あらすじ
大河「豊臣兄弟!」より面白い日本史講義
今の日本に必要な「人を動かす」極意
* 人と技術に「投資」
* 「最速」は「最強に通ず
* 「稼ぐ知恵」を配る
* 「分身」を活用せよ
* トップ自ら「おもてなし」
大河ドラマより面白い!! 令和の太閤記
「豊臣ブラザーズ」の人生は学びが多い。(中略)
豊臣ブラザーズは永続して貴族になったファミリーの生まれではありませんでした。であるにもかかわらず、彼らは巧みに天下を獲りました。この国にあって、どのような生き方をすれば、いかなる性格を持ってすれば、このような出世の階段を駆け上がることが可能なのか。歴史家としては、この謎を解き明かして、世間の目にさらしたい衝動に駆られます。(本書「はじめに 歴史から得られるヒント」より)
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Posted by ブクログ
この本は内容が興味深いのはもちろんですが、「はじめに」で書かれているように、「古文書なり良質の資料を読み込んできた歴史学者が、人物評価の要点を提示して正面から論じる『史伝』が必要」という志で書かれているということに、さすがだなあと感銘を受けました。
歴史上の人物を評すると、「それは小説に影響されすぎだ」という向きもあります。しかし磯田先生は、政治は「感情でこそ動く」ことを大切にされています。無味乾燥な資料の羅列でも、フィクションの混じる小説でもなく、その中間を狙った本であることが、「はじめに」で述べられています。
そこで一気に引き込まれて、気付いたら読み終えていました。
磯田ファンとしては、千田嘉博先生と京の御土居に上るシーンや、光秀が山崎の戦いの時に本陣とした恵解山古墳で鉄法玉を掘り出すシーンなど、番組を録画して何度か見返している場面が随所に出てきて面白かったです。
Posted by ブクログ
磯田さんの最新作は、2026年大河ドラマ主人公•豊臣秀長の歴史を俯瞰したもの(最終章には『奈良出身の高市早苗総理』という文言もあるから執筆は今年の後半と思われる)
非常に面白い。
“豊臣秀長本人が出した書状など一次史料は130点余しかない”ことなど、第一級の歴史研究者としての視点で書かれている点が興味深い。
『歴史学者の本は古文書の引用が多いわりに評論が少ない』『説明せずに、事実や古文書そのものを並べがち』
その一方、
『もっぱら人物評は司馬遼太郎先生•堺屋太一先生など、小説家の仕事になっている感がある』『小説家の描く人物像は、必ずしも史実ではない』
そこで、
『しっかり、古文書なり良質の史料を読み込んできた歴史学者が人物評価の要点を提示して正面から論じる「史伝」が必要だ』
という論考には大いに同意する。特に、史料の信憑性の是非を解説して評論を進める所が非常にわかりやすくて良い。“何故この話が信じるに値するか”を、読者が判断できるから。良い。
豊臣兄弟は、“わかっていないこと”がものすごく多い。しかし、“わかっていること”から類推しながらドラマや小説を楽しむのは、色々な意味で人生を豊かにしてくれる。そんな気持ちで軽く読める本。お薦めです。
【余談】
“人物評”としての豊臣秀長を見るなら司馬遼太郎の『豊臣家の人々』一択。短編だけど、家族の情景までありありと描き出す文章はさすがだなと感じます。
Posted by ブクログ
2026年NHK大河ドラマ「豊臣兄弟」にあわせて、磯田先生が出しちゃいました。天下人となった豊臣秀吉、その「分身」として結果を出し続けた弟の秀長。衰退する今の日本では、ゼロから一を作り出した豊臣兄弟の生涯が参考になる。
Posted by ブクログ
今年から始まる大河ドラマ「豊臣兄弟」に向けての関連本。
磯田先生なら間違いなし。参考文献を紹介しながら秀長に関する史実を紐解いていく。
政治や会社経営において、歴史から学べることは限りなくある。歴史を知ることに人生を捧げた磯田氏だからこそ言える言葉がある。
・日本しゃかいが高い価値を置く、丁寧さ、精巧さ、正確さも、もちろん重要なのですが、とらわれすぎると衰退の原因になります。日本で組織が古くなると形式主義・完璧主義・責任回避主義が始まります。無駄を省き、形式を捨て速度と効率を重んじたとき、日本の組織は勃興するのです。
‥豊臣兄弟はまさに速度と効率を重んじて戦略を立てた武将だった‥と。
・案外、人間は奇妙な「情」で動く側面があるのです。学校教科書の歴史は、あまりにも、そこを軽視しています。学問的とは見せかけで、その実、人間やせいじの真髄がわかる叙述にはなってないのです。
‥関ヶ原の戦いに至った時、毛利輝元も上杉景勝も西軍について家康と戦いました。家康との戦いを決断するとき、彼らの頭を無意識に動かしたのは、豊臣兄弟の懇切を極めたおもてなしだったのではないでしょうか‥
BSNHK磯田先生の「英雄たちの選択」はまさに歴史が動く時の英雄たちの心の動きを考える番組だ。