がらなかった的な感じというか…
続編を書かない(よね、あのエンディングで続編は期待しないし出たら失望する)タイプの小説なら、少々冗漫になっても伏線にはきっちり片をつけつつ、エンディングをキチっと〆ないと。いちばんの核心部分たるヒロインの立ち位置すらフワフワにしてしまっては、せっかく積み上げてきた物語も台無しになってしまっているじゃないか!
続編は望まない、でも大幅追記補正して、1500Pクラスで完全版出してくれるなら、是非期待したい。それでも風呂敷畳むのには足らないかもしれないし、読者層はさらに限定されるかもしれないけど。
Posted by ブクログ
思いがけず出会った一冊。エヴァンゲリオンの構想の着想はこの作者によってもたらされたんだ。エヴァの壮大で難解な世界観はどうしたら産まれたのかって疑問がこの作品で理解できた気がする。
ちなみに読破するのはなかなか大変でした (^◇^;)