【感想・ネタバレ】凶悪―ある死刑囚の告発―のレビュー

あらすじ

人を殺し、その死を巧みに金に換える“先生”と呼ばれる男がいる──雑誌記者が聞いた驚愕の証言。だが、告発者は元ヤクザで、しかも拘置所に収監中の殺人犯だった。信じていいのか? 記者は逡巡しながらも、現場を徹底的に歩き、関係者を訪ね、そして確信する。告発は本物だ! やがて、元ヤクザと記者の追及は警察を動かし、真の“凶悪”を追い詰めてゆく。白熱の犯罪ドキュメント。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

文庫版で「先生」への判決が出た後のことまで読んだ
告発した3件中1件でしか「先生」を追い詰められなかったけど、少なくともこの人間とは思えない人間を世間と隔離できたことは良かったと思う
告発者も恐ろしい暴力性を持った人間だった
復讐を主とした動機の告発だけど、告発してくれて本当に良かった

世の中にはこの事件のような犯罪や犯罪者達が沢山いる
殺人には至ってなくても特殊詐欺で人のお金を奪おうとする人たちの心理はこの「先生」に通じるものがあるんじゃないかと思う

この事件に限らず、雑誌記者だからできる長期の取材があるということを初めて知った
雑誌がどんどん休刊廃刊になってることをなんとも思ってなかったけど、気になる出来事がある時は電子版でも購読してみようかな
雑誌記者、新聞記者、テレビ記者それぞれのメディアの特徴を上手く活かした報道をしてほしい

本の内容からは逸れるけど、インパクトだけを追いかけて事実無根、憶測、思いやりのない取材で人を傷つけることがないメディアが増えていけばいいなと思う

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2022年06月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

普段はほとんど読まないジャンルの本だが、この世界の明るい部分だけでなく闇の部分にも興味が湧き、読んでみた。
内容的には残酷で怖いところも多かったが、文章的にとても読みやすかったため途中でやめることなく読み終えることができた。
カーテン屋殺人の描写がとても怖かったし、自分とこんなにも違う人種の人間が存在しているというのが信じられなかった。しかも三上は、娘を溺愛する父親という一面も持ち合わせているというのがなんとも不思議だった。凶悪な殺人鬼である後藤も、著者との対面の描写や、舎弟を思いやるような描写からは、常識的な一面も感じられた。
また、取材の過程に迫真性があってよかった。マスゴミなんて言われて世間では嫌われているけれど、社会にとってマスコミの働きが大きい場合も大いにあるんだと思い改めた。

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2020年10月31日

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