あらすじ
人を殺し、その死を巧みに金に換える“先生”と呼ばれる男がいる──雑誌記者が聞いた驚愕の証言。だが、告発者は元ヤクザで、しかも拘置所に収監中の殺人犯だった。信じていいのか? 記者は逡巡しながらも、現場を徹底的に歩き、関係者を訪ね、そして確信する。告発は本物だ! やがて、元ヤクザと記者の追及は警察を動かし、真の“凶悪”を追い詰めてゆく。白熱の犯罪ドキュメント。
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Posted by ブクログ
まじで小説みたい…!
でもきっと表に出てないだけで同じようなこといーっぱいあるんだろうなぁこえー!
日本はもっと早く司法取引を合法化すべきだった
死刑囚を別件の裁判にかける意味があるか?て、
え?こわいこわい
逆に意味ないと思う意味がわからん
死刑執行された後っちゅーならまだしも
生きてるなら真相解明のために審理が最優先なの当たり前やろ
にしても雑誌記者さん本当すごい
Posted by ブクログ
世の中には殺人を犯しても、平然とした顔をして生活している輩がいる。
言葉にするのは簡単で、フィクションでそんな人達は沢山いる。
でもこれはノンフィクション。小説とは違う、生々しい空気が常に漂っている。そして、真実が明らかにされ、逮捕に至るまでには、実際、膨大な時間が費やされる。
その年単位の期間、始めた時と同じくらいの熱量を維持出来るのは並大抵ではないと思う。裏付けをちゃんと取り、手筈を整えでここまで来れた事が凄いと思った。
ジャーナリストとして鏡だったかどうか、振り返って初めてわかるのもまた事実。
大罪を犯しても後悔の念に駆られている人は意外と少なくて、必ずお金は絡み、どうすれば罪を逃れる事が出来るのかに苦心している。嘘で塗り固め、ありとあらゆるもののせいにして、娑婆で人生を終えたい。
そういう輩に有終の美が訪れる事が無いように、司法、警察、そしてジャーナリストには頑張っていただきたい。
Posted by ブクログ
文庫版で「先生」への判決が出た後のことまで読んだ
告発した3件中1件でしか「先生」を追い詰められなかったけど、少なくともこの人間とは思えない人間を世間と隔離できたことは良かったと思う
告発者も恐ろしい暴力性を持った人間だった
復讐を主とした動機の告発だけど、告発してくれて本当に良かった
世の中にはこの事件のような犯罪や犯罪者達が沢山いる
殺人には至ってなくても特殊詐欺で人のお金を奪おうとする人たちの心理はこの「先生」に通じるものがあるんじゃないかと思う
この事件に限らず、雑誌記者だからできる長期の取材があるということを初めて知った
雑誌がどんどん休刊廃刊になってることをなんとも思ってなかったけど、気になる出来事がある時は電子版でも購読してみようかな
雑誌記者、新聞記者、テレビ記者それぞれのメディアの特徴を上手く活かした報道をしてほしい
本の内容からは逸れるけど、インパクトだけを追いかけて事実無根、憶測、思いやりのない取材で人を傷つけることがないメディアが増えていけばいいなと思う
Posted by ブクログ
WOWOWで映画版を見て、興味が出て購入。
「上申書殺人事件」、当時、なんとなくニュースで知っていたけど、ここまでのものだったとは。
まさしく、「事実は小説より奇なり」。
Posted by ブクログ
世間に知られていなかった事件を明らかにするため、著者が取材していくノンフィクション。読み応えがあるし、あえて不適切な表現をするけどすごいエンタメ的に書かれていて面白かった。当該人物の「先生」呼びが気味悪さを醸し出しているし、死刑囚の本当の目的は…まだ何か隠しているのでは…という疑念を抱きながら奇妙な結束で真相に迫っていく複雑な心境もよくわかる。それにしても多額の負債を抱えた人や不動産を持つ孤独な老人に接触して組織的に身ぐるみはがして殺人も厭わない連中がそこかしこに存在しているのだという事が怖すぎる
Posted by ブクログ
面会を繰り返す中で、記者と死刑囚の信頼関係が深まってゆく様は、実話であるがゆえに、心に迫るものがあった。
地道な取材・調査を重ね、ついに巨悪が暴き出されたとき、記者の執念を見せつけられた気がした。
Posted by ブクログ
怖い話のオチなどで「結局一番怖いのは人間だったとさ。ちゃんちゃん」みたいなのがあるが、そんな言葉で片付けられないほどに恐ろしく、しかも事実ということがさらに恐ろしい。
電車の同じ車両にこんな奴が乗っているかもしれない、今すれ違ったのがこんな奴かもしれない、レジ待ちで自分の後ろにこんな奴が並んでいるかもしれない。怖すぎる。
記者の、常に冷静で、すべてに裏取りしていく姿は、仕事している人間として尊敬しかない。仕事をする姿勢が本当に素晴らしいな。
Posted by ブクログ
報道が犯人を追い詰める、記者の確実な取材が形になった。
まさに報道、しかも週刊誌が一人の死刑囚の言葉を信じて、本当の悪人を炙り出す、雑誌の意義を存分に発揮している。
しかも文章が理路整然としていて、妙な正義感を出さない感じも、今まで読んだノンフィクションより好き。
面白かったです。
Posted by ブクログ
死刑囚が塀の中から余罪を告発したことからその様々な事件を追究していく犯罪ドキュメント。なんと犯罪計画まであった。その詳細が書かれている。人を道具のようにしか思わない、必要なくなったら殺せばいい、そんな極悪な人物がこの世には存在する。その怖さを知らされた。人間て縁ですよね。こういう極悪人に縁してしまい被害にあってしまう人、ただし他人事ではないのかもしれない。いつどこで何が起こるかは誰にも分からない、人生何が起きるか分からないから。この一冊にあるように、お金絡みの事件がほとんどかもしれないけど、こういった人物が存在するこの世で生きる限り、慎重に生き抜きたいものだと考えさせられた。
Posted by ブクログ
死刑囚が新潮社の記者に三件の余罪殺人事件を打ち明ける。それには〝先生〟と呼ばれる共犯者がいて、のうのうと娑婆で生活していると。死体がなかったり、証拠を隠滅されているだろうと思われ、真実を明らかにするのは難しい事件だった。弁護士が上申書を警察に提出し、この本の最後には「捜査当局と〝先生〟の勝負の行方ーいまだ最後の審判は下されていない。」と。ネットで検索してみると、その後逮捕され無期懲役を言い渡されたとの事。この記者の取材力はすごいし、やっぱりノンフィクションは面白い。
Posted by ブクログ
映画を見た事あったけど、やっぱり本の方が面白い!
映画でもカーテン屋さんに酒を無理矢理飲ませたのが印象的やったが、やっぱりほんのでもそこが一番印象的だった。
Posted by ブクログ
面白かった。
文庫版描き下ろしで後日談というか、一応の結末が書かれている。
文庫版じゃないやつを買った人からすると消化不良も甚だしいだろうと思う。
Posted by ブクログ
みんながみんな人を殺したのかと思ってたけど人を殺す事ができるのはほんの一部でそれを利用し、自分では手を加えずに多額の金を受け取る。人を殺す奴が悪であると思っていたが一番残酷で汚い奴は誰か、、面白かった。
Posted by ブクログ
読み始めるにあたって、なんの予備知識もなく、なんなら別犯人の複数の凶悪事件を取り扱っていると勘違いしていた。
時系列や人間関係、また事件の詳細を紐解いていく過程などがとても読みやすく、筆者の文才、構成力の高さを感じた。
一気読み間違いなし!
`先生‘と呼ばれている人物の表と裏の顔。読み進めるうちに背筋の凍る思いと、その残忍さに吐き気すらする。著者の地道な取材が、警察を動かせるのか⁈一気読み間違いなしのノンフィクション!
Posted by ブクログ
死刑囚が明るみになっていない三件の殺人事件を告白する。
まるで映画や小説のような話ですが、2005年に報じられて世間に明るみになった実際にあった事件です。
その残虐な犯行手口と主犯は捕まることなく今も普通に生活を続けているという事実は、世間に大きなインパクトを与えたここと思えますが、実は、この事件について何も覚えていません。
事件関係者の心象はこの本を読めば分かるのですが、この事件に世間がどのような反応を示したのか、その点もとても気になったのに何も覚えていない自分が恨めしい。
Posted by ブクログ
貴志祐介『黒い家』を彷彿させるようなノンフィクション作品。人間をあたかも商品のように扱い、そこから金を得ていくという、資本主義社会ならではの現象を浮き彫りにした事件。社会の闇に立ち向かう記者の執念深さと真摯な姿勢が本書から伝わる。
Posted by ブクログ
先生のなんとも無害そうにみえたのが一番ゾッとした。
ドラマのような内容で犯罪にどっぷり浸かっているような人が先生と従われ、見方によったらいい人で。人の親なのがノンフィクションだからこその怖さがあった。
Posted by ブクログ
衝撃的なノンフィクションだった、あまりにも醜悪で、世の中にこんな事を考えて実行する輩がいるのかと、背筋が寒くなった。
一番の悪でありながら、社会の中で悠々と生きている、事実に愕然とするが、悲しいから世の中多々あるよね。
金は人を狂わせる。
Posted by ブクログ
この実話すごいな。って思うけど、ホントにいるんだこんな人。ってくらいに凶悪な二人。
凄まじい。
どちらも写真載ってたけど、結構普通の人っちゃ普通の人で、、、その辺歩いてても早々気に留めないようなおじちゃんが。こんなことやってたなんて。と、思うと同時に家族も普通にいて、家で殺害してたっていうんだからその家族もどんなふうになっちゃってんのかな。ってひたすらに思う。
大学生の娘とか高校生の娘と普通の妻がいる家で殺害ってさ。
保険金かけまくって殺す。って。でついでにそのすごい凶悪おじちゃんの子どもたちが普通に生活してるっていうのもまた、これまたすごいことだし。
借金苦で父親殺してくれっていう依頼が来るのもこれまたすごいよね。
フィクションを上回るノンフィクションに衝撃です。
Posted by ブクログ
凶悪なのは、なにも犯罪者ばかりではなく、家庭を省みない人間だったり、他人を蹴落とす人間だったりする。
そして案外、こういった事件に興味を持ち、犯罪者は死刑になれば良いと考えている人間だったり、死刑は可哀想だと迷う私かもしれない。
小説よいうよりもルポルタージュ
この小説というかルポルタージュを読んで、映画よりも恐ろしいことが現実で起きていたのだという衝撃とともに、
同時に自分の身近でも同じことが起こりえるという恐怖を感じざるを得ないのよ。
今この瞬間にだってわからないのだから。
Posted by ブクログ
普段はほとんど読まないジャンルの本だが、この世界の明るい部分だけでなく闇の部分にも興味が湧き、読んでみた。
内容的には残酷で怖いところも多かったが、文章的にとても読みやすかったため途中でやめることなく読み終えることができた。
カーテン屋殺人の描写がとても怖かったし、自分とこんなにも違う人種の人間が存在しているというのが信じられなかった。しかも三上は、娘を溺愛する父親という一面も持ち合わせているというのがなんとも不思議だった。凶悪な殺人鬼である後藤も、著者との対面の描写や、舎弟を思いやるような描写からは、常識的な一面も感じられた。
また、取材の過程に迫真性があってよかった。マスゴミなんて言われて世間では嫌われているけれど、社会にとってマスコミの働きが大きい場合も大いにあるんだと思い改めた。
Posted by ブクログ
世評ほどではなく。映画を先に見ていたからか、そういうこともあるもんだ、という感慨しかない。しかし、これは先の食肉の帝王や清水潔の著作、やくざ者のドキュメンタリーすべてに共通している。暗部を暴くようなものは、事実以外の面白みはあまり感じないのかもしれない。
Posted by ブクログ
死刑の実刑判決を受けた受刑者が、別の殺人事件を新潮雑誌記者に話し、記者が裏を取り、記事として報道した。受刑者の証言から計画殺人の主犯の悪徳不動産業者が浮かび上がる。筆者が実録を描いたノンフィクションドキュメント。
Posted by ブクログ
死刑囚が獄中から、世間では明らかになっていない保険金殺人事件を告発し、それによって新たに関係者が捕らえられ無期懲役の判決が下されたという実話。
そんな展開があるのかという驚き、人間はそんな汚いことができるのかという事件内容へのインパクト、獄中の人間と雑誌記者との交流、いろいろな複雑な感情が読んでいて刺激されるノンフィクション。
内容は素晴らしい
宮本太一氏の本件関わる取材脳力は特筆すべきものがある。
事実であれば凄まじい事件だ。
また、雑誌の力も思い知らされた。
bookliveで読まさせてもらったが、
追加した部分で重く再現できていないところがあり、そこは残念であった。