あらすじ
ロシアで国境の居丈高な巨人職人に怒鳴られながら激しい尿意に耐え、キューバでは命そのもののように人々にしみこんだ音楽とリズムに驚く。五感と思考をフル活動させ、世界中を歩き回る旅を、臨場感たっぷりに描く。
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Posted by ブクログ
旅のお供に、と読み始めた。
角田光代さんの小説って、全体を通して、ずん、と重い印象がある。だから、角田さんフィルターを通して見る旅も、そういう、ずん、としたものが出てるんじゃないかと思っていた。
しかし。角田さんが、こーんなにおおっぴらでおもしろいだなんて!時折り、繊細だと感じるところもあり、小説の雰囲気と重ねて、うむうむと自分を納得させながら読んでいたが、でも、わたしの中の角田さんの印象は全く変わってしまった。もちろん、良い方へ。
なんといっても、旅のスタイルに憧れる。移動手段にしても、現地の人との交流にしても、食事にしても、その土地に混じり込んでいる。野生的というか。わたしも、こういうのがしたいのだ。観光≒傍観みたいなのじゃなくて、まあそれも良いのは良いが、わたしも、そこに混じりたい。
それにしても、(年代は違えど)同じ国に行って、同じ景色を見て同じ空気を吸っていても、感じることは人それぞれなんだなあと、当たり前のことを改めて思った。そういう発見も、おもしろかった。
例えばサンクトペテルブルク。
歴史的な聖堂や宮殿が多く残り、街全体もメルヘンチック。“芸術”的なものが身近に在るのもすてき。人々も小綺麗な服を着て、紳士淑女といった感じだが、温かみがある。ーと、わたしは感じた。
でも、角田さんはこう表現していた。
“帝政時代の亡霊たちが、昼日中だろうが午前中だろうが、町のいたるところを徘徊している。過去の存在感はこの町において、現実に生きているでかい人々より奇妙なくらい確固としている。”
ぼ、亡霊、、!うーん、言われてみればなるほどと思わなくもないが。でもやっぱり、大きく違うよね。
角田さんも文中で触れていたが、本の中に描かれている場所を訪れるのって、旅がより味わい深くなって、とっても素敵な体験だと、わたしも思う。主人公や筆者と、思いが交われば幸せだし、交わらなければその違いが興味深い。
でも、サンクトペテルブルクに関しては、行く前に読んでいたら、亡霊の先入観によって、メルヘンだなんてとても思わなかったかもしれない。それもまた一興か。
Posted by ブクログ
海外を旅することは自分は殆ど経験がない。
そんな自分が読んでハラハラしたり、感動したり、旅した気分になれる本だった。
ちょっとクスッとしてしまうところもあったり、読んでいて飽きなかった。
1番印象に残ったのはベトナム。
グッとくるものがあった。
Posted by ブクログ
わたしは海外にまだ行ったことがなく、いつか行ってみたいと思っていたのですが、こんなに想像を絶する場所だとは思いませんでした。
日本の常識などまるで通用しない、何が起こるか分からないびっくり箱のような世界。それが海外ひとり旅なんですね…おそらく。
特に印象に残ったのは、友達と3人で麻薬をキメすぎた話でした。
わたしはこれまでも、そしてこれからも麻薬をキメることはないと思いますが、もし自分が麻薬をキメたらベッドシーツのシワが何に見えるのか気になりました。
犬の死骸か、ハムスターの集団か、はたまた…
でも、知らないで一生を終えても別にいいかなと思いました(^^;)
あと、中国がこれほど酷い国だとは思いませんでした。
屋台では、注文がうまく伝わらないとお店の人に怒られたり、ときには無視されたり。
がんばって伝えて買い物しても、釣りを投げられたり。ありがとうも笑顔もない。
さらに驚くことに、トイレにはドアがなく、前の人の尻を眺めながら、また後ろの人に尻をさらしながら用を足すそうですΣ(゚д゚lll)
わたしは政治経済の事についてはよく分かりませんが、今トランプさんが中国に関税をかけまくっているのは、以前中国に旅行に行った際に何か失礼な事をされたのではないかと頭をよぎりました。
ギョーザが食べたくても無視されたり、釣りを投げられたり、トイレで前の人に盛大におならをされたり。
……なんだかトランプさんが可哀想に思えてくるから不思議です(あくまで妄想の話です(^^;