あらすじ
『無窮堂』は古書業界では名の知れた老舗。その三代目に当たる真志喜と「せどり屋」と呼ばれるやくざ者の父を持つ太一は幼い頃から兄弟のように育つ。ある夏の午後に起きた事件が二人の関係を変えてしまう…。
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Posted by ブクログ
古書店や古書の仲買を商いとする人たちのお話。
小説ばかり読んでいるので、専門書や風俗の書籍に触れない僕には分からないのですが、価値ある本がこの世にはたくさんあって古書を扱う人たちにはある意味で使命感があり本を守ってくれているんだなと感じました。
Posted by ブクログ
一歩間違えたら古書の魅力に取り憑かれ蒐集という妙なる美酒に群がる餓鬼に変わる…
そんな世界で生きる真志喜と瀬名垣の友情とも違う密やかで甘美で謎めいた罪の共有とは…。
長らく積読でしたが冒頭オレンジ色の明かりの灯った古書店『無窮堂』にいざ入ってみると、古書と古書を愛する彼らの世界に引き込まれ一気読みでした。
母親の不在(今はいなくとも昔はいたはずなのに記憶の片隅にも存在しないような)が不思議だったけど気づけば些細な違和感になっていた。
少し引っかかっていた昨夜は「熱かった」 の意味、、
後で読み返して「そういうこと??」と、気づいた。
てっきりお互いに想いはあるもののプラトニックだと思っていたので、まだまだ修行が足りないようです(そのあたりちょっと疎い)
このふたりの物語、もっと読んでみたいとおもったけどシリーズ化はされてないようで残念。
Posted by ブクログ
良質なブロマンス読んでみたいな、と話して勧めてもらった本。読んでみて思ったのは、これブロマンス…?普通にBLでは?だったけれど、あまりに美しい文章で描かれていて、成程たしかにこれはロマンス、これがブロマンスか…と。
古書店というあまり馴染みのない世界を舞台が、繊細な情景描写と美しい表現で描かれているので、どこか非日常を感じさせる。けれどその実、物語の根底に人間の複雑な心情となんとも言えない感情が何層にも折り重なっていて、面白かった。
あさのあつこさんによる後書きがまた美しくて、是非とも最後まで読んでほしい本だった。
Posted by ブクログ
家に眠っていたのを発掘し読み始めた。
最初はブロマンスだと思っていたのだが、本の査定をしに行った翌朝の一言で、あれ?と違和感を抱き、察した。
結局これは最後の方に出てきた教師が書いた空想上の物語ということなのか、あるいは、その前の話があった上で今後も…と続いているのかよくわからなかった。ふたりって何歳だったっけ。
Posted by ブクログ
本編から逸れますが。 最初は遺産目当てなのかとも思えた、美津子さんの亡夫に対する怖いぐらいの愛情に心臓つかまれました。本を収めた蔵を脳みそと例え、語る、美津子さんのくだりが好きです。 真志喜と太一の幼いときの全てが変わってしまった日も、真志喜の祖父の優しさが切ない。 序盤は淡々と進むことから性に合わないかと思っていましたが、中盤以降に一気に持っていかれました。きれいな作品。好きです。
Posted by ブクログ
これからも2人幸せに暮らしてねとしか
真志喜には一緒に縛られてくれる瀬名垣がいたけど真志喜の父親はずっと孤独でこれからも閉じ込められたままなんだろうなと それぞれの家のDNAが行動に出てて面白い
瀬名垣がよく真志喜の髪を触るの良い
Posted by ブクログ
BL、ブロマンス寄りの作品だと聞いて購入。
確かに導入から「細い真志喜の首筋がうっすらと桜色に染まった」などおや?と思わせる描写がいくつか。
古書を愛する2人の物語。2人は過去のある事件から共依存のような関係性になってしまった。過去に囚われる2人が長い年月をかけ、古書を通じて問題に向き合う。
直接的な表現はないがずっと匂わせてくる感じが好き。真志喜の思いが強いのかと思ったら瀬名垣も「所有欲も愛着も、本当はものすごくあることを自覚している。いつまでだって撫でくりまわしてじっくり味わいたいし、だれにも渡すもんかと、いつもいつも思っているんだ」と。
なにより解説のあさのあつこの「月魚によせて」がこの作品の全てをまとめてくれていると思う。これは最後まで読むべき。
「月魚という本に大きな感動や驚きはないがこの作品を読んだ後に思い浮かべる情景は月の夜だろう。
私たちの知らない世界にこんな世界があるのだとそっと教えてくれる。今日もきっと、 無窮堂の灯りが灯っているだろう。」
Posted by ブクログ
細かい情景描写、現実とリンクするようなファンタジー要素が散りばめられており、全体的に美しい作品だった。
瀬名垣と真志喜の歪な関係、ある日の事件。人間関係や好きなものに対する執着心、自尊心、嫉妬などほとんどの人間が持ち合わせている暗い感情を上手く表現している作品だと感じた。
才能を持った者が凡人の夢を壊す。小さく強大なプライドが人を呪縛する。全ての物事を時が解決するとは限らないということをまざまざと見せつけられた。
ただそれは、決してネガティブな面だけではなく、業を受け入れて前を向き続ける逞しさも教えてくれた気がする。
以下、個人的に気になってしまった点。
瀬名垣と真志喜の関係性が、できるだけ生々しくならないように綺麗に表現されてるとは感じたが、自分自身が男であることや、著者が女性であることも起因し、著者の性癖のようなものが垣間見えてしまい、少し気味が悪かった。