あらすじ
美しく優しい母を、義兄修一郎が凌辱しようとした現場を目撃した行助は、誤って修一郎の腿を刺して少年院に送られる……。母への愛惜の念と義兄への復讐を胸に、孤独に満ちた少年院での生活を送る行助を中心に、社会復帰を希う非行少年たちの暖かい友情と苛烈な自己格闘を描き、強い意志と真率な感情、青春の夢と激情を抱いた若い魂にとって非行とは何かを問う力作長編。
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Posted by ブクログ
義兄 修一郎が実母を凌辱しようとする現場に出くわした行助はもみ合いの中、修一郎を刺してしまう。
祖父、祖母に盲目的に愛され未熟なままの青春を生きる修一郎と
義父と母に愛されながらも、2度の少年院生活を甘んじて受ける行助の青春。
これは読む年代によって、感想が全く異なる小説なのかもしれない。
愛し、愛されるがゆえに遠ざかろうとする行助の言動は、友人をして
『倫理そのもの』と言われる程にある種の 冷徹さを感じる
一方。若さだけでは許されない愚かな行動を取り続ける修一郎に
命の喘ぎを感じるのは何故だろう
修一郎の目線から、この小説を読みたくなった